エンジンコンディションの良し悪しは、様々な不具合要素によって、大なり小なり影響を受けるもの。エンジン本体は絶好調なのに、キャブが不調でも点火系が不調でも、実際の走りは決して満足できるものでは無くなってしまう。原因追及には様々な方法があり、そんな時にこそ経験則がものを言う場面が多い。ここでは、ピストンリングの交換予定があるホンダエイプを題材に、分解前の事前コンディションを確認してみた。

キャブセッティングの濃い薄いは指先で確認!?



普段は街乗りバイクとして、時にはミニバイク耐久レースのエントリー車として使われていたホンダエイプ。ボアアップに伴いビッグキャブを取り付けたらしいが、現状セッティングへ至るまでの間には、様々な苦労があったようだ。キャブセッティングの様子を的確に反映してくれる部品には、スパークプラグ以外にマフラーがある。具体的には、マフラーの出口やエキパイ入口の汚れ方がそれだ。黒いすすで薄っすら汚れているときもあれば、真っ黒になっていることもある。また、オイル下がりやオイル上がりで、同じ真っ黒でもオイル湿気で覆われたツルツルの真っ黒もある。キャブセッティングに悩んだときには、マフラー出口やエキパイ入口のコンディションも参考にしてみるのが良いだろう。もちろん実走行前に、それぞれパーツクリーナーを染み込ませたキレイなウエスで拭き取ってから確認作業に取り掛かろう。

圧縮圧力はおおいに参考になるデータ



コンプレッションゲージやコンプレッションテスター(圧縮圧力ゲージとも呼ばれる)は、エンジンの現状コンディションを判断するための計測機器として知られている。プラグのネジ山サイズに合致したアダプターを取り付け、ホースをゲージへ接続したら、スロットル全開でキックアームを素早く連続的に7~8回踏み込む。のんびりキックしてしては、正しい測定数値を得られない。仮に、キャブが取り外してあるときには、取り外したままで測定しても良い。セルスターター車の時には、ブースターケーブルをバッテリーへ接続して、元気な大型バッテリーから電源をジャンプするのが良い。弱ったバッテリーでは、正確なデータを測定することができない。測定アダプターが三角錐のゴムブロックの場合は、プラグ穴に手で押し付けて測定しよう。

データ比較か相対比較か?

エイプのボアアップ車だと聞いていたが、決して圧縮コンディションが低下している印象は無かった。仮に、ノーマルエンジン仕様で、サービスマニュアルに記載されたデータと数値比較する場合は、エンジンを暖気した後にスパークプラグを取り外して測定しよう。メーカーデータの多くは、温間データを記載していることが多い(測定条件も記されている)。2気筒以上の場合は、全スパークプラグを取り外して、スロットル全開で測定しよう。作業前後のデータを比較したい場合は、冷間でも温間でも、同一条件下で相対的にデータ比較しよう。

プラグの焼け具合は?



取り外したマフラーは、エキパイ入口もサイレンサー出口も真っ黒なカーボンすすで汚れていた。マフラーの汚れと現状スパークプラグの焼け方には今ひとつ一致感が無い。それでもプラグのネジ座周辺が濡れている印象なので、現状でスロー(パイロット)ジェット域は、ガスが濃いセッティングのようだ。セッティング確認する際のスパークプラグは、取り付け復元前にパーツクリーナーで洗浄し、汚れはブラッシングで除去しよう。プラグキャップは、ハイテンコードを強めに引っ張り抜けてしまったときには、コード端末を5mm程度ニッパで切り落とし、キャップ側のネジを食い込ましながらグリグリやり、しっかり接続し直そう。

タペットデータの確認調整は頻繁に





チューンドエンジンならタペットクリアランスは頻繁に点検し、必要に応じて調整しよう。規定値に調整したにも関わらず、タペット音が気になるときや消えない時がある。規定クリアランスよりも隙間を減らして調整するような例があるが(しかし音は消えない……)これは間違い。ノイズが消えないときには、タペットアジャスターボルトの (バルブステムエンドを押し込む調整ボルト) 摺動部が偏摩耗している可能性が高いので、新品のアジャストボルトに交換してみよう。また、コンプレッションが上がらない原因のひとつに、タペットクリアランスの詰め過ぎがある。エンジンの始動性が一気に低下してしまうので、詰め過ぎには要注意。「たかがタペット、されどタペット」忘れず見よう。

おじさんライダーにも大人気だったエイプ6

エイプシリーズの登場によって、おじさんライダーがパイクライフに返り咲きしたというお話は数多くあった。現在は海外拠点生産車が多いため、ニッポンのおじさんライダーにとっては、違和感あるデザインばかり。トラディショナルスタイルでカッコイイ原付二種モデルの登場を願うばかりだ。

POINT

  • ポイント1・キャブセッティングに悩んだときには、マフラー内部のコンディションを確認してみよう
  • ポイント2・ エンジン分解前のデータと分解メンテナンス後のデータを比較することで状況判断することができる
  • ポイント3・ タペットの確認調整を頻繁に行うことで、パーツライフにも影響が出る

エンジンコンディションが良い、悪い、なんだかちょっと……といったときには、その原因特定からコンディション作りや回復作業を始めよう。
例えば、信号待ちなどのアイドリング中に「エンジンストップしてしまう」ことがある。その原因は様々だが、そんなときには手を付けやすい箇所から確認し始めるのが良い。
スパークプラグが汚れていないか?単純な汚れだけではなく、目には見えない部分で不具合を抱えていることがあるのもスパークプラグの特徴だ。例えば、2ストエンジンで起こりがちなのが、エンジン始動時のスターター機能を使い過ぎたことによるプラグ不良だ。仮に、エンジン始動できても、なんとも吹けが悪くもたつくとか、マフラーからプシュ、プシュッ!!と破裂音が聴こえるようなケースは、スパークプラグの不良時に起こりやすい。スターター機能を使い過ぎると、大量のガソリンを吸い込むことでプラグの電極が濡れてしまう。そんなときに着火信号が入ると、火花を飛ばすことなくガソリンを伝って電気が直接流れ、プラグ内部にダメージを与えてしまうことがあるのだ。4ストエンジンの場合は、プラグ電極の洗浄やブラッシングで回復することもあるので、プラグの掃除は効果的だ。しかし、2ストモデルの場合は「時すでに遅し」なケースが多いので知っておこう。あくまで旧車、特に、2スト旧車に限ったお話(特に空冷時代)でもあるため、現代のFIモデルでは、まずありえないトラブルである。

このエイプは、ピストンリング交換の予定があると聞いていた。マフラーから白煙を吹き出すコンディションではないが、次のミニバイクレースにエントリーする前に「ピストンリング交換しておきたい」というお話だった。リング交換によって体感効果的な違いを得られるのかどうかは不明だが、そんな部品交換を行いたい、行わなくては納得できない、と言うのがサンメカにとっての「レース活動」でもある。

ビフォーアフターを知るために、今回は、コンプレッションゲージ(コンプレッションテスター)を使って実圧縮値を測定することにした。ボアアップ済エンジンなのでノーマルエンジンの圧縮データとは比較にならないし、パーツメーカーから標準データが公表されているわけでもないので、ここでは現状データを測定し、組み立て後のデータと比較することにした。結果的に測定データには大差無く、測定誤差の範囲(針1本程度の違い=コンプレッションは高まった)だったが、部品交換したことによる安心感と納得は間違いなく得ることができた。

エイプに限らず、モンキーでもスーパーカブでも、4ストミニバイク系エンジンのメンテナンスでよくありがちなトラブルに「タペット調整」の間違いがある。タペットクリアランスを極小にしてしまい、それが影響して正しいコンプレッションを得られないことがある。冷間時にはスムーズにエンジン始動できるのに、一度エンジンが温まると、その後はエンジン始動が実に大変。そんな経験をしたこともあるサンメカもいるはずだ。連続高回転ユースを強いられるレースユースや、チューンドエンジンの場合は、標準のタペットクリアランスよりも僅かに広めに調整するのがセオリー(例えば0.08~0.10⇒0.12~0.15mm)。逆調整してしまったことで、バルブが閉じ切れなくなり、圧縮圧力が低下してしまう状況に……。その結果、アイドリングが不安定になってしまうこともあるのだ。

タペットクリアランスに限らず、圧縮圧力を低下させてしまう要素は数多くあり、圧力の低下によってエンジンコンディションは大なり小なり変化してしまうもの。そんな原因を素早く探り出し、的確なメンテナンスを実践できれば立派なサンデーメカニックだ。

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