「臭いものにはフタ」との言葉があるように、汚れやボロさ加減が目立ってしまう部分は「覆い隠す」ことで、美しく見せることができる。将来的には、ピカピカに仕上げる!!という場合は、その道のプロにお願いすれば良いだろう。しかしその前に、応急処置的にでも「美しくしてみたい!!」と考えたなら、現状最善のDIYペイント仕上げにチャレンジしてみよう。

停車中のバイクは隅々まで見えてしまう!!



ワイヤーカップブラシで部品を研ぐ際には、必ず安全メガネやフルフェイススクリーンを利用すること。研磨中に抜けたワイヤーが顔に突き刺さってしまうからだ。純正ペイントは薄いので剥離処理はアッと言う間だが、ベンチ万力(四輪鉄ホイールをベースに自作)の併用で、高効率かつ安全に作業進行できる。バッテリーブリーザーからのミストでペイントがハゲ始め、薄汚くなっていたメインスタンド。メーカー純正ペイントの塗膜は薄く艶はまったく無くなっていた。こんなスタンドこそ、2液の耐ガソリンウレタン缶スプレーを吹き付け、美しさを甦らせたいものだ。

細かな部分の剥離はバーナー利用

古い塗料が剥がれにくい奥まった部分は、無理に電動工具を使わず、ハンディバーナーで炙って塗料を焼き、ワイヤーブラシで擦ることで簡単に塗膜は剥がせる。フレームの塗装剥がしや小物部品の剥離には、特にお勧めの作業方法でもある。

意外なまでに美しく剥離完了

ワイヤーカップブラシでの剥離作業とバーナーでの細部ペイント焼きを完了し、想像以上に美しく下処理ができたメインスタンド。サンドブラストがあるのなら、ブラスト処理の方が手っ取り早いかも知れないが、こんな方法でも、純正ペイントの剥がしなら比較的容易に仕上げられる。

掃除機利用でフィルター越にミスト吸引

ホームセンターでも購入可能なものばかりで「ダンボールブース」を製作した。大物部品なら、大きなダンボール箱を利用することで何とかなるかもしれないが、さすがに大きさには限界がある。しかし大型車のメインスタンドなら十分可能だ。

塗り残し防止に「LED」ライト



もっと大きな発光面積の小型蛍光灯を光源にすれば、より良い環境でペイント作業できるかも知れないが、無いよりマシなので、ダンボールブースの天井にLEDの小型作業灯をセットしてみた。上下左右に高輝度LEDの照明をセットできれば、より良い環境で作業進行できる。

薄く塗り重ねて作業進行

室内作業でも掃除機が屋外にあるのでニオイは気にならなかった。ダンボールブースの中で部品をブラ下げることができれば良いが、贅沢を言わずにトライ。吹き付け可能な箇所から薄く吹き付け、乾いたら部品を回して違う箇所へ移動。慌てず急がずに作業進行して行こう。プライマーやサフェーサーは利用せず、今回は素地に2液ウレタンをスプレーした。

薄く薄く重ね塗りしながら仕上げていった。最後は膜厚確保と深い艶が出るように、しっかり吹き付けた。吹き過ぎるタレてしまうので要注意。このあとは自然乾燥させて作業完了。乾燥機があれば70℃で1時間半程度強制乾燥させることで塗膜硬度は一気に高まる。

POINT

  • ポイント1・ ペイント仕上げは作業環境や段取りによって激変する。ダンボールブースがその好例である
  • ポイント2・ 旧ペイント剥がしはサンドブラスト以外にも方法がある。カップブラシ利用時は、安全第一で部品はしっかり固定しよう
  • ポイント3・ハンディガスバーナーで炙って旧ペイントを焼き、ワイヤーブラシで擦るとペイントは剥がしやすい
  • ポイント4・ ペイント作業時はライトを併用して塗り残しが出ないようにしっかり確認しながら作業進行しよう

走っているバイクの姿は凝視することができないが、停車しているバイクは、しっかり凝視=なめ回すように見ることができる。そんなときに気がつくのが、サイドスタンドやメインスタンドのコンディションだ。艶が無く、泥だらけだったり、サビていて塗装が剥がれていると、バイクの車体以上に、それらのスタンドが目立ってしまい、バイクの印象が変ってしまうことがある。

ビールケースを逆さまにして、底に新聞紙を貼り付け、スプレーペイントしたことがあるサンメカは数多いと思う。そんなペイント台ではなく、ダンボール箱を使って自作する「ダンボール箱ペイントブース」の利用は魅力的だ。過去記事を振り返って頂き、ダンボールブースの作り方やその実力を、是非ともお見知り頂きたい。

ここでは、サビやペイントのハゲが目立っていたメインスタンドのペイント=塗り直しをDIYで行ってみた。その際に利用したのが、前出の「ダンボール箱ペイントブース」である。仮に、メインスタンドを宙づりにセットできたとすれば、作業はもっともっと楽に進めることができたと思う。今回は、薄く吹き付けてはハンディヒーターで乾燥させる。そんな作業の繰り返しで片面を吹き、乾燥後、逆さまにしてもう片面を吹き、さらに上から下から全方位から、缶スプレーをムラ無く吹き付け作業終了。

今回は、敢えて自然乾燥で作業進行したが、気温が低い冬場であっても、24時間後にはほぼ乾燥するはず。ギュッと爪先を押し付けても、変化しないほどの塗膜硬度を得ることができた。より一層、塗膜硬度の高まりを望みたいのなら、ストーブを利用して、熱気が立ち上がるストーブ上にペイント済パーツをブラ下げることで、塗膜硬度を高めることができる。

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