低年式車や旧車オーナーさんなら、何度か経験したことがあると思うが、電気系スイッチが反応しなくて「エッ!! あれっ!?」なんて経験をしたことがあると思う。
ツーリング中にトンネルへ侵入したときにヘッドライトが点灯しない!! とか、ウインカーが点滅しないなどなど……。
特に、滅多に利用する機会が少ないホーンは、ボタンを押しても無反応…… といったケースは多々あることだ。
そんなときには、スイッチ用「接点復活スプレー」を利用することで、スムーズに機能復活することもあるので、知っておきたい。

スプレー後に何度も操作して擦り合わせる

「ウインカースイッチの左が無反応」とか「ホーンがならない!! 何度かボタンを押すと途切れ途切れに鳴る!?」と言ったときには、スイッチ接点不調の可能性が高い。
そんなときはスイッチを外して接点付近に「接点復活剤」とか「復活スプレー」をひと吹きし、しばらく放置してからボタンを何度も押して接点を摺り合わせよう。

しばらく作動させないと接点は腐食するもの

使い方は簡単。
ハンドルスイッチの場合は、ハウジングを開いてスイッチ接点に向けて復活スプレーをブシューッと吹き付け、しばらく待とう。
その後、作動不良を起こしているスイッチを作動させ、接点を摺り合わせてクリーンナップ。
最後にエアーブローもしくはパーツクリーナーで洗浄して、スイッチ稼働部にグリスを極少量塗布(グリススプレーが使いやすい)。
こんな作業手順で良い。

どうしても無反応なら配線を点検しよう

どうしても反応しない場合。
過去に配線を無理に引っ張ったことで(アップハンやワイドハンを装着して)スイッチハーネスの途中で配線が切断しているケースもある。
あらかじめテスターでスイッチング導通を確認し、それでも無反応なときに保護テープを剥がしたり、保護チューブをカットして「配線コード」を目視点検してみよう。

保護テープが巻かれていても、内部の配線被服が汚れていることに気が付くはずだ。
雨天走行などで入り込んだゴミが研磨材の如くザラザラになりコード被服にダメージを与えているケースもある。
そんなときには「かんたんマイペット」を吹き付け、不要になった歯ブラシなどで磨き洗浄するのがよい。

スイッチング無反応の原因は「断線」だった

保護テープを剥がして配線コードを歯ブラシで洗浄、ウエスで拭き取っていたら、切れた配線を発見。
何らかの原因で配線が突っ張ったり、走行振動で配線が部品に挟まれて断線してしまったのだろう。
こんな部分は配線修理だ。

適当なサイズにカットした熱収縮チューブを差し込み、配線両端被服を剥がして、ジョイント用ギボシで重ねた配線をクランプ。
重ね合わせ両端の導線に少量のハンダ処理を行い、ギボシ固定後にハンダを溶かすことでより高強度になる。
その後、収縮チューブを接続部にセットして温めて収縮保護しよう。

新品ハーネスに交換しなくても修理改善は可能


新品ハーネスに交換しなくても、保護テープを剥がしたり、配線にダメージを与えないように保護チューブを除去することで、メインハーネスのコードを露出することはできる。
配線の突っ張り箇所を対策したり、腐食がひどかったり配線が焼け気味で変色している部分は、ギボシ端子を新品に交換するなどして対策することで、トラブル原因を事前に摘むことができる。チャレンジしてみよう。

POINT

  • ポイント1・接点復活スプレーは想像以上の効果を得られる。
  • ポイント2・ホーンの響き不良原因のひとつに配線不良がある。
  • ポイント3・過去に強くハーネスを引っ張られたことで内部が断線している例も多い。

ホーンが無反応の時には?

まずはホーン本体を点検してみよう。
メインキーをONにして、ホーンボタンを押しながらドライバーの柄でホーン本体を「コツコツッ!!」と軽く叩いてみよう。
ホーン内部の共振板や共鳴板に付着していたゴミが外れ、ププーッ!! と鳴り出すことも多い。
変化がないときには、ホーン本体を車体から取り外し、+/-の2端子に仮配線を接続し、バッテリー端子に配線端部を瞬間的に接触させてみよう。
こんな点検方法でホーンの鳴りを確認することもできる。

ホーン本体の単品点検で鳴らないときには、ホーン本体に問題がある。
共振板の響きを調整するアジャストボルトがあるなら(無いタイプもある)、バッテリー電源を接続したままアジャストボルトを調整してみよう。
仮に、調整不良なら音の響きが良くなる部分でアジャストボルトを固定すればよい(ロックナットでアジャストボルトを固定する)。

ホーン本体に問題がない場合は、ホーンスイッチ接点やスイッチアースの不良が原因だと考えられる。
そんなときには、ここで紹介するスイッチ接点復活スプレー(様々なメーカーから発売されている)を利用し、スイッチ接点の腐食や汚れを落としてからエアーブロー後に復元すれば良い。
またこの際、ホーンやその他のスイッチが機能しているか? テスターを使った端子間の導通チェックを行うのがベストだ。

接点復活スプレーを利用しスイッチケアを行ったにも関わらず、カプラ接点での導通が得られない場合は、スイッチハーネスの途中で配線コードが断線していることも考えられる。
ハンドル交換時やガソリンタンクの取り外し時に、ハーネス類の取り回し方を間違え、ステアリング作動時に押されて挟まり、ハーネスが潰れているケースも多々ある。
また、アップハンに交換したことでスイッチハーネスが短くなり、無理に引っ張ってしまい、断線することもある。
今回は、ハーネス保護テープを剥がしてコードのコンディションを確認したら、コード断線を発見!! 接続ギボシで修復し(ハンダで直接結線しても良い)、すべてのスイッチング機能が回復した。
配線修理で結線した際には、接続部分の保護を確実に行うことが重要であり、トラブルの再発を招かずに済む。

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