リヤサスペンションユニットの性能低下によって、足周りの動きが悪くなることがある。果たしてその原因は、リヤショックユニット本体そのものなのか?それとも他に、動きが悪い原因があるのか?ここでは、動きが渋いリアサスペンションの作動性確認を実践してみよう。

作動摺動部分は徹底的に分解洗浄



ホンダエイプのリヤサスペンションは、リンクユニットを持つモノショック仕様。ツインショックのスイングアームモデルなら、ホイールを取り外し、2本のショックユニットを取り外してスイングアーム単体で動かし確認することができる。そんな作業によってスイングアームピボット部の良否は判定できる。エイプの場合は、リンク機構を持つリアサスペンションなので、今回はリンク本体を取り外して容器の中で完全洗浄した。こんな際にはカットしたPETボトル容器が使い易い。

ピン&ブッシュの洗浄とグリスアップ







リンク周辺の汚れを洗い流したら、各軸受けピンを引き抜き洗浄しよう。受け側ブッシュ汚れやダストカバーの汚れもしっかり洗浄しよう。ピンやブッシュに偏摩耗箇所が無いか?確認しながら作業進行しよう。原付クラスのモデルなので、ブッシュ&ピンの組み合わせだが、中型スポーツモデル以上では、樹脂ブッシュが金属メタルやニードルローラーベアリングになり、より良い作動性が追求されている。

高性能グリスで潤滑性向上



ピンとブッシュをパーツクリーナーで洗浄乾燥し終えたら、ピン外周にグリスをしっかり塗布してからブッシュに差し込んでグルグル回し、グリスを全体に行き渡らせる。ダストキャップの内側も洗浄し、グリスを多めに塗布しよう。車体への組み込み完了後に、外部へ溢れ出ているグリスは、キレイなウエスでしっかり拭き取ろう。ハミ出したグリスが逆に汚れを呼び寄せてしまうからだ。

スイングアームピボットシャフトもグリス塗布

スイングアームの上下作動を確認したら、ピボットシャフトを緩めて引き抜き、ピボットシャフト(ボルト)へのグリスアップも行う。このシャフトを軸にスイングアームが直接摺動するわけではないが、このポルトがサビてしまうと、抜き差し自体が容易にできなくなってしまうことが多い。シャフト全体にグリスを薄く塗り伸ばそう。

ピボット摺動部のグリスアップが肝心





スイングアームの左右には樹脂ブッシュが圧入され、そのブッシュと摺動するカラーが組み込まれている、カラー外周の汚れたグリスをウエスでしっかり拭き取り、グリスを塗布して指先で伸ばそう。リンクブッシュのダストカバーと同様に、ピボット用ダストカバーもしっかり洗浄して内側にグリスを塗布しよう。

パーツリストで部品構成を確認しよう

リアの動きが悪い=高性能サスペンションに交換したい!!その前に、やるべきことは数多くある。ここでリポートしたように、リンク周りの洗浄&グリスアップやスイングアームピボット周辺の洗浄&グリスアップによって、リヤサスの動きがまったく異なり良くなる可能性もある。メンテナンス後は、伸び切り直前の作動性が特に良くなるようだ。さぁ、実践してみよう!!

POINT

  • ポイント1・ リア周りの動きが悪いときにはショック本体を取り外し、スイングアームの作動性を確認
  • ポイント2・ スイングアームの動きが悪いときにはリンクユニットを分解洗浄
  • ポイント3・高性能グリスを単純に塗布するのではなく、パーツ単品をしっかり洗浄してからグリスアップ

通勤車両として毎日快適に働いてくれるのが通勤快足車。日頃からメンテナンスを怠ることなかったので、大きな不満は無かったそうだ。ところがある日、リアショックの動きが渋いことに気がついた。車体を直立させ、リアシートエンドを地面に向けて押し込むと、リヤショックユニットの反発が悪く、リバウンドが遅く渋く感じられた。そのときの印象は「リヤショックユニットがヘタったかな?」だったそう。そこで、スプリングにイニシャルを掛けて、初期設定を硬くしてみたそうだ。するとリバウンド時の反発は明らかに良くなったが、走行時のハネ返しが強く感じられ、乗り心地は悪くなったそうだ。

そんな症状になったので、ガレージに持ち込まれた通勤快足車のリアショック周りを分解洗浄&グリスアップを施し、組み立て直すことにした。リアホイール、リアショック本体の順に取り外し、スイングアームを手で上下させてみた。すると、リアショックが伸びる方向で動きが渋くなることを発見。スイングアームを持ち上げる=リアショックを縮める方向にはスムーズに動くが、そこからスイングアームを下げ、リアショックが伸び切る手前で動きが渋くなるのだ。そこで、スイングアーム前方下に組み付けてあるリンクユニットを取り外し、リンクに圧入されているベアリングやブッシュのコンディションやピンとのアタリ具合を確認。すると、明らかにグリス切れ症状で、それが原因で動きが渋いのだと判断した。

リンクおよびピンをパーツクリーナーでしっかり洗浄。特に、ニードルローラーベアリングケージ内に詰まった汚れたグリスやブッシュ内壁を徹底的に洗浄した。ピン外周のカジリキズはオイルストーンでバリを除去。クリーニング後にグリスをしっかり塗布して組み付け、スイングアームピボットも洗浄&グリスアップを行い復元した。リアショック本体に関しても、汚れを拭き取り、ダンパーロッドがボディに入り込むロッドシール周辺へスプレーオイルを吹き付け、サスペンションの動きが良くなることを願いつつ車体へ復元した。この段階でスイングアームエンドを手で持ち、上下に作動させると、あら不思議!?分解前のような渋さは一切消え、全域でスムーズに作動。これなら良いかも?と思いながらリアショックを復元し、リアホイールを取り付けた。

作業完了後、リアシート部に両手を当て、強く押し込んでビックリ!?作業前の作動性がウソのように無くなり、ライダーの好み以上にスプリングが強過ぎる印象になっていた。そこで、スプリングのイニシャルを以前の位置まで抜くと、実にスムーズかつしっとりとしたリアサスペンションの動きになった。リアサスペンションの動きは、高性能ショックユニット本体への交換で間違いなく良い動きになるが、それ以前に、メカニズムが正しく、気持ち良く作動してこそ、本来の性能なのだと感じた、有意義なメンテナンスだった。普段はなかなか分解点検&グリスアップする機会がないリヤサスペンションユニットだが、このようなメンテナンスの有効性を、改めて思い知ることができた。

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