
魅力的なバイクとは末永く付き合っていきたい。常に気持ち良く走りたい!!とはマシンオーナーなら誰もが考えることだろう。エンジン始動と同時に振動が伝わり、ハンドルがプルプル、メーター本体からはカタカタと音が聞こえて……。ゴム部品やラバーダンパーと呼ばれる部品が経年劣化を迎えたことで発生する「負のスパイラル」は意外と多い。ゴム部品の劣化によって「雪だるま式」に様々なトラブルが誘発するこの事実、経験ありませんか?ここでは、壊れてしまう前にメーターをしっかり固定して、末永く気持ち良く走れるようにゴム部品=メーターのダンパーラバーを交換しよう。本来ならば、悪くなる前に交換するべき部品であることを、知っていて欲しい。
欠品部品だったので純正流用
ヤマハSDRのメーターダンパーラバーを交換しようとパーツリストをチェック。部品ナンバーを調べてヤマハ純正部品のメーカー在庫を、ヤマハオフィシャルの純正部品検索WEBで調べてみた。しかし、残念ながらSDRの純正部品はすでに販売中止。そこで考えたのが、他のモデル用で使えそうなものが無いか?純正部品の流用だった。丸型のスピードメーターやタコメーターは、製造担当メーカーが同じなら、意外と部品流用できることが多いのだ。そこで、似たデザインでメーターサイズが同じヤマハSRXと、メーカーは違うが、カワサキ250TR用を「宝くじ感覚!?」で購入。すると両方とも当たりクジ!!しかもカワサキ用は、高額当選の気分になれた!!
比較したらほぼ同じ形状だった
純正流用しようと思ったモデル用純正部品が販売中止や欠品になっていなかったのはよかった(部品発注した時点でのお話しです)。納品された2つのパーツを見比べると、明らかに異なる部品ながら(ゴム質や硬さが若干異なっていた)、寸法関係はほぼ変らなかった。いずれも純正流用できるのでラッキー。SDRのメーターを取り外して合せてみたら、バッチグーだった。
インジケータパネルダンパーは自作
メーターマウントがカタカタ音を出しながら揺れていたので、ダンパーラバー類をすべて交換しようと思った今回のメンテナンス。メーター本体を取り外す際に、インジケータパネルの裏側にダンパーが接着されていたのに気がついた。こんな部品は簡単に自作可能なので、ホームセンターでウレタンゴムのスポンジを購入し、型どりして切り出すことにした。
メーターパネルの裏側からペチャンコになった純正ラバーダンパーを切らないように剥がし、型紙を作って同じ形に切り出そうとトライ中。ウレタンゴムスポンジは厚さ3ミリを利用したが、潰れているものの純正部品はもう少し薄いようにも見える。引き出しの中に切れっ端のウレタンゴムスポンジがあったので、ホールポンチを使ってハンマーで叩き、インジケータ穴を作った。切れ端ながら何とか完成。
ボルト固定部のダンパーも交換
メーターケース越しに下側からメーターボディを固定する2本のボルトにもラバーダンパーと筒状カラーが入る。このカラーが無いとダンパーゴムを締め切りになってしまうため、振動吸収機能を果たさなくなってしまう。分解時には部品の紛失に注意し、カラーが無いときには必ず部品を確保しよう。この部品はメーカー在庫で購入できた。
エンジン始動時に揺れなくなった
新品部品のダンパーラバーに交換したことで、メーターリムとメーターパネルの間の隙間が埋まりガタが無くなった。見るからにメーター本体はしっかりした固定になった。エンジン振動によってメーターはダメージを受けやすいので、本来ならガタが出る前に気がついて、部品交換しなくてはいけない。
- ポイント1・ メーターは精密部品。外力が加わることで壊れやすいので、特に振動防止のダンパーラバーのコンディションは常に良くしておきたい。
- ポイント2・ 純正部品が販売中止のときには、他モデル用純正部品の流用を視野に入れ捜索。見つからないときには自作にチャレンジしよう
ゴム部品やダンパーラバーがしっかり機能していれば、振動がバランスし、軽減され、マウントされた部品に悪影響を及ぼすことは少ない。しかし、これらの緩衝部品が経年劣化によるヒビ割れやゴム崩れなどでダメージを受けると、乗り心地はもちろん、部品のライフに大きな影響を及ぼしてしまう。ここでは、ヤマハSDRのメーターダンパーラバーを交換したが、ここでは、その様子をリポートしよう。果たして、旧車の補修部品が入手できるか否か?そちらの方が、交換作業以上に気がかりとなっていたのが、正直なお話である。
メーターのコンディションひとつで、バイクの見た目や印象は、大きく変わるものだ。シートに跨がると、最初に目の中に映るのがメーターである。それだけ目立つ存在なのだ。見た目が美しくて良い印象でも、走り出したとたんに指針がフラフラ、ピョンピョン跳ねてしまうことも珍しくない。これは旧車に限ったことではなく、高年式車でも、保管コンディションが悪いと、このような症状が発生しやすくなってしまう。
メーター指針に作動不良があったとき、その原因を探っていくと、メーターケーブルのコンディションやメーターの取り付け方法に問題があることが多い。例えば、メーターケーブルがガソリンタンクとフレームの間に挟まれると、車体の振動がケーブルからダイレクトにメーターへ伝わり、メーターの作動コンディションに悪影響を及ぼすことがある。また、メーターケーブルが途中で切れ掛かっていると、回転中に切れ掛かった部分がケーブルアウターの内側に引っ掛かり、その都度、指針がピョンピョン跳ねてしまう現象も起こる。
以前にメーター指針がピョンピョンとハネるトラブルが発生した。そこで、新品メーターに交換したことがあった。ところが、新しいメーターでも同じような指針ハネが発生。その原因を探るために、メーターケーブルを取り外し、内部の金属製インナーケーブルをアウターから抜き取ってみた。すると、より合わせたワイヤーの一部が切れていて、回転中にアウターと干渉し、不規則な動きが発生。結果的に指針のハネとなって現れていたことがわかった。その後、旧いメーターへ戻して、メーターケーブルを新品部品に交換したら、何事もなくメーターは正常に作動したこともあった。結果的には、早まった判断で新品メーターを購入。散在してしまったのだ……。
このSDRは、アイドリング中のエンジン振動で、メーターからカタカタ音が発生していたので、メーターボディをマウントする上側と下側のダンパーラバーを新品部品に交換。分解時にはインジケータバネル下にもダンパーラバーが入っていたので、この部品は現物から採寸して自作した。これらの作業後は、エンジン振動でメーターが揺れることなく、イイ感じの仕上がりになった。
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