
ホンダ4ミニエンジン搭載モデルの中でも、やや異色の存在がシャリィCFシリーズ。ここでは、ボアアップに伴い、市販のビッグキャブではなく、ホンダエイプ100用の純正キャブを取り付けた=押し込んでみたリポートをお届けしよう。
目次
ローダウン化ながらノーマルっぽさを残したシャリィ改を目指す
小型ボディのPW型でも大口径サイズのエイプ100用ならよく走るはず

手元にあった初代エイプ100用純正キャブレターと友人から借用してきたCD90用純正キャブレター。ベンチュリサイズ、タイプともに同じキャブながら、車体構成の違いから細部仕様が異なっていた。同一型式のキャブでも、いろいろと違いがあるのだ。
マニュアルチョークのレバーを改造してワイヤー引き仕様に

チョークバタフライの支持部カバーが出っ張っているため、シャリィのフレーム内に収めることができなかった。そこで、バタフライチョークのシャフトを改造して、ワイヤー操作に対してダイレクトに作動するように改造した。
エイプ100のインレットパイプを改造流用してみた
メンテナンス性はもちろん、セッティングもしやすく大満足!

キャブカバーと言うかフレームカバーと言うか?このカバーには、ATシャリィタイプのダクト付きカスタムパーツを利用した。本来なら平ペッタなカバー形状だが、この若干持ち上がったダクト付きならスペースがある。

狭いフレームの隙間に吸入系パーツがレイアウトされるホンダシャリィCFシリーズ。市販のビッグキャブキットだとキャブボディが飛び出しスロットルケーブルも宙を走り今ひとつな雰囲気だった。そこで、ノーマルのイメージを崩さずパワーアップにチャレンジしてみた。
- ポイント1・うまく行くか?行かないか?が、わからないのもカスタムの楽しさと割り切ってチャレンジ
- ポイント2・ 無理のない改造で楽しく走れるマシン作りを目指そう
ホンダシャリィのカスタムやチューニングの際には、避けて通ることができないキャブレターに関してリポートしよう。カスタムシャリィの多くは、フレームからキャブが飛び出した仕様が多い。タックスやモンキーと違い、シャリィは狭いフレーム内にキャブが収められているため、大きなボディの大口径&高性能キャブをフレーム内に収めることができない。エンジンチューニングにとってキャブは重要だし、特に、4ミニチューニングにビッグキャブは欠かせないアイテムである。しかし、ぼく目指すアダルト仕様のカスタマイズでは、この「飛び出しキャブ」だけは避けたかった……。
そこで注目したのが、CD90やベンリー90、エイプ100に標準装備されているPB18というタイプのキャブレターだった。手元にはエイプ100用パーツがあったので、4ミニ仲間の友人からCD90用を借用し、比較しながら取り付け可能か否かを検討した。どちらを使っても、大改造が必要なことに変わりは無さそうなので、ここでは、エイプ100用をチョイスした。ちなみにトップキャップは、ケーブル金具の曲がりがコンパクトなCD90用を流用した。マニホールドは、キタコからシャリィ用としてPC20対応品があったので、この部品を流用することにした。
しかし、困ったのがバタフライチョークのレイアウトだった。ボディが小さなエイプ100用キャブとはいえ、チョークユニットの幅が広く、とにかくスペースが狭いシャリィのフレーム内には納まらないことが判明。この問題を解決しない限り、先へは進めないし、走ることもできない。そこで、フレームと干渉する樹脂キャップやチョークリンクなどなど、干渉部品を外していったら、チョーク用バタフライシャフトが単品に……。しかも、シャフト自体が長いため、このシステムをコンパクト化するのは少々難しいとわかった。
仕方ありませんので、シャフト長を詰めて、チョークケーブルを引っ掛けるアームをダイレクトにマウントした(ケーブルエンドを引っ掛けるアームは、他モデル用純正キャブからカットして利用)。この改造によってチョークバタフライを作動できるようになったが、吸入負圧の変動によってバタフライが無理なく自然に開く機能が使えなくなり、結果として、ダイレクトチョーク仕様となった。エンジン始動時に微妙なチョーク操作が必要になるが、慣れてしまえば何ら問題は無い。ケーブルをマウントするサポートブラケットは、シャリィ用純正キャブ用の金具を改造&流用することができた。エイプ100用純正キャブを装着したことで、88ccにボアアップしたエンジンでも、スムーズかつ力強い走りを楽しめる仕様になり、大満足の結果を得ることができた。
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