旧MM誌(モトメンテナンス誌)時代に紹介されたことがきっかけで、商品化にも至った木製分解式のバイクメンテナンス台。名付けて「青空バイクメンテ台」と呼ばれたこの道具は、バイクメンテナンスを楽しくし、数多くのサンデーメカニックから注目されたことでも知られている。実は、ホームセンターで購入できるコンパネなどを利用することで、自作もできる。一度でも「バイクを持ち上げてメンテナンス」すると、そのありがたさを誰もが実感できるはずだ。次の休日には「日曜大工」してみませんか?


旧MM誌のバイクメンテナンス台は、24mm厚の集成合板をクロスで重ねた脚にペイント済のコンパネ(建築基礎を作るコンクリートパネル)を載せただけの、実に簡単なもの。スーパーカブのメンテナンスや125ccクラスの原付2種までなら、定寸のコンパネサイズ(およそたたみ一畳分)がベストなのかも。

肝心なのは「組み合わせ部分」のノコ入れ


大手ホームセンターなら購入することができる厚さ24mmの合板(集成合板)から切り出したメンテナンス台の脚。クロス重ねに組み合わせることで、×(バツ)にして脚にする。厚さ24mmの合板なら、1000ccクラスの車重にも余裕で耐える。強度に影響ない箇所に穴加工を施し、ロープを通して束ねれば吊り下げ収納も楽々だ。


一般のホームセンターで購入できるコンパネ=塗装済コンクリートパネルの1800×600×厚さ13mmを天板に使用した実例。このサイズなら原付や125ccクラスの原付2種クラスでも余裕で載せることができる。大型車にはもっと頑丈で厚い天板を用意しよう。


この撮影時には福祉車に装備される軽くて細い道板が利用されていた。車重が軽いスーパーカブなら十分に耐えるが、中型~大型車を載せる場合は、トランポに車両積載する幅広の道板を利用するのがよいだろう。

地面に「はいつくばることなく」オイル交換できる!!


脚板クロス合板の天板受け面にゴム板を接着することで、天板が滑らず、より一層安定した状態でバイクメンテナンスできるようになる。ユーザー自身による使い勝手を最優先した様々な改良によって、自分だけの「アップデート」を楽しむこともできる。天板中央にコの字型の厚板をネジ止めすれば、タイヤストッパーとしても使えるようになる。スーパーカブオーナーさんは、アルミ縞鋼板をメインスタンド受けで敷いていた。

折り曲げヒンジ仕様ながら大型バイクでも使える


25mm厚の集成材(店舗カウンターだった廃材)を天板に利用したが、長さ2mオーバーで長かったので、分厚い鉄板のヒンジを3箇所に入れて「折りたたみ式」に改造。この改造によって持ち運び時はコンパクトになり、バンへの積載も容易になった。


リッタークラスの大型バイクでも、天板が厚くしっかりしていれば、ご覧の通り安定状態でメンテナンスができる。前輪ストッパーが無い場合は、不要になったタイヤチューブをカットした輪ゴムを作り、ブレーキレバーとグリップを結んで前輪をロックすると良い。

POINT

  • ポイント1・アイデア次第でバイクいじり=メンテナンスは楽しくなる!!
  • ポイント2・一段高い場所にバイクがあると作業性は圧倒的に良くなる。
  • ポイント3・日曜大工でバイクメンテナンス台は自作可能!!

我慢しながらしゃがみこんでバイクいじりしたことで、「腰痛が……」となってしまうことが多いのも、実は、サンデーメカニックの性である。年齢に関係なく、腰痛には要注意!!そんな腰痛回避はもちろん、作業効率が圧倒的に良くなり、さらに不調箇所の見落としを少なくできるのが、ここに紹介するバイクリフト!?ではなく、自作の「バイクメンテナンス台」である。
持ち上げてメンテナンスすることで、気がつかなかった部分でも、気がつくようになるのがこのメンテ台。楽な姿勢でバイクいじりできるので、一石二鳥の優れものだ。
ひざまづいたり、地べたに寝転がったりしたメンテナンスと比べて、バイクが15~20cmでも高い位置にあれば、作業性はかなり良くなるのをご存じだろうか?

電動式や電動油圧併用式、エアー式、比較的廉価な油圧の足踏み式だとしても、そのコストはそれなりに高値。また、大きなメンテナンス台を常時置いておくだけのスペース確保もなかなか難しい。現実的には、後者の問題の方が多いはずだ。
バイクいじりを趣味にしているサンデーメカニックにとって、メンテナンス環境の改善は「ひとつの夢」である。そんな夢を、ほんの少しだけ改善することができるのが、ここに紹介する「バイクメンテ台」でもある。できる限りローコストで、しかもガッチりした作りのバイクメンテ台があれば、間違いなく作業環境が良くなり、見た目の整然性も保つことができる。そんな発想から製作したのが、このメンテ台なのだ。

大型バイクを載せても「ビクともしないように作ろう!!」というのが、製作にあたっての合い言葉だった。そのため、脚部分には分厚い合板素材を利用。製作担当した大工さんによれば、このような台を現場に組んでタイガーボードなど、重い材料を載せながら現場施工を進めているそうだ。驚いたことに、1トン近くの重さの材料を置いてもビクともしないらしい。バイクを載せる天板や載せ降ろし用の道板(ラダー)は、載せるバイクのサイズに合せたものが必要だが、トランポ用で使っているラダーがあれば十分だろう。
前後17インチのフルサイズ原付なら、通常規格サイズ(1800×600×厚さ13mm)のペイント済コンパネを天板に使える。ペイント済のコンパネなら、エンジンオイルをこぼしてもウエスで簡単に拭き取れるので、汚れにくい特徴もある。
イベントでの車両展示やガレージセールでの商品台としても使うことができ、見た目をお洒落にしたいなら、赤ジュータンを敷いたり、白いシーツで覆ったり、厚めの集成合板を利用すれば、見た目も上質になり間違い無くお洒落だ。メンテナンスは、楽しく!!疲れず!!そうありたいものである。


バイクイベントで展示用に利用した実例。観覧参加者にとっても、このような展示方法なら、隅々まで覗き込むことができるはず。跨がろうとする輩も減るはずだ?

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