BMW K75S 1987


Mライン」グラフィックにすれば、不人気BMWでも精悍かつスポーティな雰囲気になるはず!!そんな思い込みだけでカラーリングイメージは決定した。ガレージで分解した外装パーツをドリーム商會へ預け、しばらくすると「パールホワイトに塗りますよ」とのご連絡を頂いた。その数日後に車両を持ち込み、グラフィックイメージを決定することになった。


前回

面倒なリクエストに応えて頂きました




埼玉県寄居町にあるドリーム商會さんの工房内へ、特別に車両を持ち込ませて頂くことができた。外装パーツを仮固定した状態で「Mライン」グラフィックのマスキングに取り掛かるのだ。この外装フィットを終えたら、車体はガレージへ持ち帰り、今度は仕上がり済みの黒色インナーパーツの取り付け開始。最終決定したグラフィックデータを再確認しながら、マスキングは手際良く進められていった。パールホワイトとはいえ、真っ白な外装だと、雰囲気がまるで違って見えてしまうものだ。グラフィックの位置関係を決定する時には、左右を一致させないとカッコ悪い。様々な角度からグラフィックを見比べながら作業進行。


様々な種類があるパールホワイト 


パールホワイトと言っても数多くの種類があり、色味によっては「Mライン」とアンマッチなケースもあるらしい。ドリーム商會小島さんから「パールの色味はどうしますか?」との問い合わせがあり、お話を伺った後に、オススメのパール色(四輪BMWを参考にしていただいた)で、お願いすることにした。


キャンディカラーで透かしのMラインに!!



外装パーツのパールホワイトと同時に、色確認用のテストピースにもパールホワイトを塗り、3色のMラインの発色確認を行ってくださった。メーカーの場合は、量産性を考えると3色塗り分けではなく、おそらく「両外2色+真ん中は重ね塗り」ではないかと想像した。そこで、キャンディブルーとキャンディレッドを調色していただき、それぞれの塗り重ねを試し吹きしたいただいた。


クリアコート仕上げでさらに高品位な仕上がりに

まずはキャンディレッドを吹いてから、次にキャンディブルーを吹くパターン。逆に、キャンディブルーを吹いてから、後にキャンディレッドを吹くパターンの2種類をテスト。中央の重なる部分は吹き付け順序で発色が異なる。仕上がり具合を見て「このパターンにしましょう!!」と決定。その塗り分けでマスキングを施し、3色カラーを重ね塗りした。乾燥後にグラフィックエッジのバリを除去し、クリアコーティングで本仕上げに入った。


ペイント仕上げはポリッシングで決まる

「M」ライン的な部品はフロントサイドカウルの左右両面、ガソリンタンク、サイドカバー左右、テールカウルの6部品。パールホワイト単色の部品は、2分割のフロントフェンダー、フロントカウルの正面、カウルステーカバー、ラジエターシュラウドの5点になる。さらにインナーの黒部品を合わせると相当数のペイントパーツ!! ポリッシュ仕上げは、小島さんが行って下さった。


エンブレムが付くとイメージが冴える!!


ガレージで各部品を確認しながら、半ツヤ黒のインナー、パール外装をすべて組み込み、最後の仕上げに、BMWのアイデンティティでもある丸エンブレム貼り付けた。まさに「ダルマの眼入れ」のために、ドリーム商會へ再度バイクを持ち込ませていただいた。エンブレムはマスキングテープで仮レイアウトしてから、さらにテープに合わせて再度貼り込むといった凝った方法。作業進行を見ていれば「なるほど!!」と頷ける。BMWのスポーツモデルといえば、この「M」エンブレムで決まると言っても過言ではない。4輪用「M」エンブレムには様々な大きさがあり、社外部品のこのサイズを購入。しかし、テールカウル後端面の幅に対してギリギリで、貼ることはできるがサイズが大き過ぎたので脚下。


撮影協力/ドリーム商會 http://dream-shoukai.jp/



POINT
  • バイクを美しく仕上げるポイント・中古車の程度=コンディションによってすべてが変わってしまうかも知れないが、購入時に隅々まで覗き込むと「これならカラーリングだけで様変わりするかも!?」と思えたのが、この不人気BMWだった。事実、カラーリングだけで様変わりしそうな雰囲気だ。

「パールの色味はどのようにしますか?」とのご連絡をペイント担当のドリーム商會さんから頂いた時に、難しく考えずに、パールホワイトと言えば「ヤマハRZ250初期型のパールかな?」などとお話した。すると「初期型RZのパールホワイトは、黄色味が強い調色になります。それにMラインの3色を組み合わせると、ラインのシャープさが活きてこないと思いますよ」と小島さん。

確かに最近のBMWは、バイクにもMライン的カラーリングモデルが存在する。例えば「Rナインティ」などがそれだが、パールホワイトは黄色味系ではなく、ややクールな印象に見える。小島さんも「ラインを活かすカラーリングなら、やや青みがある、冴えたパールホワイトの方が、シャープに見えますね」とお話しして下さった。そんな状況を知れば、色に詳しいプロペインターに従うのが間違いなく正解だ。そこで、ベース色となるパールホワイトは、やや青みがかった冴えのある色味にしていただいた。


Mラインは、キャンディレッドとキャンディブルーの組み合わせで、パールホワイト地のペイント撮影時に、調色して頂けた。以下の記述は、あくまでぼく的な考えであることをご理解ください。。仮に、3色ラインのグラフィックを「量産の現場で塗り分けるのは大変な作業」だと考えられる。おそらく「中央の1色は、塗り重ねによるものだろう」とぼくは推測した。それが正しいのかどうかは、正直わかりません。そんな妄想のもと、ぼくのKナナゴーは「重ね塗り」で中央の1色を決めて頂くことにした。

そうなると、残すは「赤⇒青」、それとも「青⇒赤」の順の、どちらで塗り重ねるかになる。下地が透けて見えるキャンディレッドとブルーを利用するのだが、塗り重ね順によっても、仕上がりの印象=に見た目に違いが出るはずだ。テストピースで試した結果、「赤⇒青」の順になった。最初にキャンディレッドを塗って乾燥後に、キャンディブルーを塗って仕上げていただいた。見た目の印象としては、その順序の方が、真ん中の色味が落ち着いた発色になるような印象だった。



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