
ちょっとのキズを発見したときには、擦ってみたり磨いてみたりなど、何とかして自分自身の手=D.I.Yで修理補修したいものだろう。キズ部分に筆入れしても良いし、スプレーペイントで被せても良い。しかし、そんな作業の際にも、ちょっとした気配りやこだわりを持つことで、驚くほどキレイに、しかも想像していた以上に、良い仕上がりを得られることもある。塗るまでの下処理や段取りは極めて重要だが、それと同様に、塗っている途中のゴミ取りや、塗った後に気がついたゴミ取りなどにも気を配りたい。そんな行程にも様々な使える道具があるものだ。
カッターナイフにも様々な種類が!!
塗装中、ペイント初心者は吹き出すペイントの噴霧状態に目を奪われてしまうことが多いが、見るべき部分は「塗膜」の状況だとプロは語る。例えば、ペイント表面に糸くずのようなゴミが載ってしまったら、決して塗料で塗り込んでしまうことなく、気づいたときには即、除去するように心がけよう。そんなゴミの除去に使えるのが、キャブレターメンテナンス時の掃除用ニードルである。また、カッターナイフには、切れなくなったら折って再利用できる商品ばかりではなく、様々な状況や形状に合わせて利用できるデザインナイフもある。数種類持っているだけで使い勝手が良い。
これも使えるピンセットと毛抜き
ペイントしている途中に気が付けば、デザインナイフやニードル先端でサッと除去することができる小さなゴミでも、例えば、硬化途中になってしまうと、簡単に除去できないものもの。そんな硬化途中の場合は、毛抜きやピンセットを利用することで、効果的にゴミ除去ができることが多い。指先や道具の先端に集中できるように「ひじ」を作業台などに当てて、ブレないように固定して作業するのが良い。
ペイント前のひと拭きにはクロス
ペイント作業直前には、表面脱脂のためにワックスオフやシンナーでペイントパーツ表面を拭き取ることが多いが、ウエスの毛羽立ちなどがペイントを行う塗装面に残ってしまうことが意外と多い。そんなときには、「タッククロス」と呼ばれる商品で拭き取ることで毛羽を拾い上げ、ペイント仕上げ面を美しく、ゴミを無くすことができる。
エアーブラシで充実高品位仕上げ
黒フレームのキズ補修ぐらいなら何とかキレイに仕上げられるのでは?と考えるサンデーメカニックは多いと思うが、思い切ってエアーブラシにチャレンジしてみるのも良いだろう。ペイントのプロは小型コンプレッサーの圧縮エアーを絞って利用することが多く、インパクトレンチを使うような大型コンプレッサーは一切不要だ。
プラモデルでお馴染み「タミヤ」の模型用エアーブラシセットは、プラモデルの極上仕上げには必需品。マスキングを施し美しく塗り分けられるのはもちろん、境界線をボカシ仕上げすることもできる。模型のペイントと比べれば、バイクのフレーム補修ペイントはまったく容易と言えるだろう。
- ポイント1・ 少しでも良い仕上がりを目指せば結果は必ずついてくる
- ポイント2・ ペイントそのものよりも事前段取りとペイント後の仕上げにも注目しよう
- ポイント3・ エアーブラシを一度でも使うと、様々な用途での利用を間違い無く妄想できる
段取り中、作業途中、仕上げ中だったとしても、あれば絶対に便利だし、楽に仕上げられる道具がある。失敗をリカバーできる道具も、使い方やアイデア次第なので、持っていなくても、所有していなくても、そんな道具の存在を知っておきたいものだ。そのようなペイント後のトラブル用としても、ここでは、持っていると間違い無く便利な道具に注目してみよう。
例えば、深いキズがあるときには、ペイント塗膜を盛り上げることでキズ隠しすることもできる。しかし、ある程度深いキズの場合は、ラッカーパテを上手に利用するのが良い。パテでキズ埋めを行った後に、パテ面をしっかり研ぎ上げて段差を無くしてからタッチアップもしくは補修ペイントを施すのがベストである。このラッカーパテにも様々な種類があり、その特徴を知ることでより良い仕上がりを目指すこともできる。今回利用したアルミ粉末を含有した「アルミ粉入りスポットパテ」は、一般的なラッカーパテよりも硬化後の硬度が高く、より安定した下地作りを行うことができる。
仮に、このようなアルミ粉含有パテでもキズ隠しが大変な場合は、キズ部分のペイントをしっかり剥離し、硬化剤を混ぜて使う2液のポリパテを利用するのが良いだろう。そのような段取りの方が、より安定した下地作りが可能になる。
一方、ヘアラインを僅かに深くした程度のキズなら、模型用で使われるベーシックタイプのパテでも十分なキズ埋め効果を得ることができる。硬化剤を使うポリパテは乾燥硬化までに時間が掛かるが、小さなキズを隠すためのラッカーパテなら、アルミ粉含有品でも模型用でも、比較的硬化時間は短いので使い勝手が良い。
最近では少なくなったが、大型トラックのリアゲートに描かれた歌手やアーチストや鬼面などの肖像画は、様々なノズル口径のペイントガンを駆使して描かれたアートである。そのような作品表現で利用されるのがエアーブラシである。細部の仕上げや肖像の人物のお化粧濃淡を調整することができるのも、エアーブラシならではのテクニックである。
エアーブラシ用の塗料は、多くのシンナーで薄めてあるため、筆入れなどでは、なかなか思うよう作業進行できない。それほどまでに薄いため、補修患部に筆を入れたとたんに、タラ~ッと流れ落ちてしまうのが関の山だ。それほどまでにやわらかい塗料でも、比較的容易に吹付けられるのがエアーブラシ最大の特徴である。つまり、シンナーが多く顔料が薄くても、塗り重ねによって塗り込みやボカシを容易に行うことができるのだ。
そんな特徴を生かした「補修ペイント」によって、想像以上に高品位な仕上がりを得られるのもエアーブラシ利用時の大きな特徴である。小規模な塗装なので、家族や近所迷惑にもなりにくい。是非とも、トライしていただき、高品位な仕上がりを目指して頂ければと思う。
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