FRPやCF(カーボンファイバー)部品はカスタムマシン造りでは欠かせない。本格的なドライカーボンパーツは、専用機器や設備によって製造されるが、
カーボンファイバー繊維に、樹脂を染み込ませた市販材料を利用すれば、ドライカーボン風味!? なものづくり、自作部品作りも可能になる。

ここではドライブチェーンガードを自作してみよう。

カーボン繊維(CFRP)「プリプレグ」を利用


樹脂を染み込ませたプリプレグシートは切り売りで購入できるが、決して安価ではない。今回は1m×1mで1万円前後で購入。それでも自家工作を楽しめる価値観は高い。保管の際にはジッパー袋へ入れて冷凍保しよう。決して長持ちはしないが、しばらくは期待できる。今回は作業直前に購入した。

アイデア次第!! カーボンパーツの自作!!


温度管理できる高温乾燥器(ここではカーベック製CVジュニアを利用)によって、樹脂を染み込ませたカーボン繊維を硬化乾燥させることができる。乾燥温度は130~150度だ。CVジュニアは常温~200度前後の温度管理と1時間のダイヤルタイマー付き。


厚さ1.5mmのアルミ板を90度に曲げたものを2枚用意し、このアルミ板を型代わりに利用してみた。プリプレグシートは、本来、真空成形で使われ、このような使われ方はしない。しかし、サンメカなら試してみたいと誰もが思うはずだ。

コピー紙を切って型紙製作


コピー紙をアルミ板に添付し、鉛筆でデザイン形状を決定。アルミ板の見切り部分(カットライン部分)を曲げ込むことでRエッジになり、部品強度を高めることもできる。今回は4プライでプリプレグシートを積層した。


工業用ヒーターを使って軽く温めることでプリプレグシートは柔らかくなるので、アルミ板の型に合せてミルフィーユのように!? カーボンシートを重ねていく。カスタムバイクの自作メーターパネルやインジケータパネルの製作にも向いている。

アルミ板で挟み小型シャコ万でクランプ!!


今回は板形状部品だったので、小型のシャコ万を4個使ってアルミ板の型をしっかり固定し、乾燥機の中でしっかり乾燥させた。乾燥機の大きさに見合った部品しか作れないが、CVジュニアサイズなら1時間~1時間半で完全硬化する。


見切り部分(カットライン部分)に折り返しデザインを入れることでパーツ強度が圧倒的に高まる。型を曲げられない時には、細く切ったアルミ片を型に接着し、プリプレグを乗り上げるようにセットし押し付ければデザイン変更できるはずだ。

 

POINT

  • ポイント1・カーボンプリプレグは切り売りでも購入可能。
  • ポイント2・常温保管できないので作業直前に購入しよう。
  • ポイント3・保管したいときはジッパー袋に入れて「冷凍庫」保管。

カンタムバイク造りをDIYで楽しむ!! バイクいじり好きにとっては最高のひとときですね。また、チームを結成してサンデーレースや耐久レースにエントリーする時などは、レギュレーションに従ったパーツを装備しなくてはいけないことが多い。そんなときにFRP製パーツを自作したり、「カーボン製で何とか作れないものか?」などなど、さまざまなアイデアや妄想が思い浮かぶもの………。そんなとき、仮に小型部品なら、DIY工作で「カーボン製パーツを自作」することもできる。

カーボンプリプレグを型に挟み込んで固定し、高温乾燥器で焼くこと1時間(小物部品なので130~150度の温度で1時間~1時間半で乾燥時間は十分なようだが、大型カウルなどは大型乾燥釜で1時間半~2時間ほど焼き付け乾燥させるらしい)。今回は、4枚重ねで厚さと強度を確保したが、型形状に折れ目を追加すれば強度はさらに高まるはずだ。こんな部品作りをDIYで楽しむこともできるのだ。さぁ、チャレンジ!!

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