HONDA Trail CT110(型式CT110B)1981年型のセミレストア物語 Vol.07

バイク仲間からの依頼でセミレストアを楽しませて頂いている、通称ハンターカブこと国内仕様のホンダトレールCT110。全体的なヤレ感が強く薄汚れた印象なので、車体を分解して部品単位で磨き上げ、その後に組み立て直すことで、バイクをキレイに仕上げようと考えた。そもそもヤレ感が激しいので、磨き込みだけではどうにもならない。そこで、タッチアップ+クロームメッキ部品をほぼすべて「半ツヤ黒色」に塗り替えることで、ノーマルフォルムながら、ひと味違った印象に仕上げてみようと思います。

前回

クロームロッキの輝きは引けサビも多かったので……

マフラープロテクターのクロームメッキ仕上げは、美しく輝いていたのでそのまま残した。これは、車体が仕上がった時のアイコンとして「アップマフラーのイメージ」を強調できると考えたからだ。その他のクロームメッキ部品は、以前のリポート通り、ほぼすべてを半ツヤ黒色仕上げのパウダーコートで依頼した。特に、メッキの輝きが目立つリヤキャリヤやダウンチューブフレーム+エンジンガード、前後鉄リムが半ツヤ黒色仕上げになると、それはもうガラッと雰囲気が一新する印象に!? 前後リムが半ツヤ黒色になると、前後ハブやブレーキパネルも同色の方が良い雰囲気なるのではと思い、他の依頼部品と同時に仕上げていただいた。強靭なパウダーコート仕上げなら、塗膜の持ちが良く長年楽しめるはずだ。

スポーク組み換え時のお約束は「かじり防止」

今回のスポーク張り替えはショップへ依頼したが、DIY実践でスポーク組を楽しむサンデーメカニックも数多い。ここでは、市販のステンレススポークをチョイスしたが、ステンレス製でも鉄製スポークでも、ニップルのネジ部分がカジリ気味になると回転が渋くなり、調整しにくい現象が起こってしまう。そこで、組み立て前にはスポーク側のネジ部分にカジリ防止を目的にしたモリブデンスプレーを吹き付けると良い。DIYでスポーク張り替えする際にも、このような段取りがスムーズな作業を支えてくれるのだ。

半ツヤ黒色ペイントで前後ホイールは様変わり

半ツヤ黒色のブラックリム+同色のブレーキパネル&ブレーキハブが新品スポークで組み立てられると、ノーマルとは明らかに異なる「締まり」が出る。同じペイントの中でも特に強靭かつ密着力が高いパウダーコート仕上げなので、スポーク張りを行っても塗膜がポロポロと落ちるようなことが無い。雰囲気的にはCT125ハンターカブの純正仕様に似ているが、前後ブレーキがドラム式なので、CT125以上に半ツヤ黒色感が強調される雰囲気に仕上がりそうだ。旧前後ホイールは分解する前に、リムに歪みが無いことを必ず確認しよう。曲がっているリムを美しくペイントしたところで、後々の芯出し振れ取り作業ができないからだ。また、このスポーク張り替え時に、ブラックアルマイト仕上げで軽量なアルミリムへの交換も考えたが、それはアップデート時のお楽しみにした。前後アルミリムなら、ゴージャスな雰囲気に仕上がると思う。

タイヤは迷わずIRC製のトレールタイヤ

CT125ハンターカブユーザーのあいだでもリプレイスタイヤとして大人気なのがIRC製GP-22。サイズは前後タイヤともに80/90-17をチョイスした。クロスカブ110やCT125の純正標準装着されるタイヤ(GP-5)よりも、オフロード性能を高め、舗装路・未舗装路どちらでも高い走行性能を実現できる人気のリプレイスタイヤだ。キャンプやツーリング、林道ツーリングを楽しむユーザーはもちろん、カスタムパーツとしても最適だとメーカーも推奨している。これで前後ホイールが仕上がった!!

POINT

  • スーパーカブ×メンテの世界・フルレストアではなく「セミレストア的に仕上げよう」と考えた理由は、長年乗り続けられてきた雰囲気とノーマル的なデザインフォルムを残したいとのオーダーがあったから。ベースマシンのコンディションが良ければ、磨き込み仕上げだけでも相当に美しくなると思うが、輝きが落ちてサビも目立つクロームメッキ部品を敢えてペイント仕上げにすることで、こうも変わる実例にしたいとも考えた。

車体部品を分解したときに、前後ホイールから旧タイヤを取り外したときに、ホイールバランサーを使って前後リムの振れや歪みを確認した。調整によって修正可能な振れや歪みならまったく問題ないが、過去の転倒によって大きく歪んだリムの場合は、再利用できないからだ。車体部品を分解する当初から、輝きが無いクロームメッキ部品はペイント仕上げにしようと考えていた。通常のフルレストアなら、迷うことなくクロームメッキ部品は再クロームメッキに依頼するが、正直なお話し、再クロームメッキのコストは高額だ。そんな現実とペイント仕上げを比較すると、ペイント仕上げの方がリーズナブルに仕上げられるのと同時に、オリジナリティがあるカスタマイズを楽しめると考えた。個人的にも「半ツヤ黒色」仕上げは落ち着きがあり、どんな色とも組み合わせ的な相性が良いと思うので、迷うことなくカラーチョイスした。

思い通りのイメージに仕上がった前後リムとブレーキハブ+ブレーキパネル。ペイント依頼前には、前後ハブからホイールベアリングとディスタンスカラーを抜き取っていたので、前後ベアリングは新品部品へ交換。ベアリングとディスタンスカラーを組み込んだ前後ハブとリムをショップへ持ち込み、新品スポークへの張り込みを依頼した。

組み立て完成した前後ホイールはまさにイメージ通り!!フルレストアでピカピカに輝くクロームメッキの鉄リムも魅力的だが、締まった印象が強い半ツヤ黒色で仕上がった前後ホイールは想像以上に美しい。ホイールが回転しているときにキラキラ輝く新品スポークとの組み合わせもお気に入りである。

そんな前後ホイールには、IRCタイヤのGP-22を組み合わせた。新品タイヤだけではなく、見えない部分で重要な役割を果たすタイヤチューブやリムバンドも新品部品へ交換した。組み込み作業はDIYで行ったが、失敗するとパンクさせてしまうことになるので、作業にあたっては細心の注意が必要だ。ぼく自身、過去に何度も新品タイヤチューブの組み込む時にパンクさせてしまった経験がある。

失敗しないための策として、段取りしておきたいのは、
新品タイヤチューブが自立する程度にエアーを入れ、タイヤレバーがチューブに触れても滑りが良くなるようにシリコンスプレーを吹き付けて、ウエスでしっかり拭き上げておく。
タイヤビードのリム当たり面と内径部分には、タイヤクリーム(ビードワックス)をしっかり塗布する。石鹸水を霧吹きすることでも滑りは良くなるが、リム内に入り込んだ石鹸水が原因で、サビが発生してしまうこともあるので注意が必要だ。それと比べてタイヤクリームやビードワックスなら安心だ。
タイヤビード側たけではなく、リム側のビード部やリムエッジにもタイヤクリームやビードワックスをしっかり塗布する。

実作業にあたっては、可能な限り両手の力でタイヤを押し付け、はめ込むように心掛けよう。柔らかいタイヤは作業性が良いので、組み込み前の新品タイヤは、天日に十分当てて温めよう。真冬でも天日のチカラは絶大だ。

仕上げ作業とも言える、タイヤの組み込み時に失敗すると意気消沈してしまう。特に、チューブタイヤの場合は、慎重の上に慎重を重ねて、パンクさせてしまわないように作業進行しよう。

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