バイクの顔がガソリンタンクなら、バックミラーは何になるのだろう!? バイクの個性や意匠デザインを主張する上で、バックミラーの存在は特に大きなもの。こだわりの絶版バックミラーが凹ってしまったなら、こんな方法での修復も可能なことを知っておこう。 

強引にミラー角度を調整してみたら……

ミラーの角度やポジションの調整時に、どうしてもレンズボディを動かすことがありますよね。無理やりグイッとひねったところ、なんだかいやな感触が手に伝わってくること、ありませんか? 旧車タイプのバックミラーの場合は、ステーの付け根、レンズボディの可動部分が凹ったり変形してしまうこと、ありますよね……

美術道具のスパチュラ+ケミカル

美術工芸関係の道具で金属製のスパチュラと呼ばれるヘラがある。そのスパチュラを利用して、バックミラーの鏡部分(鏡そのもの)を取り外せる組み立てタイプもある。レンズ=鏡のマウントが「ラバー式」なら、何とかなることもあるのだ。このレンズ外し作業時に利用できるケミカルは、いわゆるオイルやシリコン系の潤滑スプレー。今回は手元にあった商品を使ったが、CRC556やWD40などでも十分使うことができる。

フチゴムマウント式ならレンズも取り外し可能 

レンズ=鏡の外周にゴムのフチがあるタイプは、いわゆる防振仕様でガラスレンズをゴムダンパーの弾力性でマウントする役割を果たしている。実は、このタイプなら取り外しできることが多い。レンズそのものをボディ板金のカシメで固定するタイプは外すことができない。防錆スプレーをダンパーゴム部分にたっぷり吹き付け、浸透するのをじっくり待つ。

その後、スパチュラ先端でゴムダンパーにキズを付けないように、ボディの中(内側)へ押し込み、ころあいを見計らってレンズを起こすことでパコッと抜き取れる。仮に、メッキ程度が良いミラーのレンズが割れていて、サビサビでもレンズはイキイキしたミラーが2個ある際には、イイトコ取りの「ニコイチ」で、ミラーを復活させることもできる。そんなタイミングに遭遇したら、試してみてほしい。

レンズが無ければ、気になる「いろいろ」ができる

レンズとダンパーゴムを取り外すとステーの取り付け部分には締め付けネジがある。調整部分がユルく、走行中にレンズボディがうなだれてしまうミラーなら、この部分の増し締めで修復可能になる。逆に作動性が悪い時には、一度ナットを緩めて取り外し、クリーニング後に再度しっかり締め付け調整しても良い。カシメ固定されている時には。カシメ部分を削り落としても良い。凹ったミラーボディは鈑金作業で形状再生しよう。金尺を当てると凹の度合いがわかるはずだ。この凹った部分のみを引っ張り出せるような鈑金作業、少々難しいが……。

当て具にレンズボディをセットしてゴムハンマーで叩くなどで凹部分を押し出すことはできるが、押し出し量の調整とボディの他の部分へキズをつけてしまう可能性が大。そこで、工作用の木板でホルダープレートを作り、ベアリングプーラーで凹部分を押し出す作戦を考えてみた。まずは適当な大きさに工作板をカット。金尺で凹部分の外周を測定するとΦ35mm前後だったので、Φ35mmのホールソーで穴加工を行なった。

この記事にいいねする


コメントを残す