
しばらく乗ってないから「よければ乗る?」とか「安く売るよ!!」なんて友人からお誘いの言葉を頂いたこと、ありませんか?バイクの現状を漠然と見ただけでは、何をどうしたらよいものか?悩んでしまうことが多い。そんなときには、エンジンや車体の状況確認を行い、テーマを絞って徐々に作業を進めていくことで、そのうち走れるように仕上がるものだ。DIYバイクいじり、不動車再生はやり甲斐があって、楽しいですよ!!
目次
放置期間が長くなるだけダメージも進行
駐車場に放置されていたリトルカブ。正式には、カブラと呼ばれるリトルカブベースのメーカー製カスタム仕様の限定車(1997年製)である。前カゴにはコンビニ袋のゴミや空き缶がいくつも放り込まれていた。一階の建物下が駐車場だったので、直接的に雨を受けず、1年近く放置されてもまずまずのコンディションに見える。果たして……。
スイッチの作動性に「ねばり感」
早速、ガレージにバイクを引き上げ、現状把握から開始。放置されていたわりには、まずまずのコンディションで良かった。走行距離は約1万5000キロ。エンジンオイルをフィラーのレベルゲージで確認すると、汚れてはいるものの、しっかりオイルレベル上限まで入っていたので大丈夫そうだ。メンテナンス用のバッテリーを接続し、各種スイッチを作動させてみた。すると、機能的にはすべて問題なかったが、スイッチの操作感にねばりがあったので、スイッチハウジングを分解してエアーブロー。さらにスイッチ操作部分にシリコングリス(樹脂部品と金属部品の摺動性向上に良い)を少量塗布。奥まった部分には、爪楊枝先端にグリスをつけて塗布した。
戻ってこないスロットル
スロットルを捻ったときに作動性が悪かったり、戻りが良くないとスッキリしないものだ。スロットル作動性の善し悪しには様々な理由があるが、このリトルカブラは、スロットルパイプとハンドルバーの作動性が悪く、ねばり感があった。スロットルハウジングからワイヤーを外し、ハンドルエンドにスロットルパイプ単品を差込み、スムーズに作動するか?クルクル回るか?確認してみた。油汚れでネッチョリ感があったので、ハンドルパイプとスロットルパイプ内側へパーツクリーナーを吹き付け、ウエスで汚れをしっかり拭き取った。その後は、スロットルがくるくるスムーズに回るようになった。
作動不良時は注油前にクリーンナップが原則
スロットルパイプの作動性が良くなったので、スロットルワイヤーは外さずそのままで、スロットルハウジング内部をクリーニングしてからハウジング内部にオイルスプレーを軽く吹き付けた。さらにスロットルパイプのワイヤー引っ掛け部分にグリスを塗布して周辺部品を復元した。組み付け完了後、スロットルをひねって手を離すと、スムーズに「パチッ」と戻るようになった。スロットル操作は、従順なレスポンスが基本である。
ヘッドライト内部はごちゃごちゃ感
どんなバイクも、ヘッドライトを外したその中はゴチャゴチャしている。今回、何を目的にヘッドライトを外したのか?それは、過去に電気系カスタムをなされていたか?否か?を確認するためである。電源を取り出すための改造などがなされているときは、その周辺をしっかり点検し、ショートなどが起こらないように前もって点検整備しておこう。ホコリ汚れがあるときにはエアーブローと乾いたウエスで拭き取るのが良い。意外と多いのが蜘蛛の巣などなど。それらもエアーブローでしっかり除去しよう。ヘッドライトリムのクロームメッキがサビかけていたので、細目のボンスターで軽く磨いて除去した。
マフラー点サビは防錆スプレーの吹き付けから
クロームメッキのマフラーには、ヘッドライトリムよりも多く点サビが発生していた。細目とは言え、金属タワシのボンスターでゴシゴシやってしまうと、メッキ表面に小さなスクラッチキズを付けてしまうため、まずは防錆スプレー(WD40やCRC556で良い)をしっかり吹き付けてからしばらく待った。サビにオイルが染み込んでから、細目のボンスターで磨いてみた。防錆オイルを併用することで、サビはスムーズに落ちやすくなる。オイルスプレーや汚れの飛び散りを気にせず作業進行できるように、ダンボールでマフラー周辺を養生してから作業進行するのがよい。
- ポイント1・放置バイクはメンテナンス進行の前に現状把握から始めて、パート毎に復活作業に取り掛かろう
- ポイント2・ 作動箇所がスムーズかつ確実に動くのが基本中の基本。作動性がイマイチな箇所は、必ず分解点検&メンテナンス
- ポイント3・サビ取りには様々な方法があるが、防錆スプレーを馴染ませてから作業することで作業性が良くなる
不動車再生には様々なケースがある。雨ざらしで何年も放置されていたバイクなら、そんな状況だったことを念頭においたメンテナンスが必要不可欠になる。例えば、ブレーキケーブルは作動しても内部に雨水が浸入し、ケーブルがサビ始めていることも考えられる。そんなときには、ケーブル内部をエアーブローし、それてからオイル注油するのが良いだろう。一方、汚れたオイルやグリスが抵抗となってケーブルの作動性が著しく低下していることも多々ある。そんなときには、最初からオイルを吹き付けず、まずはパーツクリーナーをケーブルインジェクターを利用して吹き付け、ケーブル内部の油汚れを柔らかく分解しつつ洗浄する。その後、ケーブル内部をエアーブローしてからケーブルオイルやグリスを内部に送り込むのが良い。どのように作業したら効果的なのか?効率が良いか?を常々想像しながら、作業進行するように心掛けよう。
今回のリトルカブラは、いわゆる屋根下放置だったことも幸いし、大きなダメージを受けている感じは無く、とにかく砂埃にまみれているのが印象的だった。雨水と水道水はまったく違うので、あまりに砂埃が酷いときには、水道ホースでバイクを流し(電気部品やメーターには水を直接掛けない)、濡れ雑巾でボディ各部をしっかり拭き取ろう。汚れ落ちが悪い場合は、幅が細く毛足が長いブラシを用意して、バケツや容器の水に中性洗剤を混ぜた水を溜め(ぬるま湯がベスト)、ブラシでゴシゴシと洗浄。汚れ落ちを確認しながら水道水で掛け流すのがよい。いずれにしても、洗車を終えたら各部をしっかりエアーブローしよう。そんな洗車時にもあると便利なのが、小型エアーコンプレッサーとロングノズルのエアーガンである。
エンジンに関しては、スパークプラグを取り外して焼け具合を確認し、プラグ穴からオイルスプレーを吹き付け、ゆっくりキックアームを踏み込み作動させるなどの手順がある。次はエンジン始動にチャレンジしてみよう。
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