「美しいフレーム骨格を目指したい」そう考えるサンデーメカニックは数多い。バイクの美しさは、フレームや足周りパーツの輝きから来ると言っても過言ではない。外装パーツは取り外しやすい分、塗りやすさもあるが、外装パーツとは違って、フレーム骨格は簡単塗り直すことができない。ここでは、高いクォリティを目指したフレームの部分補修を可能にする周辺道具や材料に注目してみよう。

部分補修に便利な道具

車載工具があればすべてのメンテナンスができるわけではない、といった事実は、サンデーメカニックなら誰もが知る常識だろう。ペイントへ置き換えれば、缶スプレーやペイントガンやエアーブラシがあれば、すぐにペイント仕上げできるワケでもない。しかし、事前段取りやペイント後の仕上げをしっかり行うことができる道具があれば、間違い無く補修ペイントでも楽しむことができるし、成功したときの充実感はとにかく大きい。

バイクのメンテナンスには、ドライバーや各種レンチ、プライヤーにニッパなどなど、様々なハンドツールが必要なのと同様に、ペイント作業でも、様々な道具や段取りテクニックがある。ここでは、部分補修の作業前にあると便利な様々な道具に注目してみよう。

ハミ出し塗料は綿棒で拭き取ろう



普通の綿棒だが、よく見るとサイズ違いの物がある。太い綿棒は少し広範囲に薄くハミ出した塗料の拭き取りに使用すると良い。

脱脂洗浄、しつこい汚れは溶剤利用


パーツクリーナーとして単品でも売られているが、溶剤詰め替え型のボトルもある。詰め替え式は圧縮空気を入れる必要があるが、自転車の空気入れでも代用できる。コンプレッサーがあれば簡単に空気補充できる。

粘着テープ付きのサンドペーパー

下地作りで大活躍する耐水ペーパーには様々なタイプがある。筒状で販売されている「粘着テープ仕様」の使い勝手は実に良好。丸棒やアルミパイプや木っ端に貼ることで、バックプレートになる。また、穴の内側やR形状部分の研ぎ出しをしたいときにも、パイプや棒や鉛筆に巻いて使うことで作業性が良くなる。


スポンジパッドや丸棒に粘着側を貼り付けることで、フラット形状や丸形状の磨き込みで威力を発揮。このように下地作りの作業性の良さこそが、素晴らしい段取りでもあるのだ。道具を使いこなせば仕上がりが良くなるものだ。

ファイバーニードルの実力!!


ワンポイントで発生したサビを、ペン先でコリコリ押しながら擦ることでサビ除去することができるファイバーペンは大変便利。タンクの小キズなどに発生した点サビでも、このペンで擦れば周辺にキズを付けにくくサビ除去できるのでタッチアップ精度も高まる。 塗料道具店なら購入することができる。

様々なマスキングテープを用意しよう

マスキングテープにも様々な幅や広範囲を養生できるタイプがある。マスキングテープ+ビニールシートが折りたたんで接着されている養生テープは「コロナマスカー」と呼ばれて販売されている。家の壁塗りなどで利用するため様々なサイズが販売されているのも嬉しい。場面、場面で使い分けるのも楽しい。

アルミ粉入りラッカーパテと金ノコ歯


アルミ粉が混ざったラッカーパテは、硬化後の引けが少なく、硬化硬度も従来のラッカーパテと比べて当然に硬いのが特徴だ。補修箇所であるキズにパテを入れる際には、折れた金ノコの歯部分をグラインダーで削り落とし、先端を面取りしてバフ磨きすることで、使いやすいパテ用のヘラを自作することができる。ハガネの金ノコは、折れた後も様々な使い道がある。

POINT

  • ポイント1・良い仕上がりを得るためには、段取りや準備が何よりも大切。段取りが良ければ作業性も間違い無く良い
  • ポイント2・ひとつの道具に執着せず、使いにくいときには、もっと使いやすいものが無いか?疑問を持って道具を探し、選ぼう
  • ポイント3・似たような道具でも形状違いで使い勝手が大きく異なることがある。同じような道具でも何種類か所有しよう

目立つ部分にガリッと入ってしまった大きなキズなら、プロの手に委ねるのがベストチョイスでありそれが美しく仕上げる近道である。しかし、本当にちょっとだけのキズやフレームへのキズなら、自分自身の手=D.I.Yで補修仕上げしたくなるものだし、慎重に作業進行することで、思いの外、良い仕上がりを得られるものだ。筆入れだけでも良いし、スプレーペイント、エアーブラシで仕上げるのも良いだろう。そんな作業時に、ちょっとした気配りやこだわり、慎重かつ冷静に作業進行することで、想像していた以上に驚きの仕上がりを得られることもある。

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