【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

2割増しのパワーに3割増しのトルク

ヤマハからYZF-R3(以下R3)の新型が国内発売されることになった。先に発表されたR25同様、6月10日が発売日となっている。コンセプトはR25同様「毎日乗れるスーパーバイク」だが、R3は320ccに拡大されたエンジンを搭載。余裕のパワーが生み出すワンランク上の走りが魅力だ。

R3の水冷並列2気筒4バルブDOHC320ccエンジンはR25をベースにシリンダー内径を8mm拡大してボア×ストロークを68.0×44.1mmに設定。42ps/10,750rpmの最高出力と3.0kgf-m/9,000rpmの最大トルクを実現している。

スペック的に比較するとR25の同35ps/12,000rpm、2.3kgf-m/10,000rpmに対し、R3はパワーで2割増し、トルクで3割増しの動力性能を有していることになる。車体寸法やディメンション、170kgの車重まで全く同じであることを考えれば、その走りのポテンシャルの高さは想像に難くない。

M1スタイルにライポジもレーシーに

新型R3の特徴についても新型R25とほぼ同様である。具体的にはMotoGPマシン「YZR-M1」イメージのM字型ダクト装備のフロントカウルとスクリーンに新デザインのタンク&タンクカバーが採用され、一気にレーシーな雰囲気にスタイルアップ。視認性の高いフル液晶メーターとLEDヘッドランプを新たに装備するなどグレード感も高められた。

ライポジも従来と比べタンクの高さで20mm、ハンドル位置で22mm低く設定することでより前傾ポジションとなり、ストレートで上体を伏せやすくするとともにタンク形状の見直しによりブレーキングから旋回時のホールド性を向上させている。

ちなみに新型R25では空力性能とライポジへの徹底的なこだわりにより、エンジンと車体には手を入れずにトップスピードで8km/hアップを実現している。新型R3もおそらく同様の効果を得ているものと推測できる。

倒立フォークはサーキットレンジで効果大

機能面では最大のトピックとなるのが倒立フォークの採用だろう。φ37mm径インナーチューブを採用し、フロントまわりの高剛性化とともに減衰力とバネレートに専用セッティングを施すことで、快適さを損なうことなく旋回性能を向上させている。

先日、今回の倒立フォークの採用についてヤマハ開発者に話をうかがったところ、100km/h以上の速度域でのハンドリングの向上を目的としているということだった。想定しているのはサーキットレンジでの戦闘力アップで、特にブレーキングからコーナー進入時におけるフロントまわりの剛性感や接地感が高められているのだとか。リヤシッョクも従来どおりのリンクレスタイプのモノショックだが、新型R3もR25同様セッティングは最適化されているはずだ。

ラジアルタイヤ標準装備でさらに走りを強化

そして、R3にはラジアルタイヤが標準装着されているのも見逃せないポイント。一般的にラジアルタイヤはブレーキング時の剛性感やコーナリングでの接地感が豊富で、より高次元でのスポーツライディングに向いているとされる。R25に比べて排気量が大きくパワーが増したR3にとって、ラジアル化は大きな魅力のひとつと言っていい。

R3はアジアをはじめ世界へ展開しているグローバルモデルだ。定評のあるYZF-R25の車体をベースにより強力なエンジンが搭載されることで、元々の扱いやすさに加え、さらにアグレッシブな走りが期待できるモデルである。ストリートやサーキットで、元気な走りを披露してくれるはずだ。

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