BMWの「Mシリーズ」生誕50周年のその年、パールホワイトベースの「M」カラーイメージに生まれ変わった不人気中古外車の K75S。ツインカムのヘッドカバーを黒色結晶塗装でイメージチェンジしようと思うので、この機会に派手で目立つダブルシートも「ブラック表皮に……」と考えたわけです。


完成形がこれ。アンコ増しで、デザイン優先のシート形状に

これまでの赤シートはプロショップへ張り替え依頼したものだった。バイク仲間のガレージまで、Kナナゴーを走らせた。その時に、「シートですか!? 縫製までなら……」といった話題に!!本格的に取り組みました。


BMW純正シートは縫製無しの一枚表皮を張り込んだもので、味気がまったく無い仕上がりだった。プロショップへ依頼した赤シート表皮と同じように、縫製やパイピングステッチを入れられるのか?

本来ならタンク後方の壁にシートの前方が乗り上げるデザインだが、時間の経過によってシート先端が変形して、メクレて隙間が空いてしまいカッコ悪くなる。そこで先端形状を変更した。


ネットオークションではシート本体の出品が数個あったので、画像参考でできる限り程度が良さそうな部品を購入した。シートベルトの固定部には化粧カバーが取り付けられる。不人気モデルなので格安購入。


メクレてしまいカッコ悪いシートの「前方先端部」をカット

黒表皮への張り替えで赤表皮を剥がす気分にはなれなかったのと(プロショップにお願いしたときの請求額が想像以上でした)、着せ替え人形的にも楽しみたかったので、張り替えベースの中古シートを購入。

純正一枚張りの表皮を早速剥がした。不人気モデルの中古部品は、安価なので気楽に作業できる。赤シートの時よりも短くシート前方をノコギリでカット。ぼく好みのデザインに変更します。


一体発泡型のシートアンコは想像以上に削りにくい

ホームセンターで購入した汎用クッションスポンジ(ウレタンスポンジ)を適当なサイズにカット。接着面全体にボンドG17を薄く伸ばして塗り、半乾燥になるのを待つ。


表面がツルッとした方を表向きにボンドで接着したが、これが正解か否かは不明。純正発泡スポンジよりもやや硬い印象だ。純正側の接着面全面にも、ボンドG17を伸ばして塗布。


ゴム系接着剤は、双方の塗布面が半乾燥状態になってから貼り合わせるのが良い。半乾きにならないとガッチリ接着できないのだ。接着後はノコギリの細目で側面をカット。


ぼくが好んで利用しているステンレス製の「おろし金(大根おろし金の改造品)」。湾曲させるとスポンジが削りやすくなる。スポンジにも目があり、削りやすい方向性があるようだ。


おろし金改を使ってノコギリカット面の凸凹をあらかたならしたら、厚紙の筒に両面テープで接着固定したサンドペーパー(布ペーパーの80番を利用)で表面をさらにならしていく。


ビーエムのKナナゴーやK100時代のダブルシートは、車両デザインではなく足つき性のために「段付きシート形状」になっていたのかも!? カッコ悪いので、アンコ増しでリデザインした。


縫製継ぎ部分にマーキングを入れてデザインイメージ

おおよそのシート形状と縫製ラインが決まったところで、バイク仲間のガレージへシートを持ち込んだ。裁縫経験のあるバイク仲間の奥さんへ相談。デザインに合わせた型紙を作って検討開始。

「急いで」なんて言ってませんが、せっかちなぼくを知ってか!?型紙通りに表皮素材を切り出し、手縫い&ミシン縫いで、数日後には「ちょっと見てください」と連絡が入った。


ネット通販で購入した市販のシート表皮材料から切り出し縫製してくださった。シートベースへは接着固定なのでやや大きめに製作。ガレージへ持ち帰り洗濯ばさみで固定しながらイメージ中。


縫製部分の針穴から雨水を吸い込まないように、裏側の縫製部分へは黒色の液状ガスケットを押し付けるように塗布。縫製の折り返し部分はG17で接着してズレないように固定した。


リヤ側を基準に貼り込み、フロント側を巻き込んでいく

シート素材は縦方向と横方向で、引っ張った時の伸び方に違いがある。伸びる方をどちらに向けたら良いのかは、シート形状によって臨機応変に…… といった感じなのだろう。

ヘアードライヤーで温めることで表皮が伸びて張り込みやすくなるが、実は、この段階ではシート表皮の微妙な形状寸法に合わせるように、アンコの盛りと削りで調整している。


微調整しながら張り込み進行。大失敗だったのは、仕上げ用のスポンジを全体的に張り込まなかったこと。厚さ3ミリの薄くやわらかいスポンジを張ることで、仕上がり表面がきれいになる。


タンクへ乗り上げる出っ張り先端の長さは、赤に対してやや短く切り落とし(赤もノーマルより短くカット済)。その前方部分は暫定張り込みだが、おおよそイメージできますね?


表皮の張り込みは完全接着式を採用するこの時代のBMW。接着後の表皮が剥がれないように樹脂板越しにブラインドリベッターで固定する。とにかく面倒な仕上げ方法を採用するのがKシリーズ。




POINT
  • バイクを美しく仕上げるポイント・赤結晶塗装のヘッドカバーと赤表皮のシートが派手過ぎる印象だったので、ヘッドカバーもシート表皮もシックなブラック仕上げにしてみようと考えた。目立つ部品の色が変わることで、バイクの印象が大きく変わることを改めて思い知った。

Kナナゴー「M」仕様の完成からしばらく経過したが、ヘッドカバーを「黒色結晶塗装」で塗り直すことにした。とはいえ、赤結晶塗装にもそれなりの思い入れがありますので、中古部品でヘッドカバーを購入し、新たな部品をベースに、黒色結晶塗装で仕上げてみようと考えた。部品さえあれば、不人気モデルなので安価で購入できるのがKナナゴーなのです。

そんな仕様変更を行うとなれば、赤色シートも黒色に変更したくなる。赤シートはプロショップ依頼で張り込んだもので、お気に入りの部品でもある。そこで、ヘッドカバーと同様に中古部品のシートをネットオークションで見つけてポチッ♪不人気モデルが故に、ライバルが現れることなく数千円の出品価格で落札することができた。表皮の一部が切れかかった、ツヤが無いKナナゴー用の純正シートだが、スポンジアンコに雨水が吸い込まれた様子が無い、どちらかと言えば極上品だった。

表皮を剥がし、新たにアンコを盛って形状修正開始。シートアンコの削り作業で、ぼくがいつも利用しているのは細目の木工用ノコギリと大根おろし金。大根おろし金の細かな目が、アンコ削りには最適のように思える。ステンレスで丈夫なおろし金のフチをサンダーで削り落とし、目が外向きになるように湾曲に曲げることで、形状修正しやすくなる。表面仕上げは段ボール筒の芯棒に80番のサンドペーパーを接着して利用している。DIYでシートのアンコ抜きをしたい方は、是非参考にしてください。


シート形状が完成したので、バイク仲間のガレージへ持ち込み、縫製経験があるバイク仲間の奥さんに見ていただいた。「大きいですね!!こんなに大きなシートを縫った経験がありませんから、できるかどうか、わかりませんよ~」といった反応。それでも余っていたシート素材で「寸法的には間に合うかな!?」とも。そんなやり取りがありましたが、数週間後には、完成画像付きのメールを着信。仕上がった表皮を受け取った時には「こんなものまで自作できるなんて……」、超感動です。

早速、ガレージへ持ち帰り、盛ったアンコとの形状を微調整しながら張り込み作業の開始。フックで引っ掛ける部分が無い、完全なる「接着シート」の張り込みは、本当に難しい。シートボトム側の接着面(シート左右と後方)にボンドG17を塗り伸ばし、表皮側の同じ接着面にもG17を塗り伸ばした。張り込み基準となるセンターマーク同士を一致させて、最初はリヤ側優先で張り込みを進め、ヘアードライヤーで表皮を温めて伸ばしながら、前方へ巻き込むように接着固定していった。後方はシート形状に合わせて一気に張り込み、接着剤を塗っていない前側で調整するような張り込み方法にした。どんなやり方が正解なのかわかりませんので、試行錯誤の繰り返しでした。画像には、工業用のヒーターが写ってますが、これは熱風が強過ぎて扱いにくくダメ。通常のヘアードライヤーがベストだと思います。まだまだ改善の余地はありますが、もの作りは楽しいですね~♪



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