HONDA Trail CT110(型式CT110B) 1981 セミレストア Vol.11
中古車の徹底仕上げ=外観の「美しさアップ」によって、見間違えるような美しさに至っているCT110国内モデル。エンジン始動は即できたが、なんとなく調子がイマイチなので、重箱の隅を突っつくように、コンディションアップさせたいと思っているのですが……
目次
キャブレターのコンディションアップは燃調キットで実践

ホンダCT110はロングセラーモデル。カムシャフトやコンプレッションレシオに大きな変更がなく、作り続けられたモデルのため、キースター製燃調キットが幅広く対応できる。ガスケットやOリング類がフル装備でリーズナブルなのは、何よりも嬉しいです!
取材協力/キースター(岸田精密工業) http://www.keyster.jp
ヤマルーブのスーパーキャブレタークリーナー【原液タイプ】が推し

取り外した部品を無くしてしまわないために、キャブ本体を取り外したら、エアークリーナー側のパーツをすべて車体へ復元しておいた。組み付け時には2度手間になるが、こんな方法もありだと思う。何しろガレージ内は、バラバラのバイクだらけなので。

PET製の口広容器(おせんべい容器を使いました)にヤマルーブのスーパーキャブレタークリーナー原液タイプとフレッシュなガソリンを規定量(ガソリン7対ケミカル3)で割り、分解したキャブパーツを漬け込み洗浄。このやり方はオススメです。

プロユーザー向け業務用サイズを愛用している我がガレージ。使う前には缶をしっかり振って、洗浄液をしっかり攪拌するのが大きなポイント。この攪拌は絶対に忘れてはいけない。ガソリン70に対して洗浄剤は30が黄金比率みたいだ。

ガソリンの吹き返しでベンチュリ内が薄黒く汚れていたキャブボディでも、3時間程度の漬け込み洗浄でこの通り美しく蘇った。そもそも過去にキャブレター交換されていた形跡があったが、ボディがピカピカになると嬉しいですね。

すべてのガスケットが同梱され、フロートバルブや燃調用の各種ジェットがキットに入っているので、1気筒当たりのコストは圧倒的に安い!! ジェットニードルのストレート径違いが、4種類入っているのが嬉しい!!
車体を寝かせばエンジンオイルが流れ出ない

新しいエンジンオイルを注入したばかりなので「エンジンオイルを抜き取りたくない!!」と言ったこと、ありませんか?小型車なので、そんな時にはステップを取り外して車体を寝かすことで、オイルを流すことなくメンテナンス可能になる。

クラッチアウターとクラッチドライブの回転ダンパースプリングは、アウターASSY外側から見える。分解時は最初に取り外し、組み立て時は最後に取り付けるのが良い。先端が二股になったツール(四輪内装のクリップを外すツール)を利用すると良い。

過去にフリクションディスクは交換され、ほぼ走っていないコンディションだった。一方で、鉄板のクラッチプレートはこのアリサマ。プレートが熱で歪むほど焼けて痛んでいた。これではクラッチの切れが極端に悪くなるので、全部品交換することにした。

クラッチプレートの焼け具合から推測すれば、フリクションディスクもそれなりに減っていると思われるが、かなりコンディションが良かったので、以前はフリクションディスクだけ交換したのだろう。今回は、仕切り直しで新品部品へ交換した。
気持ち良く新品部品に入れ換えて「ふりだし」へ戻した

クラッチの消耗部品は、この際、気持ち良く新品部品に交換した。分解時に組み込み忘れている部品に気が付いたスプリングも、新品部品を必要数購入した。クラッチフリースプリングと呼ばれる小さなスプリングが組み込まれていなかった。

分解時にこの部品=クラッチフリースプリングが組み込まれて無くて「あれっ落としたかな?」と思ったが、以前の組み付けミスだと発覚。このスプリングが無いと、ローギヤへのシフト時に、エンストしやすくなってしまう!!

フリクションディスクとクラッチプレートは「ふりだし」へ戻すため新品部品へ交換した。組み立て時には、スーパーゾイルスプレーをたっぷり吹き付けながら作業進行。スプレー式オイルは作業性が良いのでお勧めです。
専用工具の代わりに大型「万力」を利用

クラッチ分解用の専用工具が無いときには、大型ベンチバイスを利用することでクラッチは分解できる。クラッチスプリングを圧縮することで、抜け止めのセットリングを取り外すことができる。この作業手順はお勧めです。大型万力がある時には試してみよう。

クラッチアウターの溝にセットリングをハメ込むことで、クラッチ機能を維持している。このセットリングが外れてしまうと走行不能になるので、組み付け時には、合口部分やすべての溝にリングがしっかりハマっていることを必ず確認しよう。
- スーパーカブ×メンテの世界・デザインが異なっても、他のシリーズモデルと構造的な違いが無いスーパーカブの世界。70年代以前の自動遠心クラッチは、現代のような振り子型のウエイト式ではなく、ローラー単品をディスク外周へ押し付けるタイプなので、分解時にはローラーの紛失に注意しよう。
組み立て終えたエンジンを車体に搭載して、取り敢えずキャブレターはそのまま復元した。何故なら、外観的な見た目はきれいで、目立った汚れも無く、おそらく過去に新品部品へ交換されているのでは?と思えたからだ。ガソリンを送り込んで、早速エンジン始動。あっさり始動できたものの、空吹かしを続けていないとエンジン停止してしまう。スロットルストップスクリューを締め込んでも、アイドリングを維持できない状況だった。
仕方ないので、再び車体から取り外して、今度は完全に分解。おかき(煎餅)が入っていたPET樹脂製の口広ビンを使って、分解したキャブの主要部品や小さな金属部品をビンに入れ、ヤマルーブのスーパーキャブレタークリーナー【原液タイプ】をガソリンで割ってから注ぎ入れた。ヤマルーブのスーパーキャブレタークリーナーには、スプレーボトルタイプと、この【原液タイプ】があるが、徹底的なキャブ洗浄にお勧めなのが【原液タイプ】である。原液タイプだから、原液のまま浸してみたらどうなるのか?と試したことがあるが、まったく汚れは落ちなかった。取説に書かれたレシピ通り、フレッシュのガソリン7対クリーナー原液3で希釈して利用すると、ガソリンの揮発性と相まって、ベンチュリ内が真っ黒なキャブでも、数時間後にはアルミダイキャストの地肌が現れる強力な洗浄力を発揮する。愛用者になってすでに20年以上経過するが、その信頼性は抜群。唯一の注意点は、希釈前には缶をよく振って、原液を混ぜることだと思う。混ぜ忘れると、良い結果を得られないようだ。
洗浄後は、パーツクリーナーをキャブボディの通路へ吹き付け、さらにエアーガンで徹底的にエアーブローした。その後、キースター製燃調キットを利用し、ノーマルセッティングでキャブを復元した。Oリングやガスケット類が新品になるのは気持ちいいものですよ。車体に復元してタンクからガソリンを送り込み、キック一発。始動直後からアイドリングし始めたので、やや高めの回転(感覚的には1700~1800rpm)でアイドリングにさせつつ、パイロットスクリューを調整してから、アイドリングを1500rpm程度に調整した。トントントントンッと気持ち良くアイドリングしてくれるようになり、空吹かしもスムーズかつ軽快になった。
作業場前で数分間アイドリングさせてもエンストしないので、ギヤをローへシフト。するとエンスト……。再度エンジン始動し、ギヤをシフトするとまたエンスト。今度はエンジン回転をやや高めつつシフトしてみたが、やはりエンスト……。これはクラッチに問題がありそうだと思って分解すると、クラッチ外周に組み込むクラッチフリースプリングが組み込まれていなかった。このスプリングが無いことで、ギヤシフトできないことがわかった。分解したクラッチ部品を見るとなんだかヘンなので、この際「ふりだし」戻しでフリンションディスクとクラッチプレート、フリースプリングを新品部品に交換。その後、再始動すると、今度はエンストすることなくギヤシフトもフツーになりました。
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