
仕事や通勤で使うバイクを探そうと思ったときに、まず候補にあがるのが「スーパーカブ」ではないでしょうか。
街中でも見かけない日はまずないというほど、日常の生活の一部になっている小型バイクの金字塔です。
近年ではビジネス使用だけでなく、趣味の対象としても愛されているスーパーカブ。
今回の記事では、「趣味としてのカブってどうなの?」という点に焦点をあてながら、同一シリーズとして原付一種クラス:スーパーカブ50と、原付二種クラス:スーパーカブ110の2台の魅力に迫ります。
|1| 選んで間違いナシ!安心と信頼の"世界のスーパーカブ"
|2| 燃費がすごくイイ!消耗品も安い!!とっても経済的
|3| どんな環境にも負けない高い走行性能
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目次
【ホンダ スーパーカブ50/110】
ディテール&試乗インプレッション
2012年に、メーカーが"フルモデルチェンジ"と表現するほどの新機軸となる改良を受けたのが、現行のスーパーカブ50/110です。
デザインだけでなく、エンジンや車体など全面に渡る進化があり、新時代のスーパーカブを印象付けるものでした。
ビジネスユースとしてのスーパーカブには言わずもがなの高い評価があるので、この記事ではカブって遊べるの?という趣味性の観点からインプレッションしたいと思います。
全体のスタイリングは不変、でも顔つきが大きく変化
新世代感や進化していることをすぐに感じられるのが、このスタイリングです。
従来のモデルでも、四角ライトのモデル(スーパーカブカスタム)はありましたが、一般的に浸透していた"カブのイメージ"は丸型ライト。
それを変更してきたのは、スーパーカブの販売主力となる東南アジア圏では、丸型よりも角型のライトを好むというマーケティング上の理由があったようです。
ただしスーパーカブのもう一つのスタイリングの特徴である、レッグシールドや大型キャリアは従来のままのイメージ。
全体的に「これはスーパーカブだな」と誰もがわかるデザインですね。
カラーリングは、趣味バイクとしても楽しめるラインナップの豊富さと質感はしっかり備えています。海外仕様にあるようなポップなカラーが国内仕様にはないのがちょっと残念です。
車両をぐるっと見回して気付くのは、シートや荷台の高さ、ハンドルやステップなどのポジションが変わっていないこと。
これまでのカブに乗ってた人が、違和感無くサクッと乗りかえることができますね。
これは初代モデルからほとんど変えてない部分ということなので、いかにスーパーカブの完成度が当初から高かったかを物語ります。
こうした不変のカブらしさというものがあるからこそ、その中で個性を表現するカスタムもしたくなるんですよね。
視認性が向上した大型ライトとウィンカー
ヘッドライトは、これまでのスーパーカブ同様にハンドルと一体化されたカバーにおさまるもの。
ウィンカーともに四角くそして大きくなったので、光量や視認性はかなり向上してます。
HIDやLED化などのカスタムで、他のカブ乗りと差をつけるのもいいですよね。
テールライトも同様に大きくなって視認性アップしました。
旧カブと比べてウインカーがあまり飛び出てないので、駐輪場などでも引っ掛けて割ってしまう心配も少ないでしょうね。
メーター表示はオーソドックス、でも大型化で視認性アップ
ハンドル上に置かれたメーターは、速度計と燃料計のアナログ表示と各種警告灯が表示されます。
全型モデルよりも大きくなって、見やすくなりました。
50と110では速度表示と警告灯の有無が違います。
欲を言えば長距離を走るときなどに便利な時刻表示も欲しかったところ。海外仕様にはあるギアポジションインジケーターも欲しかったですね。
キー&スイッチ類は現代的に洗練された
メインキーと左右グリップのスイッチ類は、従来のカブからより現代的な使い勝手に洗練されました。
メインキーはハンドルロックと一緒になりました。これは便利ですね!
斜め差しなのも操作しやすいですよ。
左右ハンドルのスイッチ類も使いやすくなりました。
ウィンカーは左右式(旧カブは上下)になって初めて乗ってもわかりやすくなり、プッシュキャンセルボタンもつきました。
ただし左側スイッチ類が上から、ライト、ホーン、ウィンカーという順番なので間違って「プーッ」とホーンを鳴らしてしまうことも・・・
まあこれは慣れの問題ですかね。
ヘルメットロックもちゃんと装備してます。
メットインスペースなど無いのがスーパーカブなので、ありがたい装備ですね。
シートは厚くなって乗り心地向上、大きなキャリアも継続
シートは厚く大きくなって乗り心地が向上しました。
とはいえ足を出す部分は削ぎ落されてますので、足つき性はこれまで通りにいいです。
身長167cm・足短めの筆者が乗ってもこの通りの安心感です。
大型化キャリアもこれまで通りに装備してます。
積載性がバツグンにいいので、キャンプツーリングの荷物を載せるのもへっちゃらです。日本一周をしてるカブは箱をつけたりサイドバッグをつけたりとすごいことになってるのを、ツーリング先でよく見かけます。
110の場合はキャリアにオプションのピリオンシートを取り付けることで、タンデムも可能になります。
ガソリンタックはシート下に装備。シートを開けると給油キャップがあります。
キーをさしてポコッと外すタイプなのはこれまで通りです。
容量は50、110ともに容量は4.3Lです。どちらも1Lあたり60km程度は走る燃費の良さなので200km以上の航続距離はあります。
ただ長距離ツーリングなどの際には、ガソリンスタンドがなかなか無いことも想定してガソリン携行缶などで予備燃料を持っていると安心できますね。
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サスペンションも改良で走行性能アップ、ブレーキは・・
ホイールサイズは従来の17インチのままです。スポークホイールも継続ですのでチューブが入っています。
サスペンションは前後とも旧モデルよりも強化され、走行安定性が大幅に向上しました。
カブ50で旧モデルと比較すると、前サスが現代のバイクでは一般的なテレスコピック方式になったことで、ブレーキングやハンドリングが向上しています。
カブ110の新旧比較でも前サスは同様ながら、リヤサスが太いものに強化されています。車体が長くなったことも合わさって、直進安定性がよくなって荷物を載せたときの踏ん張りも効くようになりました。嬉しい性能向上です。
17インチホイールとサスペンションの良さのおかげで悪路に強く、かなりのダートでも走れてしまう走破性をもってますよ。
雪道でも装備さえしっかりすればぐんぐん進みます。筆者も所有するカブで、冬はわざわざ雪の峠道を走りに行くくらい面白いんです(笑)
小径タイヤのスクーターならこうはいきません。
ただしカブ110の場合フロントブレーキはドラムが小型になってリヤ同様のサイズになってしまい、停まる力が弱くなってしまいました。
前後ドラムを共通化することで、部品の共有化が進んだりブレーキシューも使いまわしがきくなどメリットもあります。
でもやっぱりアクセル全開からのブレーキング時には、もうちょっと効いてほしい気もするんですよね。
ディスクブレーキ化も、タイホンダの兄弟車のものを利用することで可能になるので、ストッピングパワー不足が気になった方は交換も検討してみてはどうでしょう。
給油するにはシートを持ち上げる
ガソリンタンクはシート下にあります。降りてシートを上げてというひと手間は必要ですが、車両後端にある車両と比べると、リヤキャリアに荷物を満載していても給油に困ることはないというメリットもあります。
容量は4.3Lですが、欲を言えばもう少し欲しかったところ。いくら燃費がいいとは言え、200km以上の長距離ツーリングの際にはガス残量に気を付けたいところです。予備タンクを所持しておくのも一つの手ですね。
ステップポジションは変わらず
ステップは従来通りの車体中央にあります。そこそこの高さがありますのでバンク角もあり、ちょっとした段差に臆することなく走れます。ダートを走る場合にも、スタンディングしやすい位置です。
ステップに立てずに足を踏ん張れないスクーターとは、操作性が段違いにいいんです。
110の場合は、スイングアームに取り付けられたタンデムステップがあるので、2人乗りも可能です。
2人乗りもとてもしやすいので、カブは後ろ専門の人にも評判いいんですよ。
細身の車体で乗り降りしやすく、運転者の方や腰にも掴まりやすいから怖くないそう。ステップもスポーツ車のように前過ぎたり細すぎたりもなく、自然と足を下す位置にあるので、疲れることが少ないそうです。
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エンジンは静粛性と加速感向上
エンジンはとっても静かで、カブより静かなバイクを探すのが難しいほど。
クラッチが2段化されてシフトチェンジ時のあの「ガシャコンッ」という音も低減されました。
静かすぎて、走行時に四輪自動車や歩行者に気付いてもらえないのではないか?なんて心配も。
走りは50、110とも従来よりも、加速感のあるもの。
4速化されたミッションのおかげでパワーバンドをうまく使えるようになった恩恵もありそうです。
かなりローギアードな1速ギアは健在で、日常の平たん路走行時はちょっと使いにくいものの、荷物満載時や急な登坂路でも何事もなくスタートしてくるのは頼もしいです。
荒れたダートでもスルスルっと走破できる力は、高性能なオフロード車を除けば、スーパーカブ以上のバイクはないのでは?
それも誰もができてしまうような、操作や運転の簡易さがあるのが驚きですよね。
こうした走行性能の高さも、カブが実用的な使用だけでなく、趣味のバイクとして楽しめる要素だと感じました。
そしてカブの面白さのもう一つの重要な要素は、「クラッチ操作はいらないけど、ギア選択は必要」というシフトチェンジにあります。
独特の操作に、最初は「苦手だなー」という人も多いですが、慣れてしまえばスクーターのような楽チンさとスポーツバイクのような操作感が同時に味わえるのです。
ギアを下げる時には、後ろにペダルを踏み込みます(写真は踵で踏み込んだ場合)
ギアを下げる時に、より確実な方法として、つま先でペダル後ろ側を踏み込む方法もあり
50、110のそれぞれ出せる速度に違いはありますが、車体構成と操作は基本的に共通なのでどちらも同じ楽しさがありますよ。
まとめ
スーパーカブは業務用のバイク、そんな風に思ってた時期が筆者にもありました。
ですが、日本が豊かになる過程で絶対に必要だったスーパーカブの業務用としての役割は、少しづつ変化していってるように感じます。
そしてこの記事を書いているその最中で、新型スーパーカブがこの11月にも発売されるという、新聞各紙の報道が飛び込んできました。
既にホンダのサイトでも、東京モーターショーに展示されるとして公開された新型スーパーカブの画像をみると、外観こそ違うものの車体構成や機構は変わらずにあり続けるスーパーカブの姿がありました。
ポップなカラーや丸目にもどる外観デザインが、「よりパーソナルな遊びの道具」としてのカブの重要性が増していってるのを物語っているように思えます。
「バイクで遊ぶなら、まずはスーパーカブに乗ることから」
そんな時代がやってきているのかも知れませんね!
撮影協力:株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
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