
バイクいじり好き=サンデーメカニックにとって、ちょっとした部品のDIYペイントは日常茶飯事だろう。
常に、汚れが付着しやすく、油が飛び散るような、足周り部品やエンジン下周り部品こそ、 お気楽な気分でDIYペイントを楽しみたいものだ。そんなペイント時に、ちょっとした心遣いで仕上がりが一気に良くなるのが、ここに紹介する簡易テントブースを使ったペイントである。
一度でもその好環境を知ると、次はアレも、コレも塗りたい!! なんて想いになりますよ。
目次
イベントやキャンプの時に使う、折りたたみ式「タープテント」が素晴らしい
ここで利用したタープテントは、「たたみ2畳=1坪」サイズのもっとも小型なタイプ。イベント時の受付用とした購入したもので、数年前に購入した当時は1万数千円だった。このサイズがもっとも使いやすい!!
「コロナマスカー」はホームセンターで購入
台所の換気扇掃除やエアコン室内機の掃除の際に使う「コロナマスカー」と呼ばれる養生用シート。ペイントのプロは、各種パーツのマスキング養生用に利用することが多いが、このコロナマスカーを外気との仕切りに使うのだ。強風時の作業はお勧めしません=できませんよ。
「たたみ二畳サイズ」のタープテントを利用
薄っぺらなコロナマスカーなので、風のある日や大雨の日には利用できないが、通常の無風日には「ペイント空間作り」に威力を発揮する。しかも静電気で空気中を漂うチリやペイントミストを引き寄せる効果も期待できる。
ディープなサンメカさんは自家塗装を行う機会が多い。日常的にペイント実践するのなら、S字金具を使って半透明の作業シートをフレームに吊るのがお勧め。ブルーやグリーンのビニールシートはペイント作業に不向き。色が反射してペイントに集中できなくなってしまう。
- ポイント1・折りたたみ式の簡易テント=タープテントの2×2mサイズがおすすめ。
- ポイント2・コロナマスカーは柱にマスキングテープで固定。
- ポイント3・風がある日や天候が悪い日は作業をあきらめよう。
- ポイント4・作業用シートを利用する際には半透明をチョイス。色つきはペイント時に眼がチラつき作業しにくくなる。
「失敗」という言葉と表裏一体なのがDIYペイントの世界。作業難度の高さから、ペイントはすべて「プロに依頼している」というユーザーは多い。その一方で、とにかく自分自身の手でペイントする=DIY派が多いのも、また事実と言えるだろう。
DIY派にお話を伺うと、やっぱりそこには数々のアイデアがある。そんな中でも、数多くのDIYペインターが口を揃えるのが「ペイント環境」の大切さだ。プロフェッショナルではないので、ペイントプースで塗るなんて夢物語。小型部品はダンボール箱を切り抜いた自作ペイントブースを作って作業する例も多い。プラモデルの世界でも、市販ペイントブース(ダンボール製)があるのだ。小物部品のペイントには、こんなプラモデル用ペイントブースも利用することができる。
ここでは、エンジンの下側、クランクケースの底に取り付けるオイルパンを黒塗りしてみた。ペイントブースに利用したのは、イベント時やキャンプのBBQ時などに雨除けとして利用される簡易テント=タープテントと呼ばれる商品だ。サイズは2×2mで、安価なものなら数千円。アウトドア系のブランド品なら数万円の商品レンジである。今回はイベント時用に購入したタープテントを利用してみた。
風がない日の作業に限られるが、このタープテントの柱に「コロナマスカー」と呼ばれる塗装養生用のマスキングシートを貼り付けることで、外気との仕切りを作ることができる。薄いビニール製のため、静電気が起きやすいが、逆に、この静電気が空気中のチリやペイントミストを引き寄せる効果もある。コロナマスカーを貼り巡らせて段取りができたら、ジョウロで地面に散水し、ホコリが舞い上がるのを避けよう。また、S字金具や太めの針金を使って部品を吊り下ることで、様々な角度から吹き付け作業ができるようになる。
アクリルラッカーの缶スプレーは、耐ガソリン性や耐溶剤性に適していない。耐久性の高いペイントを望むときには、イサムエアーゾールの「2液エアーウレタンスプレー」を利用するのがお勧めだ。かなり高品位なウレタンペイント塗装が可能になる。完全硬化後には耐ガソリン性も良好になるので、ガソリンタンクのペイントにも向いている。加熱乾燥で塗膜硬度は高まるが、時間を掛けて自然乾燥すれば、十分な塗膜硬度や耐ガソリン性を得られる。
エンジン部品へのペイントは、耐ガソリン性や耐溶剤性に適した耐熱塗料が最適だが(しっかり焼き付け乾燥させなくてはいけない)、マフラーのように高温にならないエンジン部品へのペイント、例えば、ブラックやシルバーなら、この2液エアーウレタンペイントが特にお勧めだ。自然乾燥でも十分な強度や良好な耐ガソリン性を得られる。
2液ウレタン塗装が可能なイサムの缶スプレー!!
ホームセンターでも購入できるイサムエアーゾール製「2液エアーウレタン」缶スプレー。缶の中に硬化剤が入った別室があり、作業前にノズルトリガーを「ブシュッ!!」と押し込み缶内の硬化剤室に穴を開け、その後、しっかり振って塗料と硬化剤を混ぜてから吹き付け作業する。1液のラッカースプレーとは異なり、1回使い切りなので(塗料硬化が促進するため)、作業段取をしっかり進めてから、吹き付け作業を開始しよう。
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