バイク通勤の人にとって梅雨と同じくらい、いえ、それ以上嫌かもしれない台風シーズンがいよいよやってきました。
翌日の天気予報をみて「雨が強そうだから明日は電車通勤にしようかなぁ」と前日夜はそう思うものの、「傘をさしても濡れるし、いつもより早く家を出ないと間に合わなし、やっぱバイクだわ」と結局毎日愛車と出勤する通年通勤バイカーCanakoです。

2019年、関東地方に記録的な大雨をもたらした台風19号。タワーマンションの地下が浸水し機能不全に陥ったニュースが連日続いたのはまだ記憶に新しいところです。

車が浸水している映像を見るたびに自分よりも愛車のバイクが心配になってしまう、そんなライダーも少なくないと思います。
海抜0地帯に住む私にとっても、もはや浸水被害は他人事ではありません。

「もしバイクが浸水したらどうなる?どうする?」 簡単にまとめてみました。
被害には絶対に会いたく無いですが、やむを得ずの時の為に頭に入れておいてください。

バイクが水没した! その時絶対にやってはいけない事とすべき対処


「水没」と一口で言ってもその水位によってダメージは異なります。
しかし災害時に自分のバイクのどこまで水位が達したかの判断はなかなか難しいはず……

まずは愛車の復活に一縷の望みを残す為、これだけは守ってほしい事。

エンジンはかけない!

通常は気体を圧縮しているエンジン内に水が入っている状態でこの水を圧縮させてしまうとコンロッドが曲がり、ピストンが破損してしまいます。
それだけに留まらず、クランクシャフトやクランクケース等、エンジンに広くダメージを与える事にもなりかねないのでセルを回すこともキックペダルを踏むことも絶対にNGです。

そしてもう一つ!キーをONにしない事。
水滴によりショートを起こす可能性があり、最悪、発火の危険もあります。念の為、バッテリーの端子を抜く事もおすすめします。

どんなに愛車が心配でも、ライフラインを補うためにバイクが必要でも、絶対にエンジンはかけないようにしましょう。

まず、対処するべき事

一刻も早く水から引き上げると同時にきれいな水で洗い流し、その後しっかりと水滴をふき取り、乾燥させる事です。
金属はきれいな水に完全に浸っている間は、さほど腐食は進みません。
ですが災害の時に上がってくる水は当然きれいな水ではありませんし、台風は海水を巻き上げ、内陸40kmほどの地点でも塩分を含んだ雨を降らします。
乾燥が進むのと同時に金属は一気に腐食が進んでしまうので何もせずに放置しておくと2週間もせずにびっしりと錆が付くことになります。

そして何より、洗車だけではエンジンの内部まできれいにすることは当然出来ないので一刻も早く修理に出す事が重要です。

それで、修理はできるの?


どの程度の高さまで水没したか、また浸かっていた時間にもよって状況は大きく異ります。
一つの目安としてクランクケースが完全に水没する位置まで浸かってしまうと、エンジンだけでなく、各種電装系からバッテリー関連、ホイルベアリング、ケーブル類等、広範囲にダメージを受けるため、修復は難しくなります。

浸水したバイクを後まで心配が無い様にきちんと修復するのであれば、ほぼ全ての部品をばらし、隅々の汚れを取り除きグリスアップ等を丁寧に行った上で再度組み上げなければなりません。
交換するパーツ代もかかりますが何より、工賃がかなりの高額になる為、結局は直さずに廃車となってしまうケースが圧倒的多数です。

また、そもそも水没したバイクは残念ながら修理を受付けてくれなかったりもします。(;Ⅲ□Ⅲ;)
大手のバイクショップに聞いてみたみたところ、「例えエンジンがかかり、走行可能な状態まで修理が出来たとしても、後々、電気系のトラブルが発生したり、細部に入り込んで除ききれなった水分のせいで錆が発生し軋み等の症状が出ることもあり、修理に対する補償が難しいので水没車両の修理対応はしていないです」との事でした。

浸水したバイクは売れるの??


車種や程度にもよりますが人気車両でない限り、残念ですが売る事は難しいか、二束三文にしかなりません。

同じ不動車でも事故車であれば破損状況によってはエンジン周りやマフラーなど値段の張る使用可能なパーツが残っていますが、水没車は部品取りにするにも、そのまま問題なく使用できるパーツが少ない為、事故車よりも避けられてしまいます。
業者間のオークションでも水没車である旨は告知しないといけないルールになっています。

バイク屋さんも買い取り業者さんもプロですから水没車である事は黙っていても必ずバレるので正直に伝えましょう……

保険はおりるの??

一般的なバイクの車両保険では台風や高潮による水没では補償の対象となりますが、地震や火山の噴火による津波の場合には対象外になります。
あちらこちらで浸水被害が発生する今、自分が普段停めている場所に不安がある人は保険に入っておくのもいいかもしれませんね。

まとめ

バイクが水没してしまった時の対処方法を書きましたが、実際にそのような状況になった時は断水をしていたり、自宅の復旧が急務だったりと、バイクどころの騒ぎでは無い事も想像できます。

水没どころかバイク自体が流されてしまう状況に陥る事もありますし、状況がひどくなる前に安全な場所に愛車も避難させてあげたいところですね。
と、言うのは簡単ですが、なかなかそのような場所を確保する事は難しいかも……

ちなみに2年ほど前ですが私の原付が台風の突風で2回、会社の駐車場でころげました。
バイクの傷は大した事が有りませんでしたが、毎日通勤を共にしている愛車が横たわっている姿を見ただけで気持ち的にはダメージ十分(´;ω;`)
溺れている姿なんて想像しただけで……

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