
執念深い作業進行によって、仕上がり時に大きな差となって現れることが多いのが「磨き」の世界だろう。「えっ、そうだったの?」これまで知らなかった、磨きテクニックを駆使したことで、これまで以上に美しく「明るく輝く」のが、実は、黄ばんでしまったプラスチックレンズのヘッドライト、でもあることを覚えておこう。
ダメもとでペイントしてみたヘッドライトレンズ
ガラスレンズが黄ばむことはまず無いが、90年代以降の樹脂レンズモデルでは、表面が黄ばんで車検のヘッドライト検査で「光量が出ない」ケースもある。そんな樹脂レンズの復活を、ここでは、磨きとペイントで行ってみた。果たして結果や如何に!?
しっかり磨き込んでキズをフラットに、しかし……
ペイントのプロショップでは、普通に使われている「バフレックス」。専用のスポンジパッドにセットして使うが、そのキレの良さは抜群。ペイント磨きの下地作りには欠かせない商品との声も多い。最近は、サンメカ向けに通販でバラ売りしている業者もあるようだが………。ヘッドライトレンズ表面の汚れを洗い流したら、しっかり水をスプレーしてバフレックスの「グリーン」で表面を磨き込む。グリーン以上に細かな仕上がりを得られるのがブラックだが、今回はグリーンのみで作業進行してみた。磨きのキレが良くしっかり食いつき、作業時のレンズ表面は、削れたアクリル素材の粉で白濁している。この磨き込みを繰り返す。ここでは4輪トランポ用ヘッドライトレンズを利用したが、バイク用でも樹脂レンズの黄ばみに気が付いたら、できる限り早めにリフレッシュしたいものだ。黄ばみが激しかったレンズを耐水研磨していくと、最初は茶色く汚れた液体が流れ出てくる。何度か磨きを繰り返すうちに白濁液になる。そんな磨き込みを数回繰り返すことで、完全なる艶消し&曇りガラスのような感じになる下地作り。これまでに何度かこのような方法でクリアレンズを復活させたが、軽症なうちに作業することで、その後の黄ばみ劣化は間違いなく遅くなる。早め早めの作業実践が重要だと言えるだろう。
マスキングしたらいよいよペイント段取り
ウレタンクリアペイントで仕上げるが、レンズ以外の周辺部分にマスキングを施し養生実践。バフレックスで磨いたままの状態なので、本当ならクリアなヘッドライトレンズが完全に白濁している。作業実践をお願いしたモデルクリエイトマキシでは「普通のウレタンクリアではなく、薄いブルークリアにすることで、黄ばみが進んでいたレンズでも、黄ばみを目立たなくすることができますよ」とノウハウをお話し下さった。
薄いブルークリアにするのがポイント
バフレックス磨きで完全に白濁していたヘッドライトレンズだが、ペイントを吹き付けることで序々にクリア度が復活していく。塗り終えて乾燥させている段階では、すでに良い仕上がりを予感できた。果たして、どれほどクリア度が復活するのだろう……。ブルークリアにすることで明らかに黄ばみが目立たなくなる。かと言って、薄いブルークリアなのでブルーっぽさは皆無。まだまだブルーを濃くしても大丈夫な雰囲気だった。
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