高性能エンジンを搭載しているモデルだからこそ、メンテナンスは定期的かつ徹底的に行ない、メーカー出荷時のパフォーマンスを維持していきたいものである。市販ロードバイクとしては、類稀なる高性能スーパー4ストシングルエンジンを搭載しているのが、ヤマハWR250シリーズだろう。ここでは、オイル交換を実践する。


高性能添加剤を使って走りの違いをランクアップ 

オイル容量に対して10%の添加でその違いを得られるのが通称ゴールドラベルと呼ばれる4サイクルエンジン用スーパーゾイル。100%化学合成オイルでも鉱物オイルでも利用できる。くたびれかけた旧車エンジンでは、顕著な違いを体感できる例が多い。


ここで利用したエンジンオイルはマシンオーナーのオーダーで、モトクロッサーやスーパーモタードモデル用に開発されたモトレックス製クロスパワー4Tの10W60。そこへ4サイクルエンジン用スーパーゾイルを10%添加した。


ヤマハの伝統でもある4ストシングルモデル。超高性能なスーパーシングルエンジンを搭載したナンバー付きモデルがWR250Xである。この系列エンジンを搭載したロードモデルの「スーパースポーツシングル」登場待望論は、今尚数多いと思うが……。


オイル交換2回に1回はオイルフィルターも交換しよう 

エンジンオイルの抜き取り時は、必ず暖気運転後や走行後に行いたい。走行直後はオイル温度が高いので、ある程度冷えた後にドレンボルトからエンジンオイルを抜き取る。

オイルフィルター交換も行った。エレメント(フィルター)ケース内部のオイルを抜き取ったら、キレイなウエスで内部をしっかり拭き取り、汚れが溜まっていないか確認しよう。


オイルレベルの上限超え注入は「ブリーザー吹き出し」の原因  

オイル容量に対して10%の添加で効果を得られるスーパーゾイル。事前にオイルジョッキで混ぜた後に注入するのがベストだ。オイル量は想像以上に少なく1リットル強だった。


オイル注入したらエンジン始動し空吹かしなどせずにアイドリングにて1~2分待とう。その後、メインキーをOFFにして1分ほど待ち確認。オイルの入れ過ぎには要注意。


摺動抵抗が想像以上に大きいフロントフォーク 

フォークシールにラバーグリスを塗布することで作動性が高まる。倒立式フロントフォークは、オイル漏れや滲みを嫌ってオイルシールやダストシールの締めが強い傾向にある。


外部注油によっても摺動性や作動性を良くすることができる。スーパーゾイル・ラバーグリースを利用して、インナーチューブの摺動面に塗布し、ウエスで薄く伸ばして利用した。


定期的にリヤショックユニットの作動性を確認しよう。ショックアブソーバーのロッドにはスーパーゾイルスプレーを少量吹き付けた。油分が切を起こすと作動性が低下する。


エンジン下でリフトアップしてリヤサスのグリスアップ 

リヤショックユニットのリンク機構を分解し、ニードルベアリングやブッシュ部分にグリスアップを行なった。作動部が多いだけに、グリスアップで作動性は確実に向上する。

エンジン下にオフ車用メンテナンススタンドやリフトアップスタンドをセットして作業するのが良い。分解したリンクやベアリングの汚れを取り、グリスアップを行なった。


マシンオーナーからお話しを伺うと、購入後、初めてのグリスアップだったそう。新車組み立て時にはグリス塗布量が少ないので、早めのグリスアップは効果的だ。過塗布に注意。




POINT
  • ポイント1・定期的かつ気になった時には早めのオイル交換とオイルフィルター交換が何よりも大切 
  • ポイント2・高性能エンジンオイルを使うことで、エンジン分解時に、摺動細部の違い(輝き)を理解できる 

決して平滑でない金属表面同士が擦れ合い、各部の作動が成立しているエンジンメカニズムである。車体各部にしても、目には見えない凸凹表面が平滑化されると、その作動性やスムーズさは驚くほど良くなる。例えば、ノーメンテナンスで走り続けてきたエンジン内部は、金属同士の擦れ合いが酷く、且つ決してスムーズではなく、金属表面には無数の傷が発生していることが多い。言い換えれば、金属表面は凸凹の状態になっていて、それが「メカノイズの原因」となっているケースが多々あるのだ。

エンジンオイルに高性能添加剤を混ぜることで、スムーズかつ滑らかな走りを回復できることもある。もちろん、摺動部が一定以上摩耗してしまった後では、音消し効果は得られない。しかし、油膜形成の維持安定によって、メカノイズが減ったり、まろやかなエンジン音になることを実体験したことがあるユーザーも数多くいるはずだ。 以前には、以下のような事象もあった。走行距離が浅いにも関わらず、アイドリング時のメカノイズが気になったので、アイドリング中のオイルフィラーキャップを開け、高性能エンジンオイル添加剤を200ccほど注入し様子を伺ってみたそうだ。すると、気になるメカノイズが想像以上に消音されたというケースだ。過度な部品摩耗によって発生しているメカノイズは消えにくいが、僅かな異音などは高性能エンジンオイル添加剤の効果によって、消せることもあるのだ。摺動面が平滑に慣らされたことで、作動性がスムーズになり、異音の低減や減少につながった実例である。

摩擦抵抗が低減すると、その副産物として得られるのが、エンジンオイルの長寿命化でもある。フリクションロスが低減することによって、エンジンオイル温度は低下する。また、金属同士が擦れ合うと磨耗が進み、それにより鉄粉などが発生するが、そんな鉄粉の発生を抑制することをできるのも、高性能エンジンオイル添加剤の特徴である。大切なことは、摩擦抵抗が低減することによってエンジンパーツの寿命が延び、長い眼で見れば、ランニングコストを抑えることもできるようになるのだ。ここでオイル交換作業をしたのは高性能なスーパーシングルエンジンを搭載したヤマハWR250X。先鋭4ストエンジンを搭載したモトクロッサーなどでも、スーパーゾイルによる効果は確認されている。例えば、ジャンブが連続するモトクロスコースでは、着地時に発生する急激なトルクリアクションが想像以上に大きく、マディな路面ではタイヤが突然空転してしまう。その次の瞬間に路面とグリップすることで、駆動系には大きなストレスを与えがちだ。実は、そんなトルク変動の連続によって、ミッションギヤやプライマリーギヤの歯面は、ダメージを受けやすいのだ。そんなモトクロッサーに添加することで、以前は痛みがちだった各種ギヤのコンディションが確実に良くなった事例もある。


ドライブチェーンにしても同様である。過酷な走りの連続によって、ドライブチェーンのライフが想像以上に短いのがモトクロスの世界だが、スーパーゾイルスプレーをチェーングリス代わりに利用したところ、前後スプロケットの磨耗進度が顕著に遅くなり、ドライブチェーンを含めてそのライフは、以前と比べ物にならないくらい長くなったそうだ。そんなドライブチェーンへの需要には、チェーングリスにスーパーゾイル成分を添加したドライブチェーンルブもラインナップされている。このWR250Xでは、エンジンオイルとフィルター交換および前後サスペンションへのグリスアップを実践した。車両購入後初のグリスアップということもあって、作業後のスムーズさはより一層高まった。バイクは走るだけではなく、メンテナンスすることが重要である。そして好結果を持続しよう。



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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    エンジンオイル添加剤はオイルメーカーが設計した添加剤バランスを崩す行為なので、よほどでないかぎりは止めた方がいいと思います。
    ゾイルは定期的に出てきますけどね。

    あと、サスペンションのダストシールにグリースを塗ったり、モノサスのインナーロッドに濃い溶剤入りオイルを添付するという行為は薄くとはいえダストを呼ぶ上にシールを劣化させる行為になるので、シール抜けの要因をあえて作っています。
    よくて無溶剤のシリコンオイルを薄ら引いておくくらいで止めるべきだと思います。ラバーグリスの成分的にも問題があると思いますし…

    サスペンションメーカーの公式見解はあくまで【乾拭き】を勧めているわけですから。

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