油圧式ブレーキシステムの構成部品、マスターシリンダーやキャリパーから「ブレーキフルードが滲み始めている」ことに気が付いたときには、各種シール類を購入して分解交換を行うことになる。そんな時には、各種シールリップの摺動部分を、ブラッシングや簡易ホーニングなどで、クリーニング&ポリッシュするようにしてみよう。フルード滲みや漏れの原因の多くは、摺動部分に堆積した汚れであることが、多いからだ。

汚れの堆積はポリッシングでしっかり除去しよう 

ホーニングツールと呼ばれる砥石付きのポリッシャーは、電動ドリルやエアードリルと組み合わせて利用しよう。ドライ状態ではシリンダー内にキズを付けてしまうので使えない。

磨き込み実践前にはシリンダー内に防錆潤滑スプレーをたっぷり吹き付け、砥石の押し付け具合をバネ調整してからツールをドリルで回そう。シリンダー内がキレイになった。

肝心のピストンシール溝内に汚れが堆積したままでは、ピストンシールの押し付けが不均等になってしまい、ブレーキフルードの漏れを誘発しかねない。溝クリーニングツールも便利だ。

金属磨き用の万能ケミカルで汚れ落とし 

キャリパーピストンの摺動面に虫食いサビがある場合は、新品ピストンに交換しよう。汚れが堆積しているときにはメタルポリッシュを利用して、効率良く磨こう。

爪を立て擦っても、簡単に除去できない汚れが多い。そんな時にはウエスにメタルポリッシュを少量塗布し、擦り込むように磨こう。決して無理して磨き込み過ぎないように。

マスターシリンダー用ポリッシュブラシを固定して作業進行 

ブレーキマスターシリンダーは、キャリパーのピストンサイズやシングルディスクかダブルディスクかによっても内径サイズが異なってくる。ポリッシャーが使い易い。

オイル通路内の汚れやマスターシリンダー内の汚れをクリーニングする際には、ポリッシュツールに防錆オイルスプレーを吹き付けて利用しよう。ドライ作業は厳禁だ。

万力側にホーニングツールの軸を固定して、マスターシリンダーを手に持ってブラシに差し込み、手を回しながらクリーニングしてみた。こんな方法でもキレイに仕上がる。

リザーブタンク底を目視確認しながらパーツクリーナーで脱脂洗浄してみた。リザーブタンク底の小さな孔(ポート)が詰まっていないか、パーツクリーナーで開通確認しよう。

POINT

  • ポイント1・キャリパーピストンサイズ用のホーニングツールとマスターシリンダーサイズのポリッシュツールがあるとたいへんに便利 
  • ポイント2・ドライ状態でツールを利用するとシリンダー内にキズを付けてしまう可能性があるので、必ず防錆オイルを塗布しよう 
  • ポイント3・シール溝内のクリーニングには先が尖ったピックアップツールも利用できるが、突っつき過ぎてキズを付けないように要注意 

ブレーキパーツのコンディションは、体感できるケースが実は多い。ブレーキレバーを握り込んだ時に「ギギギッ」といった違和感がある時には、ブレーキマスターシリンダーの動きが今ひとつだと考えられる。ブレーキレバーホルダーのピボットボルト周辺の潤滑不良や、ピボットボルトの締め付け過ぎによって、レバーの操作性が悪くなっているケースもある。そんな時には、ピボットボルトの緩み防止用ロックナットを取り外し、ピボットボルトを抜き取り、ブレーキレバーをクリーニングして、レバーホルダー側の汚れもしっかり取り除こう。レバー側上下面の摺動部分にグリスを適量塗布して、ピボットボルトの段付き軸の摺動部へもグリスアップ。その状態でパーツを復元しよう。

ボルトの段差面がレバーホルダーに触れるまで軽く締め付けてから、ロックナットでボルトを固定する。この際に、ボルトを締め付け過ぎると、ブレーキレバーの作動性が著しく悪くなってしまうので要注意だ。また、ガタがある時にはボルトの締め付けとロックナットをバランスさせながら締め付けよう。ボルトの頭をレンチで回らないように固定しながら、ロックナットを締め付けるのが手順だ。そもそもガタがあったり、締め付け不良を起こしていたレバーホルダーの場合は、状況確認しながら作業進行するのがよい。あまりに摩耗が進み、ガタが多くある際には、要所をシム調整することで、タッチが良いレバー操作感を回復できることもある。

ブレーキキャリパーは、握った時の引き摺り音や効き具合、レバータッチ感からもコンディションを確認できる。特に重要なのが、ブレーキレバーを握らずに押し歩きした時の「引き摺り感覚」だ。車体が重く感じた時には、車体を垂直にしてジャッキアップ、もしくはスタンドアップして、ホイールを宙に浮かせた状態で空転させてみるのが良い。この時に、キャリパーが問題なのか、ホイールのハブベアリングが問題なのかを明らかにすることができる。キャリパーメンテナンスの前に、キャリパー本体の締め付けをフリーにする、もしくはキャリパー本体をボトムケースから取り外して、ホイールを空転させれば何が悪いのか、理解できるはずだ。仮に、キャリパーが無い状態でホイールの空転がスムーズなら、パッドを取り外して、キャリパーピストンやシリンダーのコンディション確認やクリーニングを行うのが良い。

ブレーキコンディションが今ひとつだと、バイクを走らせていても楽しさは半減してしまうものだ。気持ち良く楽しく走るためにも、定期的なブレーキメンテナンスは欠かせない必須項目でもあるのだ。

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