ガソリンタンクのサビ落としと言っても、徹底した段取りを行ったときとそうではなかったときでは、その効果や仕上がりは大きく異なる。

鉄板に浸食したサビを除去するのが高性能サビ取りケミカル。
ここでは、効果絶大!!「ガソリンタンクのサビ取り」を実践してみよう。

サビの酷さで「希釈率」を変更


今回の実践タンクは、正直、酷くサビていた。しかし、変質ガソリンで内部がネチョネチョになっていなかったのは幸いだった。今回は10倍希釈でサビ取り開始。


タンク容量に対して10対1の希釈率になるようにケミカル原液を投入し、やかんに沸かしたお湯を注ぎ入れ、口切り満タンになるまで注水。最終的に60度前後のぬるま湯になれば十分だ。


燃料コック金具にはゴム栓を取り付け、タンクキャップを閉じてタンク本体を揺すってサビ取り処理液を回そう。タンク内部に空気室があるとそこのサビが取り切れないからだ。半日に1回程度グルグル回し、時折サビの落ち具合を確認しよう。

これがキモ! 毛布グルグル!


仮に、ぬるま湯の60度仕立てで作業開始しても、不要になった毛布でグルグル巻にして(今回は2枚利用)屋内で作業すれば、一昼夜経過後でもホンワカ温かい処理液を維持できる。処理液の温度に気を遣うと、サビ取りの活性度は極めて高くなる!!

POINT

  • ポイント1・サビ取りケミカルはガス汚れを落としてから利用。
  • ポイント2・サビの度合いを判断してぬるま湯で希釈しよう。
  • ポイント 3・口切り満タンで毛布グルグル巻。保温が成功への近道!!

われわれモトメカニック編集部ガレージでは、年間で3~4個はガソリンタンクのサビ取りを実践している。そんな作業の際に、一番気を遣うのが高性能ケミカルを使う前。つまり、腐敗ガソリンによる「汚れ」を落とす工程だ。仮に、このタールやワニスをしっかり退治してあるのならば、この段階ですでにサビ取りの成功は確信している。

サビ取りケミカルは、あくまでサビの除去に対して高性能さを発揮するが、油汚れに対しては、決して強力ではないというのが、われわれ編集部の印象である。ガソリンタンクが変わり、サビの発生状況や汚れ方の違いによっては、異なる作業方法や段取手段の方が良い結果を得られるケースもある。例えば、大きな容器、具体的には、セメントやモルタルを練るときに使う「船」と呼ばれる容器や、不要になった小型の浴槽、つまり「湯船」にケミカル液を入れ、汚れを落としたガソリンタンクを完全に沈め、さらに投げ込みヒーターでケミカル液を温めるという方法もあるが、これまでの経験では、この「沈め法」がもっとも好結果を得られている。

しかし、こんな方法も、施工したタンクのサビ状況が、作業方法とマッチしていたからと言えば、それまでだろう。いずれにしても、アイデアを駆使し、様々な方法で「バイクいじり」を楽しむことで、より良い結果を得られるものなのだ。

タンクの錆取りに最適な高性能ケミカル


1液仕様で環境に優しい中性を採用した榮技研の「花咲かGタンククリーナー」。高性能ケミカルのパイオニアでありながら、今なおナンバー1の実力を誇りリピーターも数多い。


こちらも高い人気を誇るデイトナの「ガソリンタンク錆取り剤」。以前は業務用の大ボトルの販売もあったが、現在は1リットルボトルでカバーしている。

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