フレーム周りの「タッチアップペイント仕上げ」を進めることができたので、一気にやる気満々になったマシンオーナーの私。ようするに肉眼で見える部分は、可能な限り美しくキレイに仕上げたいので、直列横置きエンジンのツインカムヘッドカバーとクランクカバー(クランクシャフトカバー)のペイントはプロショップへお願いした。クランクケースやエンジン底のオイルパン周りなどなどは、DIYペイントで頑張ってみることにしました。やっぱりペイント作業は、楽しいですね~!!
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目次
カラーリングだけでも見た目の印象は変化する
現状エンジンをこの角度から、しかもこの部分だけをクローズアップして見ると「なんて派手なバイクなんだぁ!!」なんて思ってしまうと思います。実は、作業実践したぼく自身もそう感じています。しかし、外装パーツを取り付けて、コンプリート状態になれば、決して派手なバイクには見えなくなる予定なのです。あくまで予定ですが………
目立つ部分はプロショップへ施工依頼しました
ヘッドカバーの赤結晶塗装と、クランクケースカバー(クランクシャフトカバー)、ブレーキペダル、塗り忘れていたリアブレーキマスターのリザーブタンクブラケットを、半艶ブラックのパウダーコーティングを依頼しました。やっぱりプロ職人による仕上げは、DIYとは全く違います。
撮影協力/カーベック www.carvek.jp
ガンコートペイントはすべてDIY仕上げです
タイミングカバー、冷却水&オイルポンプボディ+カバー、インジェクター通路などなどは、ガンコートのサテンブラックでDIYペイント。ガンコートペイントは焼き付け乾燥が必要不可欠ですが、利用したのは小型高温乾燥器のCVジュニアです。スパークプラグカバー、オイルパン関連部品はガンコートのゴールドではなく、もう少し黄色が強い「ブライトブラス」と呼ばれる見栄えが良い色を利用しました。実はこの色、個人的にたいへんお気に入りです。ゴールドブレーキキャリパーのペイントにも最適です。
ブラックのクランクケースロアはマスキングで………
直列横置き(寝かせ置き!?)エンジンレイアウトなので、クランクケースの「部品組み合わせ」がややこしいKシリーズ。国産エンジンレイアウトに慣れてしまうと、尚更ややこしく感じてしまう。何故だか、ロアケースだけがブラック仕上げとなっているK75S。ミッションケースロアに油汚れが残っていましたが、最終的には汚れを落としてしっかりクリーンナップする予定です。脱脂してから塗り分け部分をマスキングテープ+コロナマスカーで養生し、2液ウレタンの「耐ガソリンスプレーの黒」で仕上げました。いい感じのブラックエンジンになりました。
ゴム製ガスケットは液状ガスケットの併用で再利用
BMWモトラッドとしては、初の量産水冷直列エンジンを搭載したのがKシリーズ。オイルポンプとウォーターポンプのスピンドルを共用している合理的な設計を採用していた。画像はガンコートで化粧直ししたポンプボディの取り付け段取り中。ガスケット面はしっかり面出ししないと、後々オイル漏れや液漏れの根源となってしまう。赤色結晶塗装のヘッドカバーやパウダーコーティングのクランクカバーも、ガスケットはゴム製だった。弾力性があり潰れも少なかったので、シリコン系液状ガスケットを併用しつつ、今回は再利用で組み込み復元することにした。
半艶ブラック仕上げは締まって見える典型色!?
とにかく大きな面積のクランクカバーがポリッシュ仕上げなどでピカピカに輝いていると「見た目の締りが悪い」と個人的には感じてしまいます。そこで、半艶ブラックのパウダーコーティングで仕上げて頂きました。進行方向に対して左側面がツインカムのヘッドカバー、右側面がクランクケースというかクランクシャフトのカバーとなるのが、Kシリーズの縦置きエンジン。
オイルフィルターも脱着しやしすいリプレイス品に
脱着しやすいように見えて、実は「超~脱着しにくい!!」のが、BMW、Kシリーズのカートリッジ式オイルフィルター。一方、容易に脱着できるとして評判が良く、高性能なK&N製オイルフィルターを利用した。Kシリーズは、エンジン真下から締め付けるオイルフィルターなので、締め付け前にはフィルター内部を新しいエンジンオイルで満たすのが正解。空のまま締め付けてしまうとエアー噛みの原因になる。カートリッジフィルターのOリングにもオイルを塗布した。K&N製にはボディエンドの中心にナットが溶接されているので、フィルター交換時にはソケットレンチで簡単に取り外せる。このオイルフィルターは「とにかく使い易いんだよ」とはBMW先輩の弁。寸法が近いフィルターカップレンチを使ってみたが、純正フィルターは空回りして外せなかった。アクセスナット付のK&N製フィルターなら、サービスホールから簡単に取り外せます!!
撮影協力/プロト www.plotonline.com
- バイクを美しく仕上げるポイント・現代のエンジン部品はアルミ製なので赤サビになってしまうことは無いが、アルミ特有のしろサビやペイント剥がれて目立ってしまう。そんなときにエンジン部品をペイントするのも対処方法のひとつ。もちろん単品部品にして、しっかり下地づくりを行うのがベストだが、ここで実践したように、徹底的なマスキングと脱脂処理を行えば、コンプリート状態でもペイント仕上げは可能だ。機会がある時には、是非、チャレンジしてみてほしい。
「バイクは美しくてキレイじゃなきゃカッコ悪い!!」原付でもスーパーカブでも、オーバーリッターモデルでも、バイクはキレイじゃなきゃ、納得できません。それがぼくの考え。趣味の乗り物、趣味のバイクいじりだから、こんな部分には理想を求めたいですよね。昨今の国産旧車事情を覗き見すると「当時もの」とか「雰囲気重視」とかで、輝いていないバイクが多いような気がする。たいへん貴重な当時ものパーツが数多く装着されているバイクなら仕方ないと思うが、歴史的価値がある雰囲気と、単に磨くのが面倒な「ボロな雰囲気」では、大きな違いが出て当然だと思う。そんな意味もあって、不人気車の王道を歩む「BMWのK75S」は、手抜きしつつも、誰が見ても美しく仕上げたいと真剣に考えております。
兄貴分のK100シリーズに対して、廉価版的存在でもあったのがK75シリーズ。歴代モデルを見ても、派手で目立つカラーリングモデルは皆無で、単色ソリッドの塗りつぶし黒やグレーメタリックや濁った赤メタリックなどなど……。兄貴分のK100シリーズとも似たようなカラーリングだったが、それでもK100シリーズの系譜には、限定カラーやBMWのスポーツイメージを強調した「M」ラインシリーズもあった。そんな感じのK75S、いや「K75SM風がいいなぁ~」なんて妄想している私です。
ということで、ぼくが考えているのは、ズバリ「M」シリーズの、あのラインイメージ。現代BMWを見ると、パールホワイトベースだけではなく、パールブラックのMラインもありますが、ぼくら世代にとって「M」ラインと言えば、2002や3.0CSのパールホワイトベースのあれですよね!? エンジン周りには先行でイメチェンして、ヘッドカバーは赤色結晶塗装のテスタロッサ!? ドイツ語だとコフスロット? となりましょうか?
ガンコートのブライトブラスで塗ったオイルパンやスパークプラグカバーは、エンジンのアクセントというか、実は、誇張イメージ用で、最終仕上げ時に前後ホイールなどをシャンパンゴールドにしたいと思っているので、最終的には極端に目立つことの無い仕様になる予定です。カラーリングって、こうして妄想している時が一番楽しいですね~♪
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