
経年変化や劣化によって、日に日に白らっちゃけ、薄汚くなってしまうのが、素材色を生かした樹脂製部品である。特に、黒色樹脂部品の劣化は気になるもの。「臭いものには蓋!?」的発想ながら、実は、そんな仕上げでも良い結果を得られるのが、デイトナのPP樹脂ブラックだ。是非、その実力を垣間見てほしい。
黒樹脂部品が多いミニバイクや原付スクーター

ここでペイントしたドライブチェーンケースは1970年代前半のミニバイクブームをけん引したヤマハチャピィ用純正部品。車体は磨き仕上げによって驚きの輝きを復活できた。しかし、横から見て存在感があるチェーンケースが、車体の輝きをスポイルしてしまうことになった……。
劣化した地肌を洗浄してから吹き付けよう!

素材色の黒色樹脂製外装部品へのペイント用として開発されたのが、このPP樹脂ブラックスプレー。ABSやPE樹脂だけではなく、一般のペイントではハジキやすく剥がれやすいPP樹脂へのペイントが可能。とにかく密着性が高い商品のようだ。
部品の磨き込みでもペイントでも、肝心な実作業へ入る前には、大切な段取りをしっかり踏んでから作業へ取り掛からなくてはいけない。慌てて作業進行し、キズを消し切れなかったり、油分が落ち切れていないことからペイントを弾いてしまったりなどなど。結果的には「一からやり直し……」なんてことになってしまうケースもある。特に、ペイント弾きは、リカバーが大変なので、しっかり前工程を終えてから、吹き付け作業へ入ろう。
「中性洗剤」を使って「ぬるま湯」洗浄で決まり!!

エアーゾール缶をしっかり振って、よく混ぜたPP樹脂ブラックスプレーをチェーンケースへ吹きつけよう。一気に厚塗りするのではなく、薄く塗り重ねるのが良い。寒い日に作業する際は、ペイント表面の落ち着きを待ってから塗り重ねよう。ハンディヒーターやヘアードライヤーで軽く温めながら乾燥させても良い。
- ポイント1・ペイント前に部品地肌をしっかり洗浄して汚れを落とそう
- ポイント2・吹き付け作業は簡単だからこそ「段取り」を重視しよう
1970年代以降、外装部品の多くがスチール製から樹脂製部品へ代わり、その樹脂マテリアルに関しても、当初はABS製樹脂が多かったが、近年では、使用途に応じて、PE樹脂やPP樹脂などが使い分けられている。そんな樹脂部品の中でも、ペイント仕上げではなく「樹脂の素材色を生かした仕上がり」の部品は、経年変化や劣化によって、例えば表面の黒色が白濁したり、青っぽく変色したりなど、汚らしくなっているケースが多い。そのような、白化した樹脂部品でも、新車時や新品部品を思い出すかのような質感に復活させてくれるのが、デイトナが取り扱うPP樹脂ブラックスプレーである。
最大の特徴は、樹脂マテリアルの中でも塗装が剥がれやすいPP樹脂に対して、直接ペイントできる点にある。仕上がり色は、ツヤ無しブラックと表記されるが、まったくツヤが無い木炭のような仕上がりではなく、若干ながら光を反射する半ツヤ(とはいっても1分ツヤ程度)な仕上がりになるのが特徴だ。樹脂表面のデザインである「シボ」と呼ばれる質感を損なわずに、薄くペイントでき、しかも密着力が良いのが大きな特徴でもある。アクリル合成樹脂塗料のため、耐ガソリン性や耐溶剤性ペイントではないが、お気楽かつお手軽に化粧直しできるスプレーとして、樹脂部品の白化が気になる方にはお勧めしたいスプレーである。
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