金属ならではの光沢と重厚感を備えたクロムメッキ。かつては前後フェンダーやスポークホイールのリム、ハンドルパイプやドライブチェーンカバーなど、バイクの要所を飾る重要な表面処理技法として活用されました。最近の機種では外装パーツの多くが金属から樹脂に取って代わりましたが、その表面にメッキを施す樹脂メッキも多用されています。それらの美しさを保つには、塗装部品とは異なるケアが必要です。メッキのプロ、磨きのプロであるNAKARAIが開発した「ミガキング」は、デリケートなクロムメッキ表面の汚れやくすみを除去する画期的なクリーニングケミカルです。

クロムメッキはペイントの塗膜より硬いが、一度ついた傷を取り除くのは困難


ヘッドライトケースやハンドルパイプやメーターケースなど、ネイキッドスタイルの絶版車のハンドル周りにはクロムメッキ仕上げのパーツがふんだんに使用されている。経年劣化によって汚れやくすみ、サビが生じると見栄えが一気に悪くなる部分だ。


絶版車のクロムメッキ仕上げのスチール製前後フェンダーには、樹脂製フェンダーとひと味違う豪華さと重厚感がある。この輝きを損なわないように日常のメンテナンスから気を配りたい。


現行車で多用される樹脂メッキは、複雑な成型品に魅力的な輝きを与えてくれるが、濡れ雑巾などで雑に擦ると簡単に傷ついてしまう。泥やホコリなどの汚れは洗車用シャンプーとスポンジで優しく洗い流してから磨き作業を行う。

塗装とメッキの違いは、塗装の主成分が樹脂であるのに対してメッキは金属であるという点です。メッキにもいくつかの種類がありますが、中でも最も光沢が良く高級感があるのがクロームメッキです。

最新のスーパースポーツモデルでは、外装パーツに樹脂を用いる機種が多いですが、カワサキW800やヤマハSR400を筆頭としたトラディショナルモデルでは、前後フェンダーやハンドルなどにクロムメッキを施した金属製パーツを装着する例も少なくありません。さらに、バイク界で人気の1970年代を中心とする絶版車では、原付クラスのバイクでもクロームメッキを多用していました。さらに現行モデルの樹脂パーツでも、樹脂メッキにより金属感やゴージャス感を演出しているものもあります。

一般的に金属パーツのクロムメッキは、銅メッキ、ニッケルメッキを下地として施工します。施工後の被膜は金属のクロム被膜となるため、樹脂を主成分とする塗装より硬度が高いのが特長です。

しかし、洗車やワックスがけなどのメンテナンス時には注意が必要です。クロムメッキの表面が塗装より硬いのは事実ですが、被膜の厚さがきわめて薄いため一度傷が付くと磨いてリカバリーすることは困難なのです。被膜の厚さは施工条件によって異なりますが、クロムメッキ被膜の厚さはほんの0.2~0.5μm、つまり1000分の0.2mmほどしかありません。

そのため、不用意にスポンジやウエスで擦るだけで細かいスクラッチ傷がつくことがあり、さらに一度入った傷は磨いても取れないという面倒な状態に陥ります。塗装面であればコンパウンドで磨いて傷が目立たなくなる場合もありますが、被膜が薄いクロムメッキをコンパウンドで磨いてしまうと下地のニッケルメッキが露出してしまうこともあります。

美しさを取り戻すための洗車や磨き作業が、クロムメッキにとって最大のリスクになるというのは、磨き好きのバイクユーザーには何とも皮肉な話です。

メッキのプロが開発。超微粒子コンパウンドで優しいミガキング


10年ほど前、クロムメッキの表面保護剤の「メッキング」と同時に商品開発が進んだ「ミガキング」。だが当時はメッキングが先行し、次にクロムメッキのサビを落とす「サビトリキング」の開発を市販化を行ったため、満を持して登場となった。180mlのリキッドコンパウンドと史上“最鏡”クロス1枚がセットとなる。


ミガキングはリキッドという表現が相応しいサラサラの液状で、指で擦ってもコンパウンドの粒状感はほとんど感じられない。今までペースト状のコンパウンドでクロムメッキを磨いていたライダーは、あまりの低粘度ぶりに驚くはずだ。


クロスで擦ると傷の原因になる砂利やホコリはあらかじめ水洗いなどで落とした後に、クロスに適量のミガキングを取り力を込めずに優しく磨く。いくら傷つきづらいとはいえ、ゴシゴシと力を加えればメッキにダメージを与えてしまう。


見た目ではクロムメッキらしい光沢を放っているが、短時間磨いただけでクロスの表面に黒い汚れが付着する。もちろんこれはメッキ表面についていたものだ。部品自体が古いので多くの小傷がついているが、新たな傷を追加することなく汚れだけが落ちて光沢はよりクリアになった。


樹脂メッキ仕上げの250ccスクーターのマフラーエンドをミガキングでクリーニング。砂ぼこりなどをあらかじめ落としてから史上“最鏡”クロスに塗布したミガキングで優しく撫でると、サビの種のようなポツポツとした異物が徐々に除去されていく。


ミガキングに含まれるコンパウンドは超微粒子タイプなので、素材を大きく削ることがない。しかしながら成分に含まれる薬品の力で汚れが溶けるように落ちていくのが特徴的。力を加えたいと思っても、しばらくは我慢して優しく磨き続けよう。

クロムメッキならではの美しさを維持するには、想像以上にデリケートなケアが必要です。そんなクロムメッキのお手入れに特化したケミカルが、メッキ工房NAKARAIの「ミガキング」です。

メッキ工房NAKARAIといえば、クロムメッキのコーティング剤である「メッキング」、クロムメッキのサビを取り除く「サビトリキング」が有名なメッキのプロフェッショナルです。同社は元々はメッキ工場からスタートしているだけあって、メッキの工程や特性を知り尽くしています。また絶版車や旧車のレストア作業で不可欠な再メッキ作業も数多く手がけており、メッキの経年劣化やサビについての造詣も深いのが特長です。

「メッキング」「サビトリキング」に続く新製品である「ミガキング」は、クロムメッキ表面に生じた汚れやくすみの除去に特化したリキッドタイプのコンパウンドです。金属磨き用ケミカルの中には、研磨剤特有のザラザラ感が明確に分かる製品もありますが、ミガキングの研磨成分はきわめて微細で、磨く相手を削るような感覚はまったくありません。微細な研磨剤で研磨力が低ければ力を加えて擦らなければ汚れ落ちが悪いような気がしますが、優しく撫でるように磨くのがデリケートなクロムメッキ面を傷つけないための重要なポイントです。

「汚れやくすみは除去したいが、擦りたくない」という相反する課題は、実はメッキ工房NAKARAI自体がクロムメッキの手入れをする中で直面するものでした。そのためにオリジナルの磨きケミカルを開発した経緯があり、その際のノウハウを活用しながらより多くのユーザーが手にできるよう開発を行ったのがミガキングです。そしてこのミガキングのパフォーマンスを最大限に発揮させるための重要なアイテムが、付属の「史上“最鏡”クロス」です。高級メガネ拭きの100倍以上細かい繊維の働きにより、パーツ表面に付着した汚れを効果的にからめ取り、引きずり傷を残さず磨き上げることができます。

ミガキングと史上“最鏡”クロスの組み合わせでクロムメッキパーツを優しくなでると、力を入れてゴシゴシと擦ったわけでもないのに、クロスが黒く汚れてきます。つまりそれだけパーツ表面の汚れが落ちているというわけです。すでに付いてしまっている傷を消すことはできませんが、ミガキングで汚れを落とした部分に新たな傷が付くことはありません。

金属部品のクロムメッキはもちろんですが、ミガキングは樹脂パーツのメッキにもおすすめです。洗車時の拭き取り不足でメッキ表面に残った輪染みを不用意に擦ると傷の原因になりますが、そうした汚れもミガキングで磨くときれいに除去できます。汚れが付着しがちなマフラーのプロテクターなど車体下部の部品に対しても、強く擦ることなく光沢を回復することができます。

クロムメッキの硬度や耐久性を知った上でコンパウンドの成分を調製し、専用のクロスと組み合わせることで磨き傷を発生させないという配慮は、メッキのプロであるNAKARAIだからこそ実現できたとも言えるでしょう。汚れたクロムメッキのクリーニングに効果があるのはもちろんですが、コンディションが良好なうちからミガキングでメンテナンスを行うことで、余計な傷を付けることなく美しさを満喫できるというわけです。

ミガキングで汚れを落としたら「メッキング」の強力被膜でメッキ表面を保護しよう


クロムメッキ表面の無数の小さな穴をカバーする保護皮膜によってサビの発生や汚れを防ぐメッキング。ミガキング登場以前は洗車や脱脂で表面を整えた後に施工していたが、ミガキングで汚れを完全に落としてから塗布することで被膜の密着性が向上し、今まで以上に美しい仕上がりが期待できるようになった。


メッキングを史上“最鏡”クロスに1、2滴垂らしたら、10×10cm程度の面積に薄くムラなく塗布する。ウェット状態で塗布すると、メッキ面が虹色状にムラが出るので、その際は硬化が始まるまで広範囲に塗り広げる。初期硬化は5~10分後に始まり、24時間で完全に被膜が硬化する。その間、水が触れないように養生する。

ミガキングによってデリケートなクロムメッキの汚れを取り除くことができますが、実はクロムメッキの表面には目に見えないレベルの無数の穴があり、そこから水分が浸入することでメッキがダメージを受け、サビの原因となります。そのため、適切な保護皮膜が必要となります。

メッキ工房NAKARAIの「メッキング」は、クロムメッキ表面に特殊シリコーンを主成分とする強力なメッキング被膜を形成することで水分の浸入を防ぎ、防汚効果を発揮しながら、成分中に含有する光沢剤によってメッキならではの輝きをアップするのが特長です。

メッキ表面の穴を埋めるというと、厚塗りしたくなる気持ちも分かりますが、メッキングは付属の史上“最鏡”クロスで薄く塗り伸ばすのが重要です。薄くても被膜は強力で長期間に渡ってクロムメッキの輝きが持続します。メッキングを塗布する際は、事前に表面の汚れや油分を除去しておくことが必要なので、ミガキングで磨いた後にメッキングでコーティングを行うのはベストな流れと言えるでしょう。

きらびやかな光沢と重厚感と引き替えに繊細なケアが必要なクロムメッキ。「ミガキング」と「メッキング」のコンビネーションは絶版車、現行車の区別なく、メッキの輝きを長く持続したいユーザーが納得するパフォーマンスを発揮します。

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