低速トルクの細さを補うために開発されたのが、エンジン回転域によって排気ポートの断面積を変更させる通称「排気デバイス」の登場だった。ヤマハの型式29L、RZ250Rには、排気デバイスが標準装備されていたことで知られている。このバイスバルブのスムーズ作動を求めてクリーンナップを行った。

いつまで入手できるのか……。補修部品が気になる時には先行でストックしておこう

エンジン腰上のオーバーホールタイミングでは交換したい純正部品を揃えることができたが、このご時世なので、旧車部品がいつまで納品されるか、メーカーストックされるのか、その保証はない。メーカー在庫があるとき、もしくは流通在庫があるときにストックしておき、イザというときに利用できる段取りにしておくのがベターである。

エンジン腰上の分解ついでに排気デバイスのクリーニング。作動性は大丈夫?

エンジンを降ろしたついでにシリンダーとピストンのコンディション確認を実施した、シリンダーには排気デバイスが装備されるモデルなので、取り外して内部洗浄しておこう。

デバイスキャップを取り外し、レンチを使ってデバイスバルブ本体を取り外した。1気筒あたり左右2分割で、接続部分は位置決めとなるダウェルピンが2本で連結される。

高性能ケミカルを使って、堆積しているカーボン汚れを徹底洗浄

ワイズギアから発売されているヤマルーブブランドの高性能ケミカルは、バイクメーカーを問わず積極的に使って効能を得よう。ガソリン7対ケミカル3で混ぜて利用する。

フレッシュなガソリンにケミカルを混ぜるが、開封前に缶を良く振って攪拌してから混合しよう。洗浄成分が分離沈殿しているからで、良く振らないと最大の効果を得られない。

真鍮ブラシを利用して汚れを落としたが、しばらく浸してからブラッシングした方が、汚れのこびりつきが溶けて洗い流しやすい。確実に洗浄したらパーツクリーナーで洗い流そう。

デバイス本体とシリンダーのクリーニングで作動性が向上した

2分割式のデバイスバルブをダウェルピンに合わせて連結したら、接合部分にバリや段差が無いか確認しておこう。バリの除去は細目の耐水ペーパーで行うのが良い。

エンジン回転域とスロットル開度によって、サーボモーターが作動しバルブが回転することで、最適な排気ポート面積になる。バルブの開度でエンジン特性が変化する。

シリンダー側のバルブホルダー部分は、スーパーキャブレタークリーナー泡タイプのスプレーを吹き付けて磨き、汚れを洗い流そう。最後の仕上げでポートエッジを面取ろう。

POINT
  • ポイント1・エンジン腰上の分解ついでにメンテナンスできる部分は「ついで」の気持ちで作業しよう
  • ポイント2・汚れは無理に磨き落とすのではなく、できる限りケミカルのチカラを頼って、溶かして洗浄しよう
  • ポイント3・どうしても取れない汚れには細かな耐水ペーパーを利用して磨いて除去しよう。削り過ぎると汚れが堆積する原因になる

エンジン腰上の分解ついでに、なかなか洗浄する機会が無い排気デバイスの分解クリーニングを行ってみた。並列2気筒エンジンは、デバイスバルブの分解が面倒なので、エンジン腰上を分解しているタイミングで洗浄しようと考えた。

以前、ヤマハSDRを所有していた時には、単気筒エンジンなので、車載状態のエンジンからデバイスバルブを取り外して、バルブの洗浄とシリンダー側の洗浄を行った。洗浄前の排気デバイスは、スムーズに動いていると思い込んでいた。

ところが、すべての部品の洗浄クリーンナップ後に部品を復元し、メインキーをオンにすると「クィーッ、クィーッ」とポジション確認するサーボモーターの動きが、以前と比べて確実に軽くなっていることに気が付いた。やっぱりバルブ周りの汚れは、作動性にも影響するのですね。

デバイスバルブを取り外すと、ドロドロになった未燃焼カーボンが大量に付着していたのはもちろん、シリンダー側の汚れ方も驚きに値する、それはそれで酷いものだった。そんな状況だったからこそ、洗浄後はデバイスバルブの動きが軽くなり、それがサーボモーターの音に反映されたのだと思う。

今回のRZ250Rに関して言えば、普段はサーキット走行がメインだったこともあり、デバイスバルブは薄っすら汚れていた程度でコンディションは良かった。ヤマハRZ-Rシリーズに限らず、2ストスポーツバイクで排気デバイス付きモデルのオーナーさんは、定期的に分解洗浄することをお勧めします。

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