【KITACO虎の巻】第3回：グロムにボアアップキットを組み付けてみよう！手順詳細解説 【シリンダーの取り外し➤ピストンの取り外し】

（1）前回までの作業でシリンダーヘッドが取り外され、ピストントップが見える状態になっている。

（2）シリンダーヘッドガスケットを外します。4本のスタッドボルトがガスケットに通っているので注意。

（3）シリンダーヘッドガスケットが外れたら、カムチェーンガイドローラーを外す。

（4）シリンダーの左側にある、カムチェーンガイドローラーピンボルトを外します。このボルトは第2回の（16）の工程で緩めてある。

（5）ソケットレンチをボルトにセットして回し、カムチェーンガイドローラーピンボルト抜いていく。

（6）シリンダーの中にカムチェーンガイドローラーがあるので、指を入れて押さえながらカムチェーンガイドローラーピンボルトを緩めていく。

（7）カムチェーンガイドローラーピンボルトがある程度緩んだら、カムチェーンガイドローラーが落ちないように押さえながらボルトを抜く。

（8）カムチェーンガイドローラーピンボルトを抜いたら、シリンダーの中からカムチェーンガイドローラーを取り出す。

（10）シリンダーを外していく。外す時にクランクケースとの隙間からオイルが漏れるので、下にオイル受けのトレーを置いておくこと。

（11）シリンダーをスタットボルトから抜く。シリンダーが固着している場合は、左右からプラスチックハンマーで軽く衝撃を与える。

（12）シリンダーをスタッドボルトから完全に抜く前に、カムチェーンをシリンダーから抜いて下にたらしておく。

（13）ピストンが見えてきたら、ピストンがスタッドボルトに強く当たらないように、ピストンに手を添えながらゆっくりシリンダーを抜いていく。

（14）シリンダーをスタッドボルトから抜きます。抜く時にフロントフェンダーなどにぶつけないように注意する。

（15）シリンダーが外れた。重いので落としたりしないように注意し、オイルがたれるのでトレーなどに置いておく。

（17）シリンダーが外され、コネクティングロッドに取り付けられたピストンが露出した状態になっている。

（18）ピストンはピストンピンでコネクティングロッドと接続されており、そのピストンピンはピストンピンクリップで留められている。

（19）ピストンピンクリップには強いテンションがかかっており、外す時に飛ぶ可能性があります。その際にクランクケース内に入らないように、ウエスなどを詰めて保護しておきます。

（20）ピストンピンクリップはピストンの溝にセットされていて、その溝にには一部切り欠きがあり、ピストンピンクリップが確認できる。

（21）ラジオペンチなどでピストンピンクリップを掴んで回し、切り欠きの部分にピストンピンクリップの端の部分を持ってくる。

（22）切り欠きの部分にピストンピンクリップの端を持ってきた状態。ピストンピンクリップは回しにくいので、しっかり掴んで少しずつ回していく。

（23）ピストンクリップの端を掴んで、回しながら外側に引っ張って外す。外れた瞬間に飛んでいくことがあるので、しっかり掴みながら作業すること。

（24）外れたピストンクリップ。このように一方向に口が空いたC型をしているので、この口の部分を縮めることで、ピストンの溝から外すことができる。

（25）ピストンピンは指で押して外れることもあるが、固くて指で押しても動かない場合もある。

（26）固くて抜けない場合は「ピストンピンプーラー」という専用工具を使用する。これは自作されたものだが、市販されているものがあるのでそれを使用するのがおすすめだ。

（27）ピストンピンプーラーのセンターにあるボルトを、ナットとワッシャーを外してプレートから抜く。

（28）ピストンピンの横のフラットな部分に、ピストンピンプーラーの2本のボルトの先端を当ててセットする。

（29）外しておいたボルトを、ピストンピンプーラーをセットしたのと逆側からピストンピンの中を通していく。

（30）ボルトの先端が出てきたら、そのままピストンピンプーラーの真ん中の穴に通す。

（31）左右の2本のボルトを回して、ピストンピンを引き出す長さに合わせます。2本のボルトは同じ長さになるように調整する。

（32）反対側からセットしたボルトに、アーレンキーをセットして固定する。コネクティングロットに負荷をかけないように注意。

（33）ナットにレンチをセットして締め込んでいくと、少しずつピストンピンが手前側に出てくる。

（34）ピストンピンが抜けたら、真ん中のボルトのナットとワッシャーを外して、ピストンピンプーラーを外す。

（35）ピストンピンプーラーを外したにら、反対側からセットしたボルトを抜いて、ピストンをコネクティングロッドから外す。ピストンを落とさないように注意する。

（36）コネクティングロッドから外したピストンは、トレーなどに置いて保管しておく。