
文/Webikeスタッフ:nemo-T
危険が危ない
いよいよバイクシーズン解禁!
今年はコロナの影響で、シーズンインが遅れた分、愛車を寝かせる期間が長かった!という人も多いのでは?
僕も年末に壊したエンジンを、そのままスヤっと寝かせてます。
そうなると気になるのがバッテリーの状態。この時期充電やバッテリー交換をするライダーも多いと思いますが、その前にちょっと知っておきたいバッテリーの取り扱い方法のお話です!
何気なく扱っているバッテリーですが、使い方を誤ると思わぬ大事故につながりかねない危険性も持っているのです!
目次
プラスとマイナスは絶対に気を付けよう
乾電池にプラスマイナスの向きがあるように、バイク用のバッテリーにもプラスとマイナス端子の2種類があります。
もしも、逆に接続した場合、電気が逆方向に流れるので、電装系を破壊したり、構造上は車両火災につながります。
ただ、そういった事故を防ぐためにもヒューズが備わっているので、実際にはヒューズが切れることで事なきを得るケースがほとんどです。
プラスマイナスの見分け方
車両に接続されている状態のバッテリーには、プラス端子に赤いカバーがついていることがほとんどです。
バッテリー側の見分け方は多くの場合、本体側にわかりやすく+と-が記載されています。また、端子カバーと同じく、赤い目印がついているものもあります。
いずれにしても赤はプラス、黒はマイナスと覚えるとわかりやすいです。
充電や交換など、バッテリー端子を外してつける際に必ず触れる部分なので気をつけましょう。
マイナスから外し、プラスから取り付ける
バッテリーから端子を取り外す際に、気を付けるのはその順番です。
端子を取り外す時は必ずマイナス端子から外します。プラスから外すとショートにつながってしまうので注意しましょう。
端子を取り付ける際には、反対にプラス端子から取り付けます。
順番が定められている理由はマイナス端子が車体側につながっており、アースの役割をしているからです。
もしも、付け外しの順番が逆になると、工具など金属がボディに接触した際にショートしてしまい、最悪の場合バッテリーの爆発などの事故につながります。
マイナスから外し、プラスから取り付ける。必ず守りましょう
充電で気を付けるべきこと
充電器はバッテリーに適合した物を使う
充電する時に使用する充電器は、必ずバッテリーに適合するものを使用します。
バイクのバッテリーは主に鉛系のMF(メンテナンスフリー)型、開放型、リチウム系のリチウムイオンバッテリーに分けられます。
リチウムバッテリーの場合はメーカーごとに専用の充電器を使用する場合がほとんどです。必ずブランド指定の充電器を使用しましょう。
もしも、対応しない充電器を使用した場合、充電できないばかりか、バッテリーの爆発などの事故につながります。
充電は風通しのいい場所で
バッテリーの充電中はガスが発生するってご存知ですか?
バッテリーは化学反応によって電気の充電をしますがその際、水が分解されて水素ガスが発生するので、換気が必要というわけです。
開放型バッテリーはこの水素ガスを逃がすための通気口と、化学反応で減った精製水を補充するための注入口があります。
一方MF型はガスの発生を抑えるため電極にカルシウム鉛合金を使用しており、密閉形状になっているため水素ガスの発生量は少なくなっています。
いずれの場合も、水素ガスには爆発の危険があるので、風通しのいい場所で充電するようにしましょう。
過充電には注意が必要
もしも、過充電に至ってしまうと、バッテリー液の減少や寿命の短縮につながります。
過充電は充電器を使用した場合のほかに、車両からの充電時に起きる可能性があります。
開放型バッテリーで適切にバッテリーを扱っているにも関わらず、液の減りが早い場合は車両側の充電機構の故障で過充電になっている可能性があります。その場合は修理が必要です
ちなみに、近年販売されているバッテリー充電器は、過充電防止機能がついているものがほとんどです。
本当は怖いバッテリー液
注入量は適量を厳守
バッテリー液を注入する際は必ず適量を守りましょう。
バッテリー本体に記載されている最高液面を超えないようにかつ、最低液面を超えるように入れる必要があります。
もしも上限を超えたまま使用した場合、バッテリー液が走行中に漏れだすことによって、車両の腐食につながります。
バッテリーは横に倒すな
バッテリーが発電する際に使用するバッテリー液。これは希硫酸を使用しています。
希硫酸は、それ自体に爆発性、引火性はありません。しかし、バッテリー充電の際に、金属と化学反応を起こすことで爆発の危険がある水素ガスが発生します。
金属と反応するということは、バッテリー外で金属と接触した際にも同様の反応が起きます。
注意したいのが、保管中です。
バッテリーを横倒しにして保管した場合、そこから液が漏れだし、水素ガス発生や火災、錆びの原因となることがあります。
持ち運びや保管時は絶対に横倒しにしないようにしましょう。
万が一バッテリー液が漏れたら
もしも、バッテリー液が漏れた場合、素手で触れることは絶対禁止です。
希硫酸は酸性の液体で、皮膚に付着した場合は炎症を起こします。もしも皮膚についた場合は、多量の水で洗い流し、炭酸水素ナトリウム水溶液で中和させて洗い流す必要があります。
また目に入ってしまうと、最悪の場合失明に至ります。直ちに多量の水で洗い流し医師の診察を受けましょう。
液漏れが発生した場合は、自分で対処しようとせず、バイクショップなどに相談するとよいでしょう。
現在では、毒物及び劇物取締法の影響で触れることが少ない希硫酸ですが、バッテリーを扱う際は頭の片隅に置いておきましょう。
バッテリーは正しい取り扱い方法で
何気なく扱っているバッテリーですが、構造上、誤った使用方法で扱うと重大な事故につながる危険性を秘めています。
もちろんその分安全対策が講じられているので、実際のところは、安心して扱うことができます。
しかし、安全な扱い方を知っておくに越したことはありません。安全なバイクライフを送るためにも、正しい扱い方を覚えておきましょう。
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