メーターギヤの経年劣化破壊はKシリーズ時代の持病なのか……

エンジン始動がキック始動オンリーの大型バイクは諦めました。セルスターターモデルならなんとかなるかもしれない……!? と思い込み、バイク仲間から購入したBMWのKナナゴー。購入以来「美化プロジャクト」を推進し、何とか自分なりに濃密な仕上げを楽しむことができています。まだまだ完成ではありませんよ~


前回

1980年代後半のBMWメーターは持病なのかも?

仕上げ作業を進める中で初めて試運転したKナナゴー。当初はまったく気が付かなかったが、メーター指針は動いているのに、トリップもオドも、積算カウンターが回っていないことに気が付いた……


1980年代後半に生産されたBMW製バイク特有の持病のようでした。インターネットで検索すると、同じようなトラブル事例が数多く出てきた。メーター修理屋さんへ依頼して、カウンターを駆動する樹脂製ギヤを交換して頂いた。


修理依頼は過去に一度もお世話になったことが無い工房へお願いしました。過去にBMW K75やK100シリーズの修理実績があり、補修部品もストックしていたようで、即、修理完了し戻ってきました。バッチリです。


飛び出したバックミラーを何とかしたい  

ノーマルではなく角型バックミラーの方が似合うような気がしていたある日を、信号待ちでクルマを停めると、目の前には角型ミラーを装着した実用スクーターが。デザイン的には「似合うかも?」思いましたが……。ホンダのジャイロキャノピー用。


丸型がBMWのKナナゴー純正バックミラーで、下の凝ったデザインの角型ボディがホンダスクーターに取り付けられていたバックミラー。購入して取り付けましたが、細いステーが気になりボツに。 


Kナナゴー純正デザインにも似たゼッツー用丸型ミラーを流用改


磨き棒を旋盤で加工してからプレスで好きな角度に曲げれば何とかなるだろう、などと考えた。ミラー本体は、サンドペーパーでキズを削って仕上げてから密着剤を吹き付け、つや消しブラックの2液ウレタン缶スプレーで仕上げれば良い?


社外の安いゼッツーミラーは、バランスウエイトが入ってないため、走行振動でボディがビビリってしまうが、カワサキ純正ゼッツーミラーには大きく重いアンチモンウエイトが組み込まれているので安心。


カワサキ純正ゼッツーミラーが如何にしっかり作られているのか、理解できる画像と言えるだろう。これだけ重いウエイトが内蔵されていれば、ボディのビビリも減るはずだ。Kナナゴーとの相性が気になる。


ミラーボディーのプラスチックカバーは、ピカピカよりもつや消し感がある半艶仕上げの方が似合っていそうだ。デザイン優先でステーの長さを決定したが、この程度の長さで後方視界は確保できそうだ。


キズだらけだったボディは320→600→800番とサンドペーパーで磨いて仕上げてから脱脂し、下地に密着剤を吹き付けてから半艶黒の2液型の缶スプレーを吹き付けて仕上げてみた。いい感じになりました。


「お化粧直しは脚元から」これ重要です!

分解したメインスタンドは、サンドペーパーで足付けしてから、缶スプレーで黒く塗っていました。しかし、仕上がりがやっぱりイマイチでしたので、K100用メインスタンドを代わりに購入。


同じデザインの部品かと思いましたが、微妙に違いました。暫定的にK100メインスタンドを車体に取り付け、取り外したKナナゴー純正メインスタンドは、パウダーコーティングにてバッチリ仕上げて頂きました。



POINT
  • バイクを美しく仕上げるポイント・薄汚く艶が引けていた不人気中古車のKナナゴーを購入して始めたのがこのプロジェクト。全バラにした外装パーツをプロに依頼して仕上げ直したことで、まったく別のモデルかのように美しく輝いている不人気モデルKナナゴー。ペイントには魔力があることを同じように、改めて思い知ることができました。こんなん仕上げ方、楽しいですよ! 

「大」がつくほどの不人気モデルかつ中途半端な外車を購入したワタクシでしたが、ドイツ式カルチャーショックを受けながらも、皆さんから手厚いご協力を賜ることができ「Mラインスポーツ」のイメージで、何とか仕上がりつつあるのが我がKナナゴーS号です。今のとこと、仕上がり85%くらいでしょうか?。もう少しやらなくてはいけない部分、セットアップ精度を高めなくてはいけない箇所がいくつもあります。それは今後の作業で積極的にツメていこうと考えている。

この企画をスタートしたぼくに対して、「そりゃ面白いね。そんな企画、大好きですよ!」とおっしゃってくださる、いわゆる好き者さんが想像以上にいたことには驚きました。不人気モデルだろうが、何であろうが、オーナー自身が納得できるマシン作りやカスタマイズを施せたのなら、それはそれで良いと思います。所詮、カスタム車作りは、世界にたった一人だけのオーナーさんが「自己満足で楽しむもの」だと思います。ただし、おっかない仕様やもの作りは、他人様にご迷惑をかけてしまうケースもありますので、十二分に慎重に作業進行しなくてはいけないですね。


さてさて、仕上げ過程の中で、実はいろいろな出来事がありました。すべてをリポートできている訳ではなく、内容的に忘れてしまったこともありますが、バイク人生初のドイツ車を所有し、初めてDIYメンテナンスでドイツ車を仕上げているのだから、おっかなびっくりだったのは間違いありません。同じヨーロッパ車でも、ドイツとイタリア、さらに英国車となると、もの作りに対する考え方が「こうも違うものなの……」と、正直驚いた場面も数多くありました。しかし、BMWに超詳しいスペシャリストやKシリーズの時代にBMW修理を数多く担当したベテランメカニックの知り合いがいたので、まったくお初だったぼくに対し、いろいろと教えてくださり、悩んだり困ったりしたときには先人の教えに従い、ここまでスムーズに作業進行できています。

ペイントが仕上がり、おおよその組み立てを終えて試運転に出掛けると、いくつかのことに気が付きました。ひとつはメーターの積算ドラムが動いていないこと。走っているときに、アナログメーターの指針は見る機会が多いですが、積算計を見ながら走る機会はまずありません。しばらく走ってきたにもかかわらず、積算計の距離が伸びていないことに気が付きました。インターネットで検索すると、いくつもの事例が出てきました。どうやらカウンターを回す樹脂製ギヤが割れてしまうのが原因。樹脂部品特有の経年劣化で、ギヤの歯がポロポロと欠けてしまうトラブルが、K、シリーズだけではなく同年代のRシリーズでも発生している様子。そこで、ビーエムマイスターの先輩メカニックに尋ねると、社外補修部品の購入先やメーター修理屋さんを教えて下さいました。未経験なのに分解して、どうにもならなくなると代償が高くついてしまいます。ここは、修理屋さんへ作業依頼した方が間違いなく正解でしょう。

純正バックミラーは、ステーが長く突き出ていて「でんでんむし」のようで今ひとつカッコ悪く感じていました。紆余曲折を経た後に、最後はカワサキ純正中古ゼッツーミラーのボディ+自作ステーで後方視界を確保、突き出し量の少ないミラーステーが完成した。 走るのが楽しい季節になったら、まずはショートツーリングから始めて、慣れてきたら日帰りで高速ツーリングにでも出掛けたい気分です~♪

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