逆車ブームが始まる以前は、バイク雑誌の海外リポートでしか見ることが無かった憧れのモデルが「逆輸入中古車」として日本上陸=里帰りを果たすようになった。中でも、大人気モデルなのが、カワサキ初の空冷4気筒モデルとして知られるZ1シリーズ。ここでは、人気の初代カワサキ空冷フォー、750のZ2と900のZ1エンジンが、それ以降のモデルとどう「違う」のか? エンジン部に注目してみよう。 

カムチェーン周りの「豪華な造り」は唯一無二




4スト2気筒エンジンが主流だった時代のホンダのフラッグシップモデルと言えばCB450。2気筒時代はカムチェーンアイドラーに、スプロケットギヤとダンパーラバーローラーが使い分けられていた。その後、CB750の時代になってからは、カムチェーンテンショナーもアイドルローラーもすべてラバーダンパーローラーに変更されている。エンジンの静寂性向上やコンパクト化、そして何よりもむ大きかったのが、ギヤアイドラーに対して部品製造コストを大きくおさえることができた。

一方、初代カワサキ4スト4気筒エンジンでは、ツインカムを採用していたことでトップアイドラーを装備。シリンダーの前後に必要なカムチェーンアイドラーにもラバーダンパー機能を組み込んだアイドラーギヤを装備していた。後の2代目KZ1000系エンジンと比べても、このあたりの仕様はコスト度外視とも言える充実の装備だった。

ベアリング支持の回転摺動部は極めて強靭




2ストエンジンで世界最速モデルを販売していたカワサキ。その性能を超越するカワサキ初の4スト4気筒900ccエンジンには、2ストエンジンと同様、回転摺動部にニードルローラーベアリングを使った「組み立て式クランクシャフト」が採用されている。軽量コンパクトかつ生産性の向上という意味では、現代モデルでは当たり前の一体型クランクシャフトに軍配が挙がるが、当時はプレーンメタル軸受けによる回転抵抗を嫌い、フラッグシップエンジンシリーズには回転抵抗が圧倒的に少ないベアリング支持のクランクシャフトが採用された。同時に、コンロッドのビッグエンドにもニードルローラーベアリングが組み込まれている。カワサキZ1のエンジンチューニングで大成功を収めたヨシムラが、その後、スズキGS750、GS1000へチューニングベースエンジンを変更した理由には、組み立て式クランクシャフトを採用していた点が大きかったようだ。

オイル管理が悪かったエンジンは、クランクシャフトにダメージが出てしまうことがあるが、iB井上ボーリングでは独自にコンロッドメーカーに部品製作を依頼。国内ベアリングメーカーに純正同サイズのベアリングを製作依頼し、クランクシャフトのオーバーホールサービスも展開している。

撮影協力/iB井上ボーリング www.ibg.co.jp

カムシャフトの支持部分はメタル構造 


機械加工の精度が圧倒的に高まった現代のエンジンでは、カムシャフトジャーナル(軸受け)部分にプレーンメタルを組み込むエンジンは無いが、80年代以前に開発されたエンジンの多くには、軸受けメタルが組み込まれていた。厚さの異なったメタルの中からベストな部品をチョイスして適正クリアランスを維持していたのだ。過走行やオイル管理の不備により摩耗が激しくなった部品を交換できるという意味で、今となってはありがたい設計でもある。

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