【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

▲デーモン150GR

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若者ユーザーの琴線に触れたスモール外車

最近バイク市場に変化が現れている。日本では今まであまり知られていなかった海外の老舗や、新進の輸入車ブランドがここにきてにわかに注目を集め、若者を中心にブレイクの兆しがある。

「GPX」や「MUTTモーターサイクルズ」、「FANTIC」など昨年末から今春にかけて続々と日本に上陸してきたブランドだ。共通しているのが、125ccから400cc程度の小排気量モデルが中心で、デザインが新しくお洒落感があり、しかも国産車並みかそれ以下のリーズナブルな価格設定が特徴になっている。
免許取得も比較的容易でコスト負担も少なく、人とは違った個性を主張できるなど、若者層にとっては手が届きやすく、新規購入のモチベーションにもつながると見られている。

従来の輸入車といえば、ハーレーやBMW、ドゥカティやトライアンフに代表されるように、「大排気量で高性能な高級モデル」というイメージが強かったが、こうした既成概念を覆す“スモール外車”の台頭は新たなウェーブとして注目に値すると言えるだろう。注目のブランドの一部を紹介したい。

日本車クオリティで安くてカッコいい

▲レジェンド150S

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「GPX」はタイの新興ブランドで、元々は日本メーカーの現地生産などを請け負ってきた実績をベースに急成長してきたメーカーだ。ここ10年でタイ国内でもホンダ、ヤマハに次ぐ第3位の販売実績を確立するなど勢いに乗る。

今年の初めから国内デリバリーを開始。現在のところ、スーパースポーツ風のフルカウルモデル「デーモン150GR」、クラシカルな「レジェンド150S」、カフェレーサー風の「ジェントルマン200」とそのロケットカウル版「ジェントルマン レーサー200」をラインナップしている。

▲ジェントルマン200

▲ジェントルマン レーサー200

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これまで日本車の製造で磨いてきた品質の高さに加え、デザイン的にも欧州ブランドのエッセンスを取り入れた新鮮さがあり、価格も税込で25万円から39万円台と同クラスの国産モデルを大幅に下回る。
先の東京モーターサイクルショーでもGPXブースの前には若者を中心に人だかりが絶えなかった。国内ではGPXジャパンが取り扱う。

英国カスタムの味わいを多くの人に

「MUTTモーターサイクルズ」はハーレーや70年代ホンダ車などのハイエンド・ビンテージカスタムを長年手掛けてきた著名ビルダーが、英国のバイク産業発祥の地であるバーミンガムで興した新進ブランドだ。
コンセプトは伝統的な英国車カスタムのテイストを入れ込んだレトロスクランブラーで、ハンドメイド感を出しつつも価格は可能な限り抑えて品質は保つという高いハードルを自らに課している。

MUTTとは雑種犬の意味で当初はバックヤードで寄せ集めの部品を手作りするところからスタートしたが、2013年のコンセプト発表から世界中で注目を集め、現在では新工場を開設してオーダーに対応している状況だ。

現在空冷4スト単気筒のレトロカスタムモデルを125ccで6タイプ、250ccで4タイプ設定し、価格はそれぞれ50万円~60万円前後となっている。
今年1月に日本導入に向けて大々的なメディア発表会が行われてことも記憶に新しく、予約も順調のようだ。国内ではピーシーアイが取り扱う。

イタリアの老舗がスタイリッシュに復活

FANTICは日本ではあまり馴染みがないと思うが、実は誕生から50周年を迎えるイタリアの老舗ブランドである。かつてはトライアル世界選手権でタイトルを獲得するなど活躍した。その後、経営難により一時は低迷していたが2014年に復活。
往年の名車を現代のテクノロジーと装備で復刻した新たなCABALLERO(キャバレロ)シリーズとして今春から日本国内でも本格展開している。

▲CABALLERO Scrambler 250 ※画像は公式サイトのスクリーンショット:FANTEC SYGNHOUSE

伝統的でクラシカルなスタイルが特徴の「スクランブラー」は水冷4スト単気筒モデルで排気量は125cc、250cc、500ccを設定。同様のバリエーションモデルとして「フラットトラック」も用意されている他、公道走行可能な「エンデューロ」など創業当初からの伝統である小排気量オフロード系にフォーカスしたモデルで勝負に出ている。
価格も250ccクラスで80万円台と伝統的なイタリア銘柄としてはリーズナブルな設定だ。国内ではサインハウスが取り扱う。

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