文/Webikeスタッフ:アキヒト

【ヤマハ MT-10SP】
ディテール&試乗インプレッション

MTシリーズの最高峰モデルとして君臨するMT-10。YZF-R1のエンジンを搭載したネイキッドというだけでなく、武骨なスタイルがさらに存在感を増しています。
近年では最上級SSモデルをネイキッド化したストリートファイターが流行っていますが、【The king of MT】を謳うこのMT-10のポテンシャルは如何に?

さらに、今回試乗した車両は上位モデルのMT-10SPとなり、通常モデルとは大きく装備が異なります。
最先端の電子制御を惜しみなく取り入れた【The king of MT】の性能について徹底インプレしていきますよ!

車両サイズ、外観

タンク周辺はMT-09からさらにボリュームアップしています。
跨ってみたり、押し引きしたりするとビッグバイク相応の重さでしたが、それでも走り出すと別のバイクかのように重さを全く感じさせませんでした。

個人的にはMT-09よりも走りやすくハンドリングのヒラヒラ感に驚かされました。MT-09ではハンドル周りとヘッドライトが一体となっていたところ、MT-10ではヘッドライトがハンドル周りから独立したことで軽く感じるのではないかと思います。

【全長/全幅/全高】

2,095mm/800mm/1,110mm

【車両重量】

212kg

▲MT-10SP 左側
▲MT-10SP 右側
▲MT-10SP 正面
▲MT-10SP 後側

MT-10SPのシート高、足つきをチェック

【シート高】

825mm

【足つき】

MT-09からシート高は5mmアップしただけですが、エンジンが4気筒になったことでシート周辺も幅が広がり足つきにも影響しているようです。
MT-09ではほぼベタ足のところMT-10では踵が浮いてしまい、車重もあって慣れるまでは跨っていて少し不安でした。
身長161cmのスタッフも足がピンと伸び切った状態でつま先立ちが限界でした。

▲シート高:825mm(スタッフ身長173cm)
▲シート高:825mm(スタッフ身長161cm)

MT-10SPの灯火類をチェック

【ヘッドライト】

斬新なヘッドライトデザインはまさにトランスフォーマー…
ライトにはLEDが採用され、デザイン性だけでなく視認性も抜群となります。

▲MT-09とは違った顔つきになります
▲キーONでバイザーのライトが点灯
▲ロービームは片目のみ点灯
▲ハイビームで両目点灯

【テールライト】

テールライトのデザインはMTシリーズではお馴染みのスマートなスタイル。
新型MT-09ではナンバープレートがマッドガードに装着されていたことでウィンカーがテールランプ周辺に装着されていましたが、MT-10ではフェンダーにウィンカーが装着されています。

▲テールにもLEDが採用されています

▲ブレーキ握ってない
▲ブレーキ握りました

MT-10SPのメーターをチェック

MT-10SPではフルカラーTFT液晶メーターを装備。
フルカラーの視認性は昼夜問わずバッチリなだけでなく、多機能表示でライダーに多くの情報を伝えます。
メーターはキーONとOFFでそれぞれ演出があり、ライダーのテンションも上がってしまいますね!!

通常表示のメーターでは速度表示、タコメーター、ギアポジション、燃料系、表示切替でODOとトリップ、水温計と外気温、1番下にモードセレクトと各種電子制御の設定が表示されます。

メーターの表示はトラックモードにすることでラップタイマーメインの表示に切り替えることもできます!
走りだけでなく、メーターもレーシングDNAを受け継いでいますね!

▲昼間は白地に黒文字で表示されます
▲暗いところでは黒字に白文字で表示されます

MT-10SPのスイッチ類をチェック

初めてMT-10SPを跨ってハンドルに手を置いた時、正直「スイッチ多すぎ…使い方わからないんだけど…」といった感じ。
試しに押してみても使い方がわからなすぎて、色々な人のブログ見ながら見様見真似で各設定を行ってみました(笑)

右側スイッチボックスに装着された専用のホイールスイッチを長押しすることでメーターの表示が切り替わり、各種設定画面が表示されます。
上から2番目のYRC(ヤマハ・ライド・コントロール)セッティングを選択すると、PWR(D-MODE:走行モード切替システム)、TCS(トラクション・コントロール・システム)、クイック・シフト・システム(QSS)、ERS(前後サスペンション)の走りに影響を与える部分の各種詳細設定ができます。電子制御サスペンションのセッティングもERSで設定できますよ!
 
左側のスイッチボックスでは4~6速ギアでの50km/hから100km/h走行時にセット可能なクルーズコントロールのスイッチとともに、奥にあるMODE切り替えスイッチで通常のメーター画面1番下のモードセレクト表示のまま各種設定を変更する事が可能です。

▲専用のホイールスイッチで各種設定の変更を行います
▲ホイールスイッチ長押しで表示される設定画面
▲各種スイッチとMODE切り替えスイッチ
▲メーター画面でMODEの設定変更をする際に使用

MT-10SPの足回りをチェック

【タイヤサイズ】

フロント:120/70ZR17M/C (58W)
リア:190/55ZR17M/C (75W)

前後ホイールはシルバー×ブルーのSP専用カラーリングが施された軽量なアルミ鋳造製となり、タイヤサイズもフロント:120/リア:190とスーパースポーツと同じサイズになります。
リアタイヤは190もあるので、リアビュー迫力も際立たせていますね!
ホイールにはMT-09SPと同じように「MT-10SP」と記載されています

▲フロント:120/70ZR17M/C (58W)
▲リア:190/55ZR17M/C (75W)

【ブレーキ】

ブレーキはフロントは320mmディスクローターと4ポットラジアルマウントキャリパーを搭載したダブルディスク。
リアには径220mmディスクローターと1ポッドキャリパーを装備。ABSも標準装備となる。

▲320mmディスクローターと4ポットラジアルマウントキャリパー
▲220mmディスクローターと1ポッドキャリパー

【サスペンション】

前後共にオーリンズ製電子制御サスペンションが採用されています。電子制御のため、各種ボタンで設定できるようにサスペンションから配線が繋がれています。
通常モデルでは電子制御も無ければサスペンションもオーリンズではありません。ただ、電子制御サスペンションには好みがわかれそうに思いました。

▲オーリンズ製電子制御サスペンション
電子制御の為の配線がフォークトップに繋がっている

▲リアにも電子制御の配線が繋がれている

MT-10SPのマフラーをチェック

YZF-R1と同じクロスプレーン型クランクシャフトから発せられる4気筒のサウンドと併せて、存在感のある排気音はもっともっととついついスロットルを開けてしまいますね!

MT-10SPのタンクをチェック

タンク容量は17Lとなりデザインもかなりボリューミーです。
エアダクトがタンク下へと続いてことで、一体感のあるデザインが更に武骨な印象を与えていますね!

▲タンクにもMT-10SPの文字が刻まれている
▲タンクはエアダクトと一体になったデザインとなる

MT-10SPのシートをチェック

シートはSP専用のスエード調シート表皮が採用されています。
座席もお尻の部分が広くなっていて、荷重移動で腰をずらした際も安定して体重をかけられます。

▲シートはシートレール裏からあけます
▲シート下は収納スペースが全くありませんでした

装備の数々

ヘッドライト横には12VのDCジャックが標準装備。スマホの充電など電源を取る事が出来るのはうれしいですね。
他にもヘルメットロックが標準装備となります。

MT-10SPの気になるお値段は!?

メーカー希望小売価格
・MT-10 SP ABS:1,998,000円(本体価格 1,850,000円)
・MT-10 ABS:1,674,000円(本体価格 1,550,000円)

価格こそほぼ200万になりますが、ここまでの装備を踏まえると納得してしまいそうですね。
あとは走りにどれだけの性能を求めるかで高いかどうか感じ方が変わっていきそうです…

MT-10:現行車種のスペックや新車一覧はこちらから
MT-10のスペックや相場、ユーザーのカスタムなど詳細情報を見る
MT-10の新車一覧を見る

まとめ

このバイクは全体的にスゴイの一言に尽きますね。

YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)により、スロットルが軽いのに開度に合せてレスポンスよくエンジンが回ってくれます。油断しているとスロットルを軽く捻っただけでも急加速に体が置いていかれそうになりました!

D-MODE(走行モード切替システム)も3モードが1番パワーを抑えてくれているのですが、それでも街中では十分すぎるパワーとレスポンスを持っています。1モード(最もスポーティなエンジンレスポンスを楽しめるモード)に切り替えた途端、さらにレスポンスが増して、今まで感じたことの無いような加速へとパワーアップ!正直公道で使うパワーではありませんね(汗)

ただ電子制御でレスポンスを上げているだけではなく、クリックシフターもスムーズな加速を助けているので、全ての電子制御が速く走る為に機能しています。

電子制御も踏まえて乗っていて感じたのは「このバイクはストリートユースではなく、サーキットユースではないのか?」です。ストリートでは有り余るパワーの為、やはりMT-10の真の力はサーキットで発揮されるのではと常々感じさせられました。
このMT-10はただYZF-R1のネイキッドモデルという位置づけなのではなく、【The king of MT】のコンセプトを持った正真正銘のフラッグシップモデルです!

ここまで多くの電子制御を搭載したバイクを初めて乗りましたが、使いこなすには時間が足りませんでした。それでも、パワーと併せて使いこなせた時はクセになる面白さを持ったバイクですね!

撮影協力:ヤマハ発動機株式会社

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ヤマハ MT-10の価格情報

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