ドライブチェーンのメンテナンスはタイヤの空気圧チェックと並んで簡単かつ効果が分かりやすい作業のひとつだろう。チェーンの役割はエンジンの駆動力を後輪に伝えることだが、構造上汚れが付きやすいのが難点だ。

チェーンがサビサビだったり、埃や砂汚れでギトギトだったりしたら、抵抗が増えてパワーロスになるし燃費も悪化。チェーンやスプロケット自体も摩耗しやすく耳障りな騒音も増えて、ともかく気持ちよく走れない。
ロングツーリングや雨天走行の後などは油分も抜けやすいので、まめにメンテナンスしたいものだ。

そこで今回ご紹介したいのが、シュアラスターから新たに登場したバイク専用チェーンケミカルだ。

4輪では知名度ナンバーワンのメジャーブランドとして知られる「シュアラスター」は1947年に米国・カリフォルニアで誕⽣。以来、⾼品質なカーケア製品メーカーとして世界中のカーマニアに愛用されてきた。ここ数年バイク用ケミカルにも本格参⼊し、洗⾞関連のアイテムなど幅広くラインナップ。そして今回、満を持してバイク専用のチェーンクリーナー&チェーンルブを開発、発売を開始した。

その実力を検証すべく、モーターサイクルジャーナリストでWebikeニュース編集長でもあるケニー佐川が実際に使ってテストしてみた。

シュアラスター チェーンクリーナー(オートバイ⽤)

「シュアラスター チェーンクリーナー(オートバイ用)」はバイクのドライブチェーン専用に設計されたクリーナーである。開発に際しては2輪ディーラーや用品店など豊富なメンテナンス経験を持つプロの意見や知識を取り入れながら改良を重ねたという。

特徴として、まずは洗浄性能の高さに注目したい。新開発の特殊洗浄成分により、チェーンに付着した油脂などの汚れをしっかり分解。強力なジェット噴霧が汚れをスピーディに除去するという。シールチェーン対応なのでOリングなどゴム製品パーツを傷めず、また、乾燥速度を最適化することでブラッシング洗浄(専用ブラシ付き)する場合の時間に余裕を持たせてある。2ウェイの折りたたみ式ノズルの採⽤により、使用箇所に応じてピンポイントにもワイドにも使い分けできて、缶を逆さにしても噴霧可能など使い勝手の良さもポイントだ。
メーカー推奨価格:1,925円(税込)

使い方インプレッション


メーカーのWEBサイトを参考にしながら、実際にチェーンのクリーニングにトライしてみた。テスト車両は知り合いのZ900RS。最近あまり乗っていないらしく、チェーンの汚れもそのまま放置されている感じ。所々にサビも出てきている。


まずは容器を上下によく振り、ノズルを起こして汚れが付着している箇所に直接スプレーしてみる。ノズルは細く長いのでピンポイントで狙いを定めて噴霧しやすく、ムダ打ち感が少ないのが良い。


また、チェーン全体に噴霧したいときなどは、ノズルを折りたたんで使うと広範囲をカバーできて便利だ。


タイヤを少しずつ回しながら、ローラーとプレートにクリーナーを吹き付けていく。このとき、スプロケットに手を挟まれないよう必ず進行方向とは逆にタイヤを回すこと。安全と防汚のためゴム手袋か軍手を使うのがおすすめだ。


クリーナーが飛び散らないよう背面にウエスなどを当てると良い。自分は段ボールの切れはしを当てて、汚れが床に垂れないようオイル受けを置いた。


取説には「軽い汚れなら強力なジェット噴霧でスプレーするだけでも大半の汚れを除去できる」とあるが、実際にかなり勢いがあるので、一か所に数秒間噴霧すればチェーン表面にくっ付いた黒い埃汚れなどはほとんど除去することができた。
しばらく置くと汚れが浮いてくるのでウエスかペーパータオルなどで拭きとる。特に汚れが激しい部分は付属ブラシで擦り落としてから拭き取る。


また、プレートの隙間などに固着した古いチェーンルブなどは集中的に噴霧しつつ、ブラシで擦ってやるときれいになった。さすがにサビは完全には除去できなかったが、だいぶ光を取り戻した感じだ。


10分程度でチェーン全体をほぼ洗浄し終えたところでスプレー1本分をちょうど使い果たした。オイル受けには黒く濁ったクリーナーとともに砂や古いルブの欠片が溜まっていた。メンテしていないチェーンには思った以上に異物が絡まっていることが分かる。

今回はショップで行うメンテ並みに贅沢に噴霧したが、もっと節約しながら小まめに汚れを拭き取っていけば2回分程度は使えそうだ。
参考までに今回のZ900RSなどセンタースタンドが付いていない車種の場合、レーシングスタンドを用意すると作業が断然ラクである。

シュアラスター チェーンルブ(ウェットタイプ)

クリーニングの後は必ず注油しておきたい。

シュアラスターによると、チェーン各部に注油をする目的は以下のとおりだ。
「外プレート、内プレートの間」シールの劣化を防ぎ保護する。
「ローラー間」金属同士が擦れて摩耗し、チェーン伸びやガタ、騒音の原因になるのを防ぐ。
「プレート表面」最も曝される部分で錆を防ぐ等々。

また、チェーンを潤滑することでフリクションロスも低減されて実質的なパワーと燃費も向上、加速・減速時のフィーリングも滑らかに、騒音も抑えられるなど多くの効果が期待できるのだ。

「シュアラスター チェーンルブ(ウェットタイプ)」の特徴だが、潤滑性に優れたフッ素樹脂 と 持続性に優れた特殊添加剤をW配合し、優れた潤滑性&高い吸着持続性を実現。定着性の高い防錆剤・雨天時でも優れた防錆効果を発揮するとのこと。透明タイプの液剤なのでカラーチェーンにも使えて、逆さ噴霧可能なので作業効率アップ。スプレーして余剰成分を拭き取るだけと簡単なのでメンテナンス初⼼者でも安⼼して使えるのだ。
メーカー推奨価格:1,760円(税込)

使い方インプレッション

先ほど「シュアラスター チェーンクリーナー(オートバイ用)」でチェーンを清掃したばかりのZ900RSに今度はチェーンルブを注油していく。

まずはノズルを収納した状態で容器を上下に10回以上よく振りノズルを起こしたら、外プレート・内プレートの間にスプレーを噴霧。クリーナー同様スプロケットに手を挟まれないよう、進行方向とは逆に少しずつタイヤを回しながら噴霧していく。


ひとヒマずつ丁寧にOリング部分を狙って噴霧するイメージだが、容器も小さめでノズルが細く長いので手元をコントロールしやすい。くどいようだが作業中には絶対にエンジンをかけないこと。


内プレートとローラーの隙間にも丁寧に注油していく。溶剤は比較的サラサラしているのでローラーの隙間に浸透しやすく、一か所に固まりにくいので作業しやすい。ノズルヘッドの押し加減で噴霧量の調整もしやすかった。溶剤は透明なので仕上がりも綺麗だ。


チェーンルブを塗布し終えたら最後に余分なオイルを拭き取っておく。少量のルブを吹きかけたウエスで拭き取ることでチェーン全体を油膜でコーティングできるのでおすすめだ。


大き目のウエスの上から手でチェーンを包みむようにすると上手く馴染ませることができる。プレート部分とローラー部分と2回に分けて行うとより丁寧な仕上がりになる。

塗布後、5~10分乾燥させると定着性が高まり走行時の飛散を抑えやすいとのこと。スリップや転倒の原因になるのでタイヤにルブが付着しないよう注意。もし付いてしまったらタイヤに使用できるパーツクリーナーなどで脱脂しておこう。




クリーニングと注油の全体を通して作業時間は30分程度といったところ。チェーンだけでなく同時にスプロケットも清掃しておくと見た目にも気持ちいい。清掃前と後ではサビも目立たなくなり見違えるように綺麗になった。

試乗インプレッション

作業がひととおり終了、気分も晴れ晴れと試乗してみた。清掃前はチェーンまわりから僅かながらシャラシャラ音が聞こえ、フィーリング的にも若干のゴリゴリ感があった気がした。それが清掃後はノイズが明らかに減って乗り味もスムーズに。オブラートで包むという表現が適切かどうか分からないが、アクセルを開けて加速したとき、閉じてエンブレが効き始めるときのショックが少しだけ柔らかくなった感じ。チェーン全体の動きが滑らかになったおかげか、コーティングによる効果なのか、なんとなく加減速でのショックが緩和されている感じなのだ。

チェーンを新品に交換したときほどではないが、それに近いシャキッとした清らかな感じ。自分でメンテナンスした充実感がそう思わせるのか……。でも、確かにそう感じたのだ。


チェーン清掃はバイク乗りとして必須のメンテナンスだが、自分で手軽にできて出費も比較的サイフに優しいし、何より気持ちよく愛車の走りを楽しめる。洗車とセットでぜひ気を遣ってほしいアイテムだ。


ニッコリ!

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