愛車家なら定期的なバイク洗車やワックス掛けを行うと思うが、洗車後の吹き取り時やワックス掛け後の磨き上げ時に、タンクやフェンダーなどの塗装面がザラザラ気味とか、ブツブツしていることに気が付くことがある。ワックス掛けで取れないザラザラやブツブツは、いったい何なのだろう? そんな状況時に使えるケミカルが、ここにある。

拭き取り仕上げのウエス越しにもザラザラ感が……

長年乗り続けたバイクはもちろん、特に、自動車ボディの塗装面には、知らず知らずのうちに鉄粉が突き刺さっていて、ザラザラ状態になっていることが多い。洗車だけでは気が付かないが、拭き取り時に「ん?」と思うようになり、ワックス掛け後の磨き拭き時には「あれっ!?」なんて感じたことがあるオーナーさんは数多くいると思う。問題は、そのザラザラが何なのかだが、樹液などによるものではなく、鉄粉が突き刺さっていることでザラザラ感が露呈することが実は多い。

まずは濡れウエスでしっかり擦って状況確認

ある季節になると樹木植物の葉っぱから樹液が飛び散り、風に乗って近所に停めていたバイクや自動車のボディに付着することで、塗装面や車体全体がベトベトになってしまうことがある。鉄粉によるザラザラ感とは異なり、樹液の場合は、ベトベト感になるので、そんなときには中性洗剤を希釈した石鹸水+やわらかいスポンジで、アワアワ洗浄して洗い流せば良いだろう。ザラザラ感がある時にも、まずは部分的に石鹸水を浸したウエスで拭き取ってみよう。仮に、鉄粉ではなく汚れなら、その変化を確認できるはずだ。

ネンドの粘りで鉄粉をからみ取り除去 

様々なケミカル用品メーカーから鉄粉除去クリーナーとかネンドクリーナー等の名称で発売されている商品を利用してみた。塗装面に突き刺さったまま残留している鉄粉を除去しつつ、鉄粉をからみ取ることができるのが、ネンドクリーナーである。

塗装面を濡らしてからネンドを押し付けて「滑らせ」よう

ネンドクリーナーを利用する際の段取りとしては、ごく少量の中性洗剤を水道水で希釈して、きれいなウエスに染み込ませる(絞りすぎないように)。そのウエスでクリーニングしたい範囲を拭いて、塗装面を濡らしておこう。一気に広範囲を濡らして作業するのではなく、大型バイクのガソリンタンクなら、片面の前後もしくは上下半分程度の広さで作業するのが良いだろう。希釈石鹸水で濡れた塗装面の上で、ネンドクリーナーを滑らせる。押し付けながら滑らせることで、塗装面に突き刺さっていた鉄粉が吸い寄せられ、滑らせた面が汚れていることに気が付くはずだ。汚れが溜まったらネンドを練って汚れをネンドの内側に閉じ込めてから再度クリーニングを行おう。

POINT

  • ポイント1・ザラザラ感が無くても汚れが取れる現実には驚きます 
  • ポイント2・ネンドの汚れは内側へもみ込んで再利用しよう
  • ポイント3・ツルツル感が蘇ってからワックス仕上げの実践 

汚れた塗装面を洗い流して、雑巾ヤウエスで水分を拭き取った際に、ザラザラ感に気が付いたことがあるバイクオーナーや自動車ドライバーは数多いはず。この鉄粉は、おおよそブレーキパッドに含まれるメタル成分と言われている。それずすべてではないと思うが、減ったブレーキパッドのスラッジは大気中に放たれ、その中に含まれる鉄粉がホコリと同じように塗装面に堆積することで、その鉄粉が塗膜反応して食い込んでしまうのだ。それが、鉄粉が突き刺さった状況を作り出すのだ。難しいメカニズムはよくわからないが、事実、突き刺さった鉄粉によって塗装面がザラザラになっている状況を目の当たりにしたことがあるバイクオーナーは数多いはずである。

いくら洗剤で洗車しても、ワックス掛けしても、簡単には除去できないのが鉄粉によるザラザラである。極微粒子コンパウンドやクリーナーワックスを利用し、ポリッシャーを使って磨くことで、除去できないことは無い。しかし、厳密に言えばポリッシャーを使い磨き落とすと、鉄粉の除去と同時に塗膜も磨き落としてしまうことになるので、実は塗膜に優しい作業方法ではないことを知っておこう。

そんなときに、効果的かつ効率良く利用できるのが「鉄粉除去用のネンドクリーナー」商品だ。ネンドクリーナーを手に握って、ザラザラ塗装面の上を滑らすように擦ることで、突き刺さっていた鉄粉や塗膜の汚れをネンドにからみ取る商品だ。初体験の時には、誰もが驚きを隠せず、感動すると思う。乾燥した塗装面では滑りが悪く、鉄粉除去しにくいので、作業前の段取りとして、僅かに中性洗剤を混ぜた水道水を雑巾やウエスに染み込ませ、施工面の上を滑らせて濡らすことで、作業性が良くなり鉄粉も除去しやすい。

ザラザラ感があるたびに、コンパウンドで磨いていたオーナーさんが過去にはいると思うが、次の機会には、ネンドクリーナーを試してみよう。きっと、目からウロコもののツルツル感に仕上がるはずだ。そんなツルツル感は、ペイント地肌そのものなので、クリーニング作業後は、ワックス掛けやコーティングをしっかり行い、塗膜のケアを必ず行うように心掛けよう。

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