
セパレートタイプのハンドルでも、デザインやマシンタイプ、カスタムの方向性によっては貫通タイプや非貫通タイプがあった。何を選ぶのか? それはマシンオーナーの好みによって決定されるものである。ここでは、グリップ交換時にあると便利な特殊工具に注目しよう。
ライディングポジションの好みは人それぞれ、それと同時に、ハンドルの「グリップ形状やデザイン」にも、好き嫌いがあって当然だろう。そんな現実を理解したメーカーやコンストラクターからは、様々なデザイン形状のグリップキットが販売されている。昔なら細巻きか? 太巻きか? 握り心地が違う生ゴムタイプか? などなどが話題になったが、そんなグリップにまつわる話題は、今も昔も変らず数多い。
かゆいところに手が届くアイデア工具!!
ダートフリークのユニットブランドから発売されているグリップエンドカッター。クリアケースに納めているため、重要な先端のカッターを紛失してしまうようなこともない。カスタムファンやショップにとっては必需品とも言える専用工具だ。
バイクのハンドルグリップは目立つ部品のひとつだが、そのグリップエンドが美しく切り抜かれてなく、カッターの刃でギザギザの穴になっている例もある。好みのグリップが非貫通タイプだったのでDIYカット後に装着したのだと思うが、そんな際に、あると便利かつセンス良く、しかも美しく仕上げられるのがグリップエンドカッターだ。
パイプの太さに合わせてハンマー一撃でカット!!
Φ22.2mmのカッターはクラッチ側用でΦ25.4mmのカッターがスロットルグリップ側用。ハンマーで叩き抜く際のハンドルエンドには厚板や木っ端を敷き、ハンドルパイプと同じように工具を差し込み、グリップエンドを押し付けながらハンマーで一撃。カワサキZ1のバーハンドルエンドにバランサーウエイトを取り付ける際など、純正グリップを使いたいならこのような貫通仕様に改造すれば良い。
数多くのカスタムパーツが存在する現在、貫通タイプのグリップは、様々なメーカーから発売されている。しかし、時には非貫通タイプから貫通タイプに仕様変更したいケースもある。そんなときに是非とも使いたいのがこの特殊工具だ。
- ポイント1・カッターでギザギザにカットしてカッコ悪く仕上げない!!
- ポイント2・左右グリップの太さ違いに対応した2個のカッターとハンドルのセット。
- ポイント3・グリップエンドの打ち抜き時は厚板を敷き押し付けながら一撃!!
セパレートハンドルが一世風靡したのは80年代前半。それ以前の車両法では、ハンドル形状はパイプ一体式で、そのパイプはトップブリッジ(ステアリングブラケット)に固定されてなくてはいけなかった。つまり、レーシングタイプのクリップオンと呼ばれた、通称「セパハン」の装備は、白色バイクやおまわりさんによる取り締まりの対象となっていた。
そんな車両法でグレーゾーンとなったのが、あのスズキカタナだった。1982年の国内ナナハン登場直後には、輸出1100と同じく、低く短いセパハン改造車が駆け回った。そんなセパハン車の取り締まりが厳しく、当時は「カタナ狩り」とも呼ばれた。その後、車両法の変更で認可されてからは、数多くのニューモデルにセパハンが採用されるようになった。
また、セパハンの装備と同時に、バーエンドウエイト(バランサーウエイト)の装備も一般的になっていった。この部品は、走行時のハンドルバーへ伝わる微振動を嫌い、それを解消するための対策パーツとして装備された。
パイプハンやセパハンに限らず、ライディングポジションをお気に入りにするためには、ハンドルグリップにも好みのパーツを取り付けたいとは誰もが思うはずだ。しかし、バーエンドウエイトを装備したモデルには、グリップエンドが非貫通のグリップを装着できない。仮に、そのまま装着したとしたら、バーエンドウエイトが取り付けられなくなってしまう…………。
具体的には、セパハンモデルに、お気に入りのオフロードモデル系グリップや旧車用グリップを装備するような場合である。
特に、オンロード旧車の場合は、純正グリップを使った改造例が多い。コンチハンやセパハン仕様でグリップエンドウエイトを取り付けたとしても、非貫通の純正グリップ仕様(デザイン)を好む例が多い。
そんなときにもこのバーエンドカッターが威力を発揮!! ハンドルバーのサイズ、太さに合わせたカッターをハンドルに組み込み、グリップへ挿入。厚板や木っ端に押し付けた状態を保ちながら、ハンマーでガツンと一撃することで、非貫通タイプだったグリップが、貫通タイプに早変わり!! 一度でも、その使い勝手の良さや仕上がりの良さを知ると、手元に置いておきたい特殊工具のひとつとなるはずだ。
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