
NV350(キャラバン系)以上に、街中で見掛ける機会が圧倒的に多い、技術のニッサンが誇る商用車「NV200バネット」。1.5ボックス的商用車であり、5ナンバー車は明らかにファミリーカーだと思うが、実は「トランポベース車」としての魅力がとにかく大きかった。しかもライバルの他モデルには無い素晴らしい特徴も。ここでは、超驚きのボディ仕様を目の当たりにしつつ、トランポユースとしての可能性も探ってみたい。
目次
ディーラー試乗車を偶然に購入できた
ニッサンディーラーの試乗車だった4ナンバー仕様の一般グレード。走行3000kmほど走っていたので、すべて込み込み(各種オプションもサービス)の乗り出しで160万円(あくまで参考価格)だったそう。タイミングが良く、ユーザーさんさえ納得できれば、いわゆる「出物」と巡り逢うことができるのだ。
あくまでトランポユースを追求した荷室の床
普段、リアシートは取り外して完全にトランポ化している。凸凹のフロアパネルを嫌い、13mm厚のコンパネを敷いている。シートをマウントするボルト穴に、汎用金具を介してボルトオン固定。フロアが平らだと載せ降ろしや室内でタイヤを横へズラしたいときなどに勝手が良い。ラダーレールを引っ掛けたときにズッコケを防止する鉄角パイプもボルトオン済。大型車の積載ではタイヤ部分だけではなく、押し上げる人の足場を確保することで、より安全な積み卸しが可能になる。これで楽々載せ降ろしすることができる。
助手席を使ってもH-Dスポーツスターが積載可能
工事現場で使われるネットステップを利用して、バイクを押し上げる際の作業足場を確保。工事現場用は滑らなくて安全。小型バックミラーとローハンドルの組み合わせなら、H-Dスポーツスターをそのまま出し入れできる積載性。室内空間には驚かれる方が数多いはずだ。2列目のシートを外せばスポーツスターも余裕で積める!!
「自転車チューブ」の可能性
タイダウンアンカーと併用して廃品の自転車用チューブを用意することで、積載時にバイクのブレーキロックを容易に行え、急ブレーキ時でも、バイクが前後に動いたりすることがない。積載走行中の荷室のバイクが揺れ、そのうちにタイダウンが外れてしまい、曲がり角でバイクが倒れ、自動車のサイドガラスをハンドルが突き破り、バイクにも被害が……。といった人災を過去に何度かサーキットのパドックで見たことがあった。
気になる助手席まわりの使い方
NV200はそもそも商用ベースで開発されたモデルのため(ワゴングレードの5ナンバー車もあります)、助手席の床が後部荷物室から続くフラットフロアになっているのが特徴。商用ベースの低グレード車なら、助手席の下に各種デバイスなどの装が無く、助手席シートさえ取り外せば間違い無く有効活用できる。
商用車は特に助手席の取り外しが簡単
前会長の影響でルノーとの提携関係が強まって以来、ニッサン車には「16mm」サイズの頭のボルトが数多く使われているようだ。工具ショップ店長さんのお話でも、16mmのソケットレンチやコンビネーションレンチを飛び込みで購入しにお客さんが増えているそうだ。サンデーメカニックなら、11mm、15mm、16mmの各種レンチ類は所有していたいものだ。工具さえあれば簡単に助手席を取り外すことができるNV200。この助手席を運転席後方にボルトオンできるように改造すれば、タンデム型シートアレンジを楽しむことができる?
車中泊にも嬉しいフルフラット
テールゲートから続くフラットフロアには要注目!! 仮に、身長2m超えの大きな方でも身体を伸ばして楽々眠ることができますね!! ツーリングボックス装備車やホイールベースが長いカスタム車でも、これなら積載可能だろう。
- ポイント1・ サンメカ御用達の「トランポ」候補車両は意外なほど多い。ボディ形状が気になったら、現車両を確認してみよう
- ポイント2・ 本気で気になるトランポ候補が見つかったときには、格安レンタカーなどを借用して、乗り心地や室内寸法だけでも測っておこう。
- ポイント3・積載時のバイクが動かないように「しっかり固定」するのが何よりも大切なトランポの基本
発売から10年以上が経過。中古車市場でも、すでにお手頃価格になっているのが、ニッサンのNV200シリーズだ。「大は小を兼ねる」といった言葉があるように、絶対最強のトランポと言えるのがトヨタのハイエースや同じニッサンのNV350シリーズ。しかし「小でもなんとかしたい!!何とかなった!!できた!!」といった事例は数多い。過去には軽ワンボックスをベースに、ヤマハV-MAXの初期シリーズを積載したこともあった。
もはや手が届かない車両価格も影響しているのだろう。ちなみにトヨタの新車ハイエースは、グレードによって楽々300万円オーバー。中古車の10年落ちでも100万円を楽に超えるタマは数多くある。そんな現実が影響しているのは明らかで、最近、街中でよく見かけるのがNV200でもある。そんなNV200でトランポユースを楽しんでいるのがここに紹介するオーナーさん。バイクの運搬時はもちろん、ツーリング先でトラブルに遭遇した仲間のレスキュー用トランポとしても、大活躍しているそうだ。
「以前は軽ワゴンのエブリィをトランポに使っていましたが、さすがに原付2台を積む程度で、そのうちもう少し大きなトランポへ乗り換えたいと悩んでいました」とオーナーさん。そんな時に偶然、ニッサンディーラーでNV200に試乗したそうだ。そのときに、助手席シートの床がフラットになる事実に気がついたそうだ。様々な検討を重ね、家族の了解を得られたので乗り換えを決定。納車後、実際に助手席を取り外して、まずは積載性を確かめてみたそうだ。そもそも商用車ベースなのでシート下には無駄な装備が一切無く、ジャッキアップ用のアンカーブラケットもボルト固定式なので、それを取り外せば完全なフラット仕様になることにも気がついたそうだ。
現実問題、テールゲートを開き、バックミラーやハンドルの高さをクリアできれば、相当な大型車でも積載可能なのがNV200で、長さ的にはツーリングボックスを取り付けたままの大型スクーターでさえも助手席が無ければ余裕たっぷり。フラットフロアなので積み込みも楽々にできるそうだ。
撮影時にはH-Dスポーツスターを積載して頂いたが、実は、NV200なら2列目シートを取り外しただけで楽々スポーツスターを積載することができる。ちなみに助手席を外してから積載すれば、バイクの後方に大型旅行カバンを余裕で置けるだけのスペースも残されている。トランポユースとして考えれば、このようなスペシャル的室内容積は喜び以外のなにものでもない。しかも驚きの「5速マニュアル仕様」が、各グレードにラインナップされているので、このご時世、気になる「燃費」も相当に期待できる。次なるトランポ候補として、間違い無く有力視できるのがNV200だと思われる。
見るからにトランポ然、商用車然とした四角いフォルムとはまったく異なり、ファミリーカーのように見えるのに積載能力が極めて高いのは、家族を持つおじさんユーザーにとっても大きな魅力となるに違いない。仮に「ロングボディのNV200があれば」、商用車としても、トランポとしても、さらに魅力溢れる商品になると思いますが、いかがでしょう!?
この記事にいいねする
-
FIVESTARについて書かれた記事
- 記事がありません。
素晴しい。大変参考になりました。
ホンダアクティバンが助手席を外して(初期は床下収納)最高に長く使えた。
狙い通りNV200は助手席スペース使えますね。
ハイエースはエンジントンネルがあって拡張性が無く、積んでない普段も大きなクルマを転がすことになる。普段に余して売ってしまった。
コレにしようかな!