
電気部品の作動性が今ひとつ良くない!?ってこと、ありますよね?ホーンの鳴り響きが不安定だったり、ウインカーの作動性が思い通りにならないこと。また、逆に作動してしまうことなど、思い通りに操作できないときは、正しく電気が流れていない証拠でもある。ここでは電気回路の基本である「アース回路」を見直し&強化し、大満足の作動性を得てみよう!!
目次
マイナスのアースはボディ回路が多い
バッテリーのプラス回路は、メインフューズを経由してイグニッションキーへ流れ、フューズボックスから先で様々な機能へ流れて回路が構築されるタイプが多いが、アース回路はボディアースとなっている例が少なくない。現代のバイクは専用アース線がメインハーネスの中を走っているのが当たり前だが、80年代以前のバイクは、その多くがボディ=フレームや金属部品を介してバッテリーへ戻る回路となっている。つまり電気が通じる状況=良いコンディションを保っていないと、不具合が発生する可能性が高くなってしまう。本来のアースリードだけではなく、エンジンアースを強化することで、点火系の通電が良くなりトルクアップすることもある。特に、バッテリー点火モデルの場合は、その傾向が強い。
カスタムで知られるアース強化だが
気が付いたときにアース回路をいつでも強化できるように、配線と圧着端子は常に手元に置いてあるのが、わがガレージ。メーカー純正アースリードとしても使われていた、銀メッキ済の平織線と呼ばれる筒状平織ケーブルは、電気式タコメーター用信号線の、ノイズカット用ケーブルとしても利用できる。90年代後半には、カスタムユーザー向けに様々なカラーの被覆線をキットパーツにした商品が数多くあった。
専用圧着機でカシメ固定
バイク用メインハーネスに利用されているマルチカラー(例えば、黒被覆に黄色線=カワサキ車のアースケーブル色、ウグイス色に赤線=ホンダのニュートラルスイッチ色)などの配線は、太さ的には0.75~0.85SQサイズが多く、電源や充電系は、1.25~2.00SQサイズのコード採用例が多い。セルモーターの導力線はもっともって太いが、ある程度以上の太い導線端末に端子を固定する際には、いわゆる電気工事などで使われる、圧着機器(専用の圧着プライヤー)を使って、しっかりガッチリ固定しなくてはいけない。
アース強化は間違いなくアリ
バイクメーカーが設計した、電気回路とそのコンディションを保つことができれば、ランプ関係の不安定な作動はなく、性能的にも問題は無いはずだ。しかし、そんな状況を維持し続けることは想像以上に難しい。ボディアースの場合は、各種部品の接続部やエンジンマウント接続部のサビによって、電気が通りにくくなってしまうケースが多々ある。だからバッテリーアースをエンジンにダイレクトに(しかも太いケーブルで)接続するのが効果的なのだ。長年生産されたロングセラーモデルの電気系=配線図を確認すると、初期モデルでは、単純なボディアース回路を採用していたが、後期モデルでは、メインハーネス内にアース専用ケーブルを取りまわし、より安定した回路を目指している例もある。灯火類でも充電系でも、電気トラブルの多くは、アース不良に起因したトラブルが圧倒的に多い。
アース回路は後付けで追加可能
ヘッドライトケース内のスペースは、電装ハーネスの中間待機場所!?のようになっているスペースだ。様々な灯火系用のアース回路を、たった一本のアース線が数多くに分岐して担っている例も多い。メインハーネスの保護カバー内にはアース線があるが、バッテリーへ戻る途中に何らかの抵抗があると、思い通りに作動しなくなるので、そんなときには、バッテリーからダイレクトにアース線を導き暫定接続することで、回路確認や作動性確認を進めることもできる。
点火系コードとプラグキャップ
電気部品のひとつにイグニッションコイルとハイテンションコード(プラグコード)がある。割れたり亀裂があるプラグキャップや硬化劣化したハイテンションコードは新品部品に交換することで(交換可能なタイプ)、スパークプラグの着火力が強くなり、トルクアップの走りを楽しむことができる。ハイテンションコードを交換できないコイル一体型の場合は、ジョイントパーツを購入し、プラグキャップまでのコードを新しく交換するだけでも大きな効果を得ることができる。プラグキャップからの微々たる漏電が原因でも、エンジンの吹けは悪くなってしまうのだ。
- ポイント1・市販のアーシングキットを購入して取り付けるのが手っ取り早い
- ポイント2・ 自分仕様の取り回しやコードの種類を選んで自作することもできる
- ポイント3・ 作動性の向上だけではなく、アーシング場所によってはパワーアップが可能になることも!!
電気系トラブルの原因の多くに「アース回路」が関係していることが多い。アース不良を起こすと各種灯火機能が正しく働かなくなる。また、アース不良が原因で、CDIユニットやトランジスタ点火ユニット、レギュレーターやレクチファイア(整流器)などが機能不全に陥るケースも多々ある。レギュレーターが壊れて充電しなくなったので新品部品に交換。ところが、しばらく走るとまた同じトラブルに陥って……といったケースも。そんな原因の多くにアース不良がある。例えば、ボディアース回路の部品では、締め付け部分のコンディションによってアース不良が発生してしまうことがある。ズバリ、サビが原因になることが多いのだ。締め付け箇所にサビが発生していて、アース=導通を妨げてしまうことになり、結果としてアース不良に陥ってしまうのだ。それによって機能部品が機能しなくなり、例えば、レギュレーターでは、パンクを招いてしまい充電不良。また、専用配線のアース回路でも、端子の締め付けマウント部分にサビが発生していることで抵抗が起こり、機器がパンクしてしまうことがあるのだ。
アース不良はサビに限ったものではない。例えば、フルレストア進行中のバイクの場合も、アース不良には要注意だろう。何故なら、ペイントし直した部品の締結部分の導通が悪くなり、アース不良となって各種機能が働かないケースもある。これまでは作動していたはずのウインカーが、点滅しないとか、反対側へ電気が流れて誤作動するなどのトラブル原因は、そのほとんどがアース不良だろう。例えば、左ウインカーを作動させようとスイッチを入れたら、点滅せずに左右両方のウインカーが電灯!?なんてこともある。この原因は、明らかにアース回路の不良である。
考えられる原因はこうだ。左スイッチを入れるとウインカーリレーから流れてきた電気が、スイッチを通過した後に左ウインカーのバルブへ流れる。バルブを通過後、アース回路でバッテリーへ電気が流れ戻れば良いが、ウインカーバルブからバッテリーへ電気が流れず、右側ウインカーのアース回路から右側バルブへ流れてしまい、左右双方のバルブが点灯してしまう(点滅ではない)ケースもある。このようなアース不良が発生した場合は、ウインカーボディもしくはバルブソケットとバッテリーのアース間を「ワニグチクリップ付きの点検ケーブル」で暫定的に接続することで、操作した通りにウインカーが機能点滅することが多い。つまりウインカー回路のボディアースが遮断されているので、部品同士の締め付け箇所を再点検することで、本来の機能に回復できることが多い。しっかりペイントし直された部品は、その傾向が強いので、部品の接続部分同士のペイントをスクレパーで剥がしてからボルトで締め付ければアース回路は回復できる。
部品を締め付けるときに、部品同士の間に「菊座ワッシャ」と呼ばれる緩み止めワッシャを追加することで、ワッシャの突起が部品へ食い込み、導通性=アース性を高める組み立てテクニックもある。こんなノウハウも知っておくと良いだろう。
アース回路は極めて重要であるにも関わらず、意外にもいい加減な扱いを受けているケースは多い。60~70年代に販売されたバイクは、特にその傾向が強く。80年代に入ってからでも、モデルによっては今ひとつな回路設計もある。そんなアース回路を改善することで、じれったくない、思った通りにサクッと機能操作できるようなるので、気になるときにはアース回路を見直し、改善してみよう。
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こんにちは
今回使用されたパワーケーブルに興味あります。
いまGPZ1000RXに乗ってまして、アーシングしたいと考えております。
色々な人のブログをみると8sqのアーシング線を使われてる記事が多いです
今回5.5sqの線の紹介ですが問題ないでしょうか。
バッテリーのマイナス端子には8rqの線がついてます。
電気素人につき教えていただけますと助かります
よろしくお願いします。