
シリコンと一言にいっても様々な種類がある事に気付かれていない、
関心が無い事が多いのではないでしょうか?
適材適所のシリコン製品を使えばより良い結果が得られる事が多いです。
実はそんな製品にもシリコンが?という事もあると思います。
今回はそんなどの場所にどのシリコンが適しているか?探ってみたいとおもいます。
目次
シリコンはわりと万能
バイクの整備に使うケミカル用品の中では素材を気にしないで使い易いのがシリコンです。
無溶剤であれば食品を扱う機械に使う事もできる製品まであります。
このように食品を扱う機械にも使用できる事が明記されている製品もあります
溶剤が入った製品であれば溶かす事が前提として入るので、使う対象の素材を気にする必要が出てきます。
当然ながら人体への影響もゼロではありません…
しかしシリコンは非常に汎用性が高く、様々な製品に気付くと入っている事が多いです。
シャンプーにも入っている事がありますね…
プラスチック、ゴムなどに使用する事が多い
シリコンのいちばん効果的な使い方はプラスチック素材とゴム素材に対しての使用です。
プラスチック外装やパーツはもちろん、シール類のゴムパーツなどの当たりをよくするためにも使います。
バイクで使われるシール類のゴムにはニトリルゴムが多いのですが、そういったゴムには耐油性があるので、
前述の無溶剤のシリコンオイルでもいいのですが、あえて石油溶剤が入ったシリコンオイルを使う事もあります。
製品によっては無溶剤の物でも適度な濃さがあるシリコンオイルがあるので、
心配な場合は高価な無溶剤シリコンスプレーを使う事をオススメします。
金属部分のツヤ出しにも効果的!
シリコンは金属部分のツヤ出しにも効果的です。
例えばハンドル周りやフレーム、ホイールなどには効果的です。
金属部分のツヤ出しには溶剤入りのシリコンスプレーを使うと強く効果が出易いです。
無溶剤の製品でもシリコンが濃い物であれば強くツヤが出ます。
ただ、汚れを取りながらツヤを出したい場合は溶剤入りの製品を使うと手間が省けます。
そしてシリコンで拭くと汚れが付き辛くなります。
とくにフェンダーの裏側、ホイール部分、スイングアーム、アンダーフレームなどで効果を感じ易いです。
熱がある部分に使うシリコンも
エンジンやマフラーなど、高温になる部分に使う耐熱のシリコン製品もあります。
通常のシリコンでもある程度は平気ですが、熱に強いシリコンオイルを使う方が適切です
いわゆる「耐熱ワックス」などと書かれている製品には熱に強いシリコンが使われています。
汚れを取るために溶剤入りですが非常に熱に強く、汚れにくいです。
高温部分に通常のシリコンは使いません。
使えない事もないのですが、シリコンの種類の中では想定されている温度区分があるため、おススメはしません。
塗装面のツヤ出しに使われる事も多い
以前は塗装面にカルナバロウを使う事が多かったのですが、最近はケイ素系コーティング剤が多くなりました。
その中でシリコンレジンを入れている製品もあり、シリコンを塗装面に使う事があります。
ポリマーコーティングの製品には使われている事が多いです。
ケミカル用品の成分表を見てみるとある程度は効果がどう出るのか?推測する事もできます
シリコンレジンが入っている場合、プラスチック外装、無塗装な物でもツヤが出せます。
製品の成分表をよく見てみましょう。
ケイ素系コーティング剤にはプラスチックにも使用ができると謳う製品は多いのですが、
あくまで溶剤が汚れを取ってくれるだけという事が多く、ツヤまで出せる製品は少ないです。
逆にツヤ消し塗装の場合にはツヤが出てしまう事があるので、成分表をよく確認してから使用をするようにしましょう。
よく判らなくて不安なら安い製品でもOK!
使い方がよく判らないし不安でお金も出したくないという事であれば、まずは数百円程度のシリコンスプレーで様子をみる事ができます。
シリコンはピンからキリまで非常に多くの製品がありますので、まずはホームセンターなどに行ってみてください。
ホームセンターでよく見かけるケミカル用品の棚には一面が赤い事が多いですね…
今回はメカ部分に使う事は前提としていませんので、とりあえず使用感がわかるだけでもいいとおもいます。
バイクいじりの入門としてはシリコンスプレーは真っ先に挙がる物ですのでたくさんの製品があります。
手に入れて使ってみよう!
まず一番無難なシリコン製品といえば溶剤が入っていない、無溶剤のシリコンスプレーです。
ここは確認されてみる事をオススメします。
無溶剤と記載されている物をを選んでみてください。
無溶剤という表記はわりと見かける事が多いので、注意してみてください
同時にペーパーウエスもあると便利
布などを使ってもいいのですが、ポピュラーな使い方としてはペーパーウエスで塗布していきます。
筒状のキッチンペーパーの様なものが売られているのを最近は見かけるようになりました
ケミカル用品はそれぞれの使用目的によって使うウエスを変える事が基本なので、
ペーパーウエスを使いまわすような事は避けてください。
もったいないと感じてしまうかもしれませんが、
使用目的によって変えなければ想定外の結果になってしまう事はよくある事です。
シリコンスプレーをウエスにとってみる
四つ折り程度にしたペーパーウエスにシリコンスプレーを吹いて油分を含ませます。
そのウエスに含ませたシリコンオイルを使って拭くだけでも効果は出ます。
もちろん直接吹いてもいいのですが、どういった効果が出るのか?不安な場合、ウエスに吹いてから使う事で様子をみます。
これはシリコンに限らず、どのケミカル用品でも使えるやり方です。
まずはプラスチックパーツなどを拭いてみる
シリコンの効果がいちばん判り易いのがプラスチックやゴムなどです。
ウインカーの裏とか、ナンバープレートベースの裏側などで様子を見てみてもいいとおもいます
シリコンには濃度などがあり、ツヤの出方も変わります。
不安な場合は目立たない部分でどの程度効果が出るのか?様子をみてみてもいいです。
金属部分のツヤ出しもしてみる
例えば金属のフレーム、下回りなどにも使えます。
アンダーフレームは走行中に泥や水などを受けやすい個所なので、効果も判り易いです
走行をしていると汚れが付き易い場所でもあるので、シリコンオイルで拭いておくことで汚れが付き辛くなります。
ちなみに金属部分には溶剤入りのシリコンオイルが効果的です。
と同時に、溶剤で汚れも落とし易くなるので汚れ落としとツヤ出しができます。
ホイールの汚れ落としとツヤ出しにも効果的!
ホイールの塗装が艶消しの場合には使えませんが、ツヤがある塗装などにはシリコンオイルで拭いておくと
ツヤが出るのはもちろん、汚れも付き辛くなり、汚れても汚れを落とし易くなります。
ホイールも走行中の泥や水はもちろん、ブレーキダストやチェーンルブなどが散る事が多いので汚れ易い個所です
ホイールにも溶剤入りのシリコンオイルは効果が出易いです。
ただ、塗装が弱い場合などには塗装を溶かしてしまう可能性もゼロではないので、使う場合は様子をみながら使ってください。
あと、足回りにシリコンスプレーを使う場合はブレーキ類にかからないように注意しましょう。
基本的にはウエスにシリコンオイルを取ってから拭くようにしてください。
タイヤハウス、フェンダー裏の汚れ防止にも効果的!
ロードバイクの場合は主にリアフェンダー内をシリコンで拭く事で汚れが付き辛くなり、ツヤも出ます。
リアフェンダー内は比較的手が入り易いと思うので、シリコンスプレーで拭いておくと汚れが付き辛くなります
オフロードバイクではよくやる作業になるかもしれませんが、シリコンオイルで拭いておくと汚れが付き辛くなります。
汚れてしまった場合でも軽く拭くだけで汚れが取れ易くなります。
この部分はタイヤが近いのでタイヤにシリコンオイルが付着しないように注意してください。
不安な場合はウエスにシリコンスプレーを吹いてシリコンオイルを取ってから拭いてみてください。
エンジン周りには耐熱ワックスで
商品名としては『耐熱ワックス』と書かれている物がいくつか存在していますが、
溶剤入りの耐熱シリコンオイルである事が多いです。
スチールエキパイで塗装されている物は高温で白く色が抜けてしまい易いので、必ず耐熱ワックスでコーティングをしておきましょう
高温になると思われる部分には耐熱ワックスを使います。
溶剤が入っている事が多いので汚れも同時に落とし易く、スチールのエキパイなどにも効果的です。
とくに塗装されているスチールエキパイは熱によって退色するので、耐熱シリコンを使う事で防ぐ事ができます。
ラジエターホースには無溶剤のシリコンオイルで
ラジエターホースは経年劣化しますが、シリコンオイルで拭いておくと長持ちし易いです。
内部からの腐食は防げませんが、外部要因でのヒビ割れなどはシリコンを使う事で防ぎ易いです
この場合は必ず無溶剤のシリコンスプレーを使ってください。
エンジン周りにラジエターホースがある事が多いので耐熱ワックスで一緒に拭いてしまいそうになりますが、
ラジエターホースだけは無溶剤のシリコンオイルで拭いてください。
【番外編】サスペンションのインナーチューブに…
サスペンションのインナーチューブ、インナーロッドは本来、乾拭きが推奨されています。
ですが、とくにバイクを野外保管で維持しているとどうしてもサビ易い状況になります。
そこでシリコンオイルで軽く拭いておくと強い効果は期待できませんが、サビを少し防げるようになります。
水分とダストの付着を防ぐとともに、ダストシールの硬化を防ぐ事で長持ちさせ易くなります
とくにダストシールの硬化を防げるので、経年劣化などによるヒビ割れがし辛くなります。
本来ダストシールは消耗品なので硬化してヒビ割れが起きたら交換をするべきなのですが、
シリコンオイルで柔軟性を保っておく事で長く使えます。
この部分には必ず無溶剤のシリコンオイルを使ってください。
溶剤入りのシリコンオイルを使うとサスペンションのシール類に影響が出る可能性があります。
あと、ブレーキパーツがとても近い部分になるので、ウエスで囲いながらスプレーをするか、
ウエスにシリコンスプレーを取ってから拭くなどしてください。
便利な反面、付着には注意したいところも
ツヤ出し効果が非常に強いシリコンですが非常に滑り易いため、
『滑ってはいけない部分への付着』には十分な注意が必要です。
ブレーキディスクは大きく露出しているため、間違えてスプレーし易いので注意が必要です
シートはもちろん、ステップやハンドルグリップ、スイッチ類、ブレーキ周り、タイヤなどは要注意個所になります。
使うべき個所が判っているのであればいいのですが、判らない場合はこれらの箇所への付着を十分に注意してください。
間違えてシリコンスプレーを吹きかけてしまった場合、必ずパーツクリーナーなどで拭き取ってください。
それではオススメのシリコンスプレーをご紹介!
ホームセンターなどで数百円程度で手に入る物でもかまわないのですが効果は値段なりなところもありますので、
できれば作業用に用意されている製品をオススメします。
SL シリコーンルブリカント【420ml】
整備業ではおなじみ、ワコーズのシリコンスプレーです。
以前から定評のあるシリコンスプレーなので、安心して何処にも使い易いです
今は自転車の業界でもみかけるようになったワコーズですが、
シリコンスプレーでも以前から定評があります。
昨今の物価高の煽りを受けて正直、高価な製品だと思いますが、
メカ整備に使う事が前提となる製品故、無溶剤としては効果が強く出易いです。
スプレーノズルを可変させる事ができるので、
広い範囲や狭い範囲などに即座に対応できる点も非常に便利です。
メーカー希望小売価格:¥2,376(税込み)
シリコンルブ
ヴィプロスのシリコンスプレーです。
最近になって名を聞くようになってきたヴィプロスのシリコンスプレーです
最近のバイク業界ではチェーンルブのレイキッシュで有名になってきたメーカーですが、
総じて製品のクオリティが高いメーカーです。
なのに価格は少し抑え目なところが非常にありがたいです…
ヴィプロスのシリコンスプレーを使っている人は正直少ないとおもうのですが、
性能は前述のワコーズにも引けは取りません。
ノズルは交換式で、細かい部分への使用も問題ありません。
メーカー希望小売価格:¥1,540(税込み)
溶剤入りのシリコンスプレーのオススメはコレ!
比較的効果が強く出る溶剤入りのシリコンスプレーは市場に数多く存在しますが、
バイクの業界ではオフロードバイクに強いメーカーの物に良い製品があります!
シリコンスプレー
KTMやハスクバーナ、GASGASに使われる事が多いモトレックスのシリコンスプレーです。
モトレックスの製品はオフロードでの使用を前提とした物が多いからか、大量に使ってもなかなか減りません…
写真だけだと判り辛いかもしれませんが、モトレックスのケミカル用品は缶のサイズが大きく、
内容量も多いため、いつまで使っていても無くならないのが良いところです。
溶剤入りのシリコンスプレーですが使用感は比較的サラサラとしており、
ホイールリムやフェンダーの裏側やフレームの下回りなどに効果的です。
メーカー希望小売価格:¥2,209(税込み)
Silicone Spray (シリコーンスプレー)
MotoGPやモトクロスのbetaチームでも使われている、リキモリのシリコンスプレーです。
リキモリは近頃のレース映像でコース脇のバナーを見かける事も非常に多くなってきましたね
リキモリのスプレー製品は前述のモトレックス製品とは逆にコンパクトな物が多く、
野外での整備などで持ち運ぶ必要がある場合に非常に便利です。
モトレックスのシリコンスプレーオイルよりは若干ですが強いような気がしますが、
使用によってホコリが付着してしまうような事もとくになく、使い易いです。
メーカー希望小売価格:¥1,100(税込み)
耐熱ワックスのオススメはこちら!
わざわざ耐熱ワックスを用意するという方は多くないかもしれませんが、
高温になる個所での不意な焼けなどが発生する事もなく、キレイに仕上げる事ができます。
耐熱ワックス
ヤマルーブの耐熱ワックスです。
小さなケミカル缶ですが、正直高価だと思います…小さな箇所をキレイに仕上げたい方に向いているかもしれませんね
耐熱ワックスの中でも仕上がりに定評があり、一定数のファンが居ます。
大量に使いたい場合には金額的な事もあり向かないかもしれませんが、
限定的に使う場合には仕上がりに期待ができる製品だといえます。
メーカー希望小売価格:¥2,740(税込み)
耐熱ワックス プロ艶
タナックスの耐熱ワックスです。
以前から存在していた耐熱ワックスで、バイクに長く乗られている方には支持されている製品だとおもいます
以前から使われている方にはお馴染みの定番製品です。
とくに空冷エンジン車や旧車オーナーの方に人気があります。
リニューアルをしてから小容量の物もリリースされ、
持ち運びのし易さが向上し、限定的にも使い易くなりました。
価格もリーズナブルなので頻繁に大量に使われる方におススメです。
メーカー希望小売価格:¥1,151(税込み)
耐熱ワックス プロ艶L
メーカー希望小売価格:¥2,110(税込み)
耐熱ワックス
デイトナの耐熱ワックスです。
耐熱ワックスの中では新しい製品で、大容量の物もあるので、とにかく大量に使いたい方にはいいかもしれませんね
比較的新しい製品になりますが、容量のわりには価格が安いので、
大量に使いたい方にはオススメできます。
メーカー希望小売価格:¥1,740(税込み)
耐熱ワックス 420ml
メーカー希望小売価格:¥2,590(税込み)
オフロードバイクの外装用ケミカルも使えます!
オフロードバイクでのダート走行では走行毎に洗車をする事が前提ですが、
洗車をした後のツヤ出しに使われるケミカル類にもシリコンが入っている事が多く、
容量が多いため、頻繁に作業ができる方にはランニングコストが安く済みます!
オフロードバイクには塗装されている部分が少ないため、シリコンオイルを使う箇所が多くあります
DJW/500ml スプレーボトル
ゼロエイトの水性マルチワックスワックスです。
マルチワックスと謳われているので、比較的どの箇所にも使用し易い印象です
水性ワックスは他にもあるのですが、この製品の良いところは溶剤が入っていないところです。
使用感もほぼ水のような感触なのですが、使ってみるとちゃんとツヤが出ているので不思議な感覚になります…
ペーパーウエスに取ってもいいのですが、ファイバークロスなどで全体的に拭く方が向いている使用感です。
メーカー希望小売価格:¥2,200(税込み)
DJW/詰め替えボトル
メーカー希望小売価格:¥2,200~(税込み)
モトシャイン
モトレックスのスプレーワックスです。
価格はやや高価に感じると思いますが前述の通り容量が多いため、使ってもなかなか減りません。
使用感は比較的濃い目だと思います。
なのでペーパーウエスよりはファイバークロスなどの方が使い易いかもしれません。
ちなみに帯電し辛くなるとの事なので、静電気で砂埃などが付き辛くなる事も期待できます。
チェリーの香りが非常に強いため、香りに包まれながらの作業になるとおもいますが、
そこに幸せを感じられる人には楽しい製品に思えるかもしれませんよ…
ちなみにずっとバイクに香りが残り続ける事はありません(笑)
メーカー希望小売価格:¥3,140(税込み)
シリコンスプレーもいろいろありますよね?
ご紹介した製品でもごく一部ではありますが、定番品や自分で使っている製品をご紹介させていただきました!
基本的にはメカ部分に使う製品が多いのですが、バイク全体としてのツヤを出すために使い易いのもシリコンの特徴です。
分解整備をしたりなどはできないけどキレイに乗り続けたい!と思っている方にはガラスコーティングなどに目がいきがちですが、
基本的なところではシリコンオイルが手堅い存在となります。
2011年式のWR250Xに新車からの付き合いになりますが、いつまで経っても飽きないバイクです…
このバイクも2011年式ですが外面だけはいつまで経っても輝き続けています。
ちなみにガレージ保管ではなく、野外保管でもこの状態です。
分解整備ができるようになったらさらにシリコンオイルが活躍する部分がありますので、
経験を積んでチャレンジしてみるのも悪くありませんよ!
この記事にいいねする