油圧ディスクブレーキの定期メンテナンス項目のひとつが、2年に一度とされる定期的なブレーキフルード交換です。フルード交換時にはブレーキキャリパーのブリーダープラグを緩めてブレーキホースやキャリパー内部の空気を抜くエアー抜きが必須ですが、プラグに取り付けたホースが抜けないよう注意しなくてはなりません。この作業で有効なのが、プラグ先端に確実に固定できるロック付きのエアー抜きホースです。

ブレーキフルード交換時に経路内にエアーを入れるか否か

ディスクブレーキのブレーキフルードは制動時に発生する高温でも沸騰しない沸点の高さが特徴で、DOT4規格であればドライ沸点230℃以上という性能を有しています。その一方で吸湿性が高い性質もあり、数%の水分混入により沸点が50℃以上も低下して、ベイパーロック(フルードが沸騰して気泡が生じてブレーキが利かなくなる)の原因となるため交換が必要です。

目安として二年に一度とされるブレーキフルード交換作業では、マスターシリンダーやブレーキホース、キャリパー内部に古いフルードが残った状態で新たなフルードを注入するか、一度それらを取り外して内部を洗浄した後にフルードを注入するかを選択します。

フルード交換を定期的に行っているのなら前者の方法で問題ありませんが、長期間に渡り交換せずフルードが茶色に変色しているような場合、マスターシリンダーやキャリパー内部にヘドロのような汚れが付着していることも多いため、それぞれ分解して内部洗浄を行う方が良いでしょう。

分解洗浄後に新たにフルードを注入する際は、経路内のエアー抜き作業の手間を考慮しなくてはなりません。ブレーキレバーやペダルを繰り返し操作してマスターシリンダー側から送り込む場合も、シリンジを使ってキャリパーのブリーダープラグから送り込む場合も、最終的にマスターシリンダーやキャリパーやバンジョーボルトなどに残るエアーを排出するエアー抜き作業が必要です。

もちろん、経路内に古いフルードが残った状態でマスターシリンダーから新しいフルードを継ぎ足しながら入れ替える作業方法でもエアー抜きは必要です。しかし古いフルードでエアー噛みがないことを前提とすれば、切れ間なく新フルードを継ぎ足す際にエアーが混入するリスクは極めて少ないと考えられます。

そう考えると、作業効率の点からすれば点検窓から見えるフルードに透明感があっても、マスターシリンダーやキャリパー内部に汚れが溜まる前にフルードを抜かずに「継ぎ足し交換」するのがベターだと言えるでしょう。

ただしマスターシリンダーのカップシールやキャリパーのピストンシールなどの破損によって、部品交換を伴うフルード交換を行う場合はこの限りではありません。

ブリーダープラグからフルード&エアー抜きホースが外れると一大事

シリコンホース直結ではなく、ブリーダープラグ専用アダプターを併用することでホース外れのリスクを軽減できる。しかしゴムの柔軟性と張力低下によって外れやすくなるため、硬化したら交換しよう。

継ぎ足し交換でも全量交換でも、ブレーキフルード入れ替え時はキャリパーのブリーダープラグからフルードとエアーを排出しながら交換作業を行います。この際に注意が必要でありトラブルの元となるのがブリーダープラグからのフルード漏れです。

ブリーダープラグの先端にシリコンホースを差し込んだら、結束バンドで根元を縛って抜け止めとするのが標準的な手法ですが、何かの弾みで抜けてしまうこともあります。

エアー抜き作業ではレバーを握って圧力を加えながらプラグを僅かに緩めることでエアー混じりのフルードを勢いよく排出しますが、その勢いに釣られてホースが外れるとフルードが噴射されてしまいます。

塗装にダメージを与えるフルードはただちに水で洗い流す必要がありますが、想定外の場所にまで飛び散ることもあるので、もし噴射した場合は入念な確認が不可欠です。

そうならないようにブリーダープラグとホースはしっかり接続しなくてはならないのですが「こんなはずでは……」という時に発生するのがトラブルなのです。

プラグ先端のくびれを利用してロックする便利なアイテム

全国展開の工具ショップ、ストレートで販売されているブレーキブリーダーホースセット ロックタイプ。ブリーダープラグに取り付けるアダプターとワンウェイバルブがセットされており、シリコンホースの先端をペットボトルなどに差し込んで使用する。

ブリーダープラグとエアー抜きホースの差し込みを確実にするには、プラグ先端サイズに適合した内径のホースを選択することが重要ですが、工具ショップのストレートが販売しているブリーダーホースセットは、プラグ取り付け部分のロック付きアダプターが特長です。

指で摘まんで開閉するロックはブリーダープラグ先端のくびれ部分に掛かる構造で、アダプターに内蔵されたシールと合わせてブリーダープラグを適度なテンションで保持でき、外れることはありません。

同様のアイテムとしてプラグにかぶせるゴム製のアダプターもありますが、こちらは物理的にロックすることで抜け止めとなるため、不意に外れることがないのが大きな魅力です。

金属製のアダプターは先端部分にシャッターのようなロック機構があり、ブリーダープラグ先端のくびれ部分を固定することで抜け止めとなる。

ブリーダープラグにセットすればホースを引っ張っても簡単には外れない。プラグの開閉を行わず緩めた状態でブレーキレバーやペダルを操作すると、ホースが外れもしばらく気づかずフルードが垂れ流しになってしまうこともあるが、これなら安心だ。

ワンウェイバルブ付きならブリーダープラグ開閉なしでフルード交換できる

ワンウェイバルブにはスプリングと弁が内蔵されており、本体の矢印方向に一定以上の圧力が加わると弁が開いてフルードを通し、圧力がなくなると閉じて逆流を防ぐ。この働きによりブリーダープラグを緩めたままでもエアー抜きが可能となる。

加えて言えば、このホースの途中にはワンウェイバルブも組み込まれています。ワンウェイバルブを通過したフルードはブリーダープラグ側に戻ることがないので、ブレーキレバーやペダル操作に合わせてブリーダープラグを開閉する必要がありません。

一般的にはフロントブレーキ左キャリパーのエアー抜きは補助が必須ですが、ワンウェイバルブがあれば一人作業が可能となり、自動車のブレーキフルード交換も一人でできます。

ブリーダープラグを緩めたままでもエアー抜きできるメリットがある一方で、ワンウェイバルブを使用することでフルード入れ替えとエアー抜き作業中にブリーダープラグに対する注意が疎かになる懸念が生じます。

そんな時でもロック機構付きのプラグアダプターがあれば心配無用です。むしろワンウェイバルブを使用する時こそブリーダープラグからのホース外れを防ぐ手段が不可欠であると言っても過言ではありません。

実際に使用する際はホースをペットボトルなどに入れてこのようになる。劣化したフルードを抜かずに新たなフルードに入れ替える継ぎ足し交換では、ホース先端から排出されるフルードが透明になるまで送り込む。マスターシリンダーのリザーバータンクが空になるとエアー噛みを起こすので残量に注意しながら作業しよう。

POINT

  • ポイント1・ブレーキフルードは経年変化で劣化するため定期的な交換が必要
  • ポイント2・フルード交換作業時にブリーダープラグに取り付けるホースが抜けると塗装にダメージを与えるフルードが飛散するリスクがある
  • ポイント3・ブリーダープラグから外れないロック付きアダプターを備えたブリーダーホースを使用することで不意のトラブルを防止できる
ギャラリーへ (6枚)

この記事にいいねする


コメント一覧
  1. 匿名 より:

    この記事の商品情報が不明

  2. 匿名 より:

    アマゾンの商品説明だとバイクでは使用できませんってなっているんですよね…
    https://amzn.asia/d/cfOs9pR

  3. 匿名 より:

    販売元のストレートで確認したら、「バイクでは使えません、車用の一サイズ大きいブリーダー用」って言われて買わなかったんですよね…

  4. 匿名 より:

    買う時に確認したら端末で調べられて車用でバイクには使えないサイズが大きいとのことでしたが…

  5. もっさん より:

    過去にストレートの商品を買ったことありますが、少なくともブリーダー8mmのバイクにはサイズが大きくて使えませんでした。
    どのメーカーのどの車種なら使えるのでしょうか?

コメントをもっと見る
コメントを残す