
自分でやるメンテナンス第6位!チェーンスプロケット交換!(2020年Webike調べ)
ネットで買ったチェーンを一般の用品店に持ち込みすると、工賃がチェーン交換で6,000円、スプロケ交換は8,000円くらいしてしまうもの。
安心安全と引き換えに結構コストがかかるものなのです。しかしDIYなら工賃ゼロ円!
一見難しそうに見えるチェーンの交換作業ですが、実は正しいやり方と工具をそろえてちょっとしたコツを覚えれば意外とサクサクできてしまうものなのです!
今回はそんなチェーン交換のやり方を、元メカニックのスタッフが解説します!
目次
今回の講師と車両を紹介
今回チェーン・スプロケット交換のレクチャーをしてくれるのは、Webike随一のメカニックヤスオ氏。
ヤスオ氏はメカニックとして活躍していた経歴の持ち主で、近年は用品のインプレッションなども手がける、まさにプロです!
使用する車両は、スズキのバンディット400。年式と保管状況の影響で、交換必須のチェーン状態です。
交換するチェーンは、2021年最新のサンスター製チェーンとスプロケットです。
今回はオトクで選びやすい3点セットを使用しています。
使用する工具
- メンテナンススタンド
- チェーンツール
- チェーンツールに使用するレンチ
- 各種レンチ、六角など
- ノギス
- トルクレンチ
チェーン交換のみの場合は無しでもできますが、あると便利。
チェーンカッターとも言われる。チェーンカットや取付時のカシメ作業に使います。
今回の作業ではDRC製を使用。
チェーンツールは多くの場合レンチや六角などでボルトを回す構造になっているので使用するツールに合わせて準備。
スプロケットカバーなどを外す際に使用します。
車両によって必要工具がことなるので事前に車両をチェックしましょう。
チェーンのカシメ作業時に適切カシメ具合かをチェックするのに使います。
ホイールを外すスプロケット交換には必須アイテム
チェーン・スプロケット交換DIYレッスン!作業の流れ
チェーン・スプロケット交換の流れは以下の通り!
- 古いチェーンを取り外す
(チェーン交換のみの場合は6へ) - ホイールを外す
- リアスプロケットを交換する
- フロントスプロケットを交換する
- ホイールを取り付ける
- 新しいチェーン取り付ける
(圧入・カシメ作業) - チェーンの張り調整
大きく分けてこのような7工程に分かれます。チェーン交換のみの場合は3工程!
作業時間はチェーン・スプロケットの交換であれば2時間から3時間。
チェーンのみであれば1時間ほどが目安です。
それでは実際の作業に移りましょう!
古いチェーンを取り外す
まずは古いチェーンを取り外しましょう。
チェーンのジョイントはカブなどの小排気量車両はクリップ式の場合がありますが今回は250㏄以上で一般的なカシメジョイントを取り外していきます。
(今回は先にリアスプロケットから外していますが、リアスプロケットについている状態でも作業可能です)
カシメジョイントチェーンの取り外しにはチェーンツールを使用します。
チェーンカッターはチェーンのピンを横から押し出して抜くことで、チェーンを切断する工具です。
チェーンツールのカッターピンをセットして、チェーン本体のピン部分に位置を合わせます。
カットする位置はジョイント部分が好ましいですが、別の部分でも構いません。
次に大きなボルトを回して、チェーンとチェーンツールの位置を決めます。
最後に後ろ側の小さなボルトを回すと、チェーンツールのカッターピンがチェーン本体のピンを押し出して、チェーンがカットできます。
この時、カッターピンがチェーンのピンのセンターを垂直にとらえる必要があります。ズレているとカッターピンが折れる場合があります。
ボルトはピンが抜けるまでゆっくり回しましょう。
チェーン交換のみの場合はこの後すぐに新しいチェーンを取り付けるのでチェーンを取り付け作業へ進んでください!
フロントスプロケットも交換する場合はカットしたチェーンは引き抜いてかまいません。
リアスプロケットを交換する
ホイールを外す
スプロケットを交換する際にはリアホイールを取り外す必要があります。
リアホイールはアクスルナットと呼ばれるナットを取り外して、アクスルシャフトを抜くことで外すことができます。
この時、アクスルナットは強い力で固定されているケースが多いので、地面に接地状態のときに少しアクスルナットを緩めておくのがコツです。
詳しいやり方はこの記事では割愛しますので詳しく知りたい場合は下の記事を参考にしてみてください
リアスプロケットを交換する
取り外したリアホイールはブレーキディスクとスプロケットがついているので、直接地面に置くことは避けましょう。
使わなくなったタイヤなどの上において作業を始めます。
スプロケットは画像のようなナット、ボルトでホイールと固定されているのでこのナットを外すことで取り外せます。
取り付ける際は対角線上に締め付けるというのがコツです。今回は5本のボルトで接続されているので、1本飛ばしで締めていきます。
締め付けはトルクレンチを使い規定のトルクを守りましょう。
ワンポイント!
外したついでに清掃や、ボルトやハブダンパーなどの純正部品を新品に交換しておくのがおすすめ!
特にスプロケットを固定するボルトは綺麗なスプロケットにすると目立つので新品にしておくと満足度高めです!
ちなみに今回のバンディットではおよそ2000円弱の純正部品を新しくしました!
リアスプロケットを正しく取り付けたら、ホイールを外した時と反対に組付けます。
フロントスプロケットを交換する
フロントスプロケットはカバーに覆われているので、まずはこのカバーを取り外しましょう。
取り外すと……。うわぁすごく汚い。
チェーンに付着していた汚れなどありとあらゆる汚れが詰まっています。
スプロケットの固定方法はセンターがナットで止まっているタイプかスナップリングで固定されているタイプ、カブなど小排気量ではスプロケットに2本のボルトで専用の固定具をつけているものなど複数タイプあります。
今回はスナップリングで固定されていたので、スナップリングプライヤーを使って広げて…外します!
スプロケットを取り外したら、積りに積もった汚れをパーツクリーナーとブラシを使ってきれいにしましょう。
きれいになったらスプロケットを取り付けます。
この時、使用するボルトやスナップリングも新品に交換しましょう。
また、ボルトの場合は必ず規定のトルクで締めるようにします。
- 表
- 裏
チェーンを取り付ける
いよいよチェーンの取り付けです。
チェーン交換のみの場合は、古いチェーンのカットした部分に新しいチェーンの端をつなげて引っ張ることで、フロントスプロケットにチェーンを取り付けることができます。
チェーンをすでに外している場合も、フロント側のスプロケットにチェーンを掛けます。いずれのケースでもリアスプロケット上で端と端を合わせるようにするのオススメ。
また、事前にチェーンアジャスタを緩めておくと、チェーンの端と端を合わせやすくなります。
ジョイントにグリスを塗る
チェーンをつなげるジョイントにグリスを塗ります。
カシメジョイントはあらかじめピンのついたプレートと、ついてないプレート、そしてシールで構成されています。
取り付けに入る前に必要部分に付属のグリスを塗布します。
この時Oリング部分はチェーンのプレートと接触する部分を中心に塗布します。この部分はチェーンを取り付けた際にグリスが封入状態になる部分です。
反対にシールの側面はチェーン取り付け後も露出する部分です。
ピンにも塗布しチェーンの裏側から差し込んだら、残りのシールにもグリスを塗布のしてプレートで挟みます。
今回使用したサンスターチェーンのOリングはリング内側に溝のあるXリングタイプでした。
このようなシール形状は耐久性とねじれに強くグリス抜け防止が期待できます。DIDでもおなじみですね。
圧入
この後チェーンは圧入ののち、カシメ作業を行っていきます。
いずれもチェーンツールを使用します。
まず、チェーンツールのパーツをホルダータイプに組み替えます。
ツールの準備は出来たら先ほどのジョイント部分を挟み込みます。
圧入すると裏側から差しこんだジョイントのピンが表側に飛び出てきます。
そのため、表側のホルダーの溝や穴はチェーンの穴と位置を合わせておきましょう。
圧入はチェーンツールのボルトを締めこむことで行います。
この作業ではジョイントを圧入しすぎないように厳重に注意します。
ノギスなどで周りと厚さが同等になっているかを確認するとよいでしょう。
圧入しすぎると、その部分だけ締りすぎることになり、チェーンの柔軟な可動を妨げてしまします。
圧入のしすぎに注意!ノギスなどで計測するようにしよう。
カシメ
圧入が完了したら、カシメです。
先ほど圧入した際に飛び出たピンの中央を見ると窪みがあるのがわかります。
この窪みを円錐状のカシメピンで押し広げることでカシメることができます。
まずは、チェーンツールのパーツをカシメピンに付け替えます。
この時カシメピンの飛び出し量はツールによって異なりますがおおむね画像のような塩梅にします。
続いてチェーンを挟みこみますが、必ずカシメピンのセンターがジョイントのピンのセンターに合うように調整します。
これまで同様ボルトを締め付けることでカシメピンが奥に進み、カシメられます。
画像左がカシメ済み。右側がカシメ前です。
両方のピンが正しくカシメられていれば完了です。
チェーンの張りを調整する
最後に規定の張り具合になるように調整します。
たわみ量は車両ごとに設定値があるのでそれを参考にしましょう。
もし数値がわからないときは、張り気味にすることなく、サスペンションがフルボトム時でもたわみが残っている状態にするようにしましょう。
また、チェーンアジャスタは左右均等に調整しましょう。
調整が完了したら、アクスルシャフトを規定のトルクで締めます。
張り調整については以下の記事に詳しく記載しているので参考にしてみてください。
張り調整ではスプロケットに工具などを挟み込むという手法でアジャスターの遊びをなくす方法が一般的ですが、新品にいきなり工具を噛ませることに気が引けるのであれば、ウェスなどやわらかいものでも代用できます。
完成!
これでチェーン・スプロケットの交換作業は終了です!
見違えるように綺麗になりました!ボルト類も新品にしたことで、満足度が非常に高いです!
チェーン交換は専用ツールを正しく使用することで、比較的容易に交換できます。
力を必要とする場面も、高度なテクニックを必要とする場面もないので、取り組みやすいメンテナンスです。
チェーンの交換時期は走行距離10,000km~30,000kmと言われています。
スプロケットはチェーンと同時もしくは、チェーン交換2回に1回ペースが一般的です。
交換したチェーンを長持ちさせるコツは、日々のメンテナンスです!この輝きを維持するためにもしっかりメンテしていきましょう!
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フロントスプロケットの止め輪は裏を手前に付ける、で合ってますか?
コメントいただきありがとうございます。
ご指摘のとおり、スナップリングの「裏側(角が立っている方)を手前(見える方=車体の外側)に向けて付ける」となります。
リアスプロケット上で端と端を合わせるようにするのオススメ。