今どきのバイクのスピードメーターは電気式が主流ですが、タイヤの回転をケーブルでメーターに伝える機械式もまだまだ多く存在します。そんな機械式スピードメーターにとっては、ケーブルが滑らかに回ることと並びホイール側のメータギアのコンディションも重要です。ここではドラムブレーキのブレーキパネルに装着されたメーターギアの分解清掃を通じて、機械式スピードメーターのメンテナンスの一例を紹介します。

ドラムブレーキとディスクブレーキで異なるメーターギア


ブレーキパネルから取り外したブッシュと着脱用工具。この工具はとある工具ショップのオリジナル品だが、ヤマハ純正の専用工具も販売されている。簡単な形状だが、これさえあればブレーキパネル深くにねじ込まれたブッシュがいとも簡単に取り外せる。ドラムブレーキのSR400オーナーなら、ヤマハ純正メーターギアブッシュツールは持っておいて損のない専用工具だ。


タイヤと一緒に回転するリングギアとの組み合わせで回転方向を90度変換するピニオンギアと、先端にオイルシールが打ち込まれたブッシュ。このブッシュは2000年モデルのSR400まで使用されていたが、さかのぼれば1964年発売の50ccモデルのYF1で初採用されたもの。リングギアやピニオンギアは機種によって異なるが、ブッシュはずっと同じ部品を継続使用していたことになる。

タイヤの回転をスピードメーターに伝える手段として長く使われてきたメーターケーブルは、常にホイール(タイヤ)側のメーターギアとセットで機能しています。メーターギアはホイールとともに回転するギアと、その回転の向きを90度変換しながら減速するもうひとつのギアが2個セットとなって、ホイール部分に組み付けられています。そしてこのメーターギアは、ドラムブレーキ車とディスクブレーキ車では形状が異なっています。

ここで紹介するドラムブレーキの場合、2個のメーターギアはブレーキパネルに組み付けられており、メーターケーブルはブレーキパネルからスピードメーターへとつながっています。一方ディスクブレーキ車では専用のケース内に収まった状態のメーターギアがホイールの中心に取り付けられているのが一般的です。

この違いはホイールハブ形状に理由があります。一般的なドラムブレーキの場合、スポークやリムが取り付けられるハブとブレーキパネル(ブレーキシュープレート)は2ピース構造で、その中心にアクスルシャフトが貫通しています。そのため、タイヤの回転を取り出すにはハブかブレーキパネルにメカニズムを組み込まなくてはなりません。そのため、フロントフォーク側に組み付けられるブレーキパネルにギアを組み付け、タイヤとともに回るハブから回転を拾ってブレーキケーブルに伝達しています。

対するディスクブレーキはホイール中心に大きなハブが必要ないので、メーターギアだけを独立した小さなケースに収めて、ホイールハブの中心に外付けしています。ちなみに、メーターケーブルをドライブスプロケット部分から取り出している一部のレーサーレプリカモデルも、ドライブスプロケットカバーにメーターギアユニットをセットして、アウトプットシャフトの回転を90度変換しながら減速してメーターに伝えています。

POINT

  • ポイント1・タイヤの回転をメーターケーブルに伝達するには、2種類のギアを組み合わせて使用する
  • ポイント2・ドラムブレーキ車のメーターギアはブレーキパネルに組み込まれ、ディスクブレーキ車はメーターギアケースが装着される

ドラムブレーキはブレーキパネルに組み込まれたギアの給油状態が肝心


ブレーキパネルからブッシュとピニオンギアを取り外したら、内部をパーツクリーナーや洗油で徹底的に洗浄する。ブレーキパネル内面から汚れを落とすのはもちろんだが、ピニオンギアが収まるこの部分の汚れを除去しなければ、ピニオンギアとリングギアの噛み合わせ部分に汚れが付着してしまうのだ。


1967年のAT90用ブレーキパネルにはメーターギアにグリスを補給するためのグリスニップルが取り付けられており、1960年代には要潤滑ポイントとしての認識があった。その後グリスニップルは廃止されたが、潤滑が必要なことには変わりはない。

ドラムブレーキ車の中でも年式が古いモデルの中には、メーターギア部分のメンテナンスを行った方が良い場合があります。1960年代から70年代に製造されたヤマハの原付モデルは、ブレーキパネルのメーターギアをねじ込み式のブッシュで押さえていました。その名残で後年のYB-1なども同じ構造を採用しています。また原付クラスだけでなく、ドラムブレーキ時代のSR400も、ここで紹介するものと同じブッシュを使用しています。

このタイプはブッシュには、メーターギアのピニオンシャフトから水分が浸入しないよう端部にオイルシールが組み込まれています。しかし製造から長い時間を経ることでオイルシールが劣化してシール機能を果たさなくなっている場合もあります。すると雨天走行時の水跳ねやメーターケーブルを伝わってきた雨水がメーターギア部分からブレーキパネル内に入り込む可能性があります。またメーターギアには本来充分な量のグリスが塗布されていますが、経年劣化や水分の混入で乳化や流失することも考えられます。

すると2個のギアの間のフリクションロスが増大し、ギア自体の摩耗にもつながります。メンテナンス不足でギアがすり減るとタイヤの回転が伝達されなくなり、メーターギアが切れていないのにスピードメーターが動かないといったトラブルを引き起こします。バイクが古くなってもメーターケーブルは交換用部品として供給され続けることは多いですが、メーターギアは複数の機種に流用されている場合を除いて販売終了となることも少なくありません。

そうした目に遭わないためにも、ホイールを外してブレーキシューの残量確認を行うついでにでも、メーターギアの潤滑状態のチェックを行うことをおすすめします。

POINT

  • ポイント1・メーターギア内に水分が浸入したりパッドダストが堆積すると潤滑不良やギア摩耗の原因になる
  • ポイント2・ヤマハの原付旧車やSR400のメーターギアはねじ込み式のブッシュで固定されている

ヤマハの旧型モデルはブッシュの着脱に専用工具が必要


ブレーキパネルに挿入されるメーターケーブル先端のプラグ部分には、防塵と防水のためにOリングがセットされている。このOリングがあっても時間が経てば汚れは浸入するので、折損したからといってリング無しで復元してはいけない。

メーターケーブルを挿入したら抜け止めのためのストップリングをセットする。このリングも1960年代初頭からSR400までずっと同じ部品が使われている。

先述の通り、ヤマハ原付クラスのメーターギアを押さえるブッシュは外周部分に十字の切り込みが入っており、着脱には専用工具が必要です。ブッシュのねじ込み量が浅ければマイナスドライバーをタガネ代わりに叩き込んで回すこともできるかもしれませんが、現実的にはメーターケーブルの差し込み部分を傷つけるおそれがあるのでおすすめできません。

またギアにグリスを塗布するだけならブレーキパネルの内面からでも可能ですが、ブッシュに圧入されたオイルシールを交換するには取り外さなくてはなりません。またレストア時にブレーキパネルの研磨や再塗装を行う際にも、メーターギアを取り外して脱脂洗浄するのが理想なので、やはりねじ込まれたブッシュは取り外しておきたいものです。

ここで紹介するのはディープソケットをグラインダーで削ったような工具ショップが独自にプロデュースしたオリジナル品ですが、ヤマハからもメーカー純正工具としてメーターギアブッシュツールという名称で販売されています。これさえあれば、浸入した水分やブレーキダストで劇的に汚れたメーターギアを取り出し、完璧に洗浄することができます。またブッシュ単品であれば先端部分のオイルシール交換も可能です。

ドラムブレーキパネルのメーターギアというとクラシックバイク専用の過去の遺物というイメージがあるかもしれませんが、SR400では2000年まで採用されていたメカニズムであることを知れば、身近に感じるライダーもいるのではないでしょうか。

ドラムブレーキのメンテナンスは行っていても、同じブレーキパネルに取り付けられたメーターギアのグリスアップはしたことがない、メーターケーブルは切れていないのにスピードメーターが動かないといった場合には、メーターギアのコンディションチェックをお勧めします。

POINT

  • ポイント1・メーターギアブッシュの着脱には専用工具が必要で、ヤマハから専用工具として発売されている
  • ポイント2・メーターケーブルが切れていないのにスピードメーターが動かない時はメーターギアのチェックが必要
 
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