レストアベース用として購入したバイクのエンジン始動前に、ガソリンタンク内の様子を確認したところ、10段階評価で4程度のサビがタンク内部に発生していた。見て見ぬふりをして、そのまま使ってしまうと、後々のトラブルの元になってしまうのがガソリンタンクに発生したサビなのだ。タンクのはサビ取りを行うために燃料コックを取り外したところ、やはりサビの粉が大量に出てきた。ここでは、燃料コックの分解洗浄にチャレンジしてみよう。
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補修部品が入手可能なら新品部品に交換しよう。しかし……
他機種用純正部品や東南アジア向けモデルの社外部品なら、新品コックも手に入るモデルがある。この燃料コックを分解すると、車体と同様、思いのほかOリング類のコンディションが良かったので、まずは洗浄&ラバーグリスによるグリスアップで復元してみようと思う。ガスケットに弾力性がある場合は、まずは汚れだけ落として再利用してみるのも良い。もちろん新品純正部品や流用可能な部品があるときには、新品部品に交換するのがベストである。
ガソリン関連部品の汚れ落としにはキャブクリーナーを利用
バラしたコックの金属部品を厚手のジッパー付きビニール袋に入れて、キャブクリーナーケミカル「泡タイプ」をブシューッと吹き付けて洗浄してみた。この方法でスモールパーツを洗浄すると、無駄なケミカルを使わずに済むのだ。ピニール袋の中で部品を浸しつつ、作業ランプを近づけて温めることで洗浄力は活性化する。各パーツの汚れが落ちたらパーツクリーナーを吹き付け、脱脂洗浄&エアーブローを行おう。
モデルによってデザインが異なる「切り替え弁」
樹脂関連部品には、ゴムを痛めないラバーグリスを塗布するのが基本だ。このタイプの燃料コックは、テーパー筒による樹脂製の切り替え弁が特徴だ(カワサキの1970年代モデルに多い)。汚れ取り後は、各部にグリスアップしよう。薄汚れて黒ずんでいた燃料コックボディでも、クリーニング後は新品部品かのように青光りが復活した。グリスアップした切り替え弁をボディにセットし組み付ける。切り替え弁を逆組みしてしまうと、レバーの表示通りにガソリンが流れなくなってしまうので注意しよう。息を吹き込みながら正しく空気が流れるか確認しよう。レバーは指先で押し付けながら切り替えよう。コック内通路が正しいことを確認できたら、レバーを組み付けよう。切り替え弁、スプリング、レバーの順にセットして、正面にグイッと押し付けながら、ボディ横の抜け止めボルトを締め付けよう。
他機種用部品の流用も可能な本体ガスケット
真鍮ネットのストレーナーをセットしてからカップガスケットを復元しよう。スクリーンネットが破けていると大きなゴミでもろ過できなくなってしまうため、ネット切れの際には真鍮ネットをハサミで切り出して自作しよう。つぶれた痕があるものの、弾力性が十分なガスケットは再利用可能した。ラバーグリスを塗布して復元し、スムーズな滑りを確保しよう。また、ガソリンタンクのサビ取りメンテナンスを終えるまでは、クリーニング済の燃料コックをガソリンタンクへ復元しないこと。ビニール袋に入れて保管するのが良い。
- ポイント1・純正部品が入手困難な場合は、流用可能な部品を探し出そう
- ポイント2・ガソリン汚れを除去する際に効果的なのが、キャブレター洗浄ケミカルの応用だ
- ポイント3・耐ガソリン性ガスケット紙やゴム板を切り出すことで、ガスケットは自作することも可能だ
想像していた以上に車体の程度は良く(乗らなくなってからも、室内に長年保管されていた車両を購入した)、間違いなく、格安中古車と呼べるバイクだった。実は、購入ではなく、旧車部品との物々交換で入手したバイクが(とはいえ、クランクシャフトは焼き付いていた)この車両だ。1970年代当時、日本国内ではあまり見かけないモデルだったが、東南アジア諸国では数多く売れたモデルのようで、今現在でも、数多くの社外部品や一部の純正部品は入手することができた。
長年に渡る放置、ではなく保管されていたバイクでも、さすがにガソリンタンク内にはサビが発生していた。それでも、ガソリンが抜き取られていたのはラッキーで、そのお陰でガソリンタンク内はほぼ乾燥していた。しかし、前述したようにタンク内には粉のようなサビが発生していたので、ガソリンを入れる前には、サビ取り実践しなくてはいけないコンディションだった。ガソリンタンクを取り外して燃料コックを取り外すと、ガソリン通路からは大量のサビ粉が出てきた。燃料コックは外側だけをクリーニングしたところで、サビ粉がキャブレターへ流れてしまうと、オーバーフローの原因になる。また、エンジンに吸い込まれることでクランクシャフトベアリングやシリンダー内のコンディションにも悪影響を与えてしまうことがある。特に、2ストロークエンジンの場合は、一次圧縮室であるクランク室内に混合ガソリンが吸い込まれるので、小さなサビの粉がクランクベアリングに与える影響が、実は、大きいのだ。
燃料コックを分解したら、ガスケットやパッキンには弾力性があり、パリパリに崩れるようなことは無かったので、まずはガスケット類を再利用し、洗浄組み立てした。後々ガス漏れや滲みが発生する時には、新品ガスケットに交換しようと思う。純正新品部品が入手可能なら、問答無用で新品部品へ交換するが、他機種用でも似たようなサイズの部品なら流用できるので、そんな方法による部品調達も視野に入れてコンディション維持していこうと思う。
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