
新車当時はクリアでピカピカに輝いていたフロントカウル用のスクリーン。レース用の軽量部品でも、ブ厚く頑丈な純正部品でも、気が付いた時には細かなキズが入って目立ってしまい、気になることもあるだろう。スクリーンの多くはアクリル樹脂で作られているので、コツをつかんで磨き込むことで「キズを消し去り美しく再生」することができる。ここでは、プロが行うスクリーン磨きコツとテクニックを覗き見してみよう。
気が付いた時には曇りガラスのようなつや消しに
このスクリーンは、ヘッドライトカウルの上に取り付けられるスズキGSX250Sカタナ用の純正スモークスクリーン。クリアでもスモークでも、メーカー純正スクリーンの多くはアクリル系樹脂素材が多く熱成型で作られている。相手がアクリルなら、キズ消しや磨き込みは比較的容易なようだが、最終的な仕上げ磨きには電動工具が必要不可欠になる。
下地=ベース作りから始めよう
キズの深さによって耐水サンドペーパーの粒度は使い分けよう。よっぽど深いキズでなければ、400~480番クラスの耐水ペーパー磨きから始め、600⇒800⇒1000⇒1200⇒1500⇒1800⇒2000番のように徐々に徹底的に磨き込むことで、キズ痕はおおよそ消すことができるはずだ。この耐水ペーパーで研ぐときの注意点は、ペーパーを安定的に当てるためにスポンジブロックにセットすることと、スプレー霧吹きを効果的に使って、削れた樹脂粉を流し落としながら磨き込むことだ。削った樹脂粉を巻き込むと、その樹脂粉で新たなキズを作ってしまうからだ。最終的に磨きのプロはバフレックスグリーンと呼ばれる研磨材で仕上げる。このバフレックスにはウエットタイプとドライタイプがあるが、ここで撮影協力を頂いているモデルクリエイトマキシでは、ウエットタイプを好んで利用している。最終仕上げで使うのは電動ポリッシャーで、ネルパッドをセット。キズが無く残しておきたいコーションマークにはマスキングテープで保護を施してから作業開始。
意を決しキズ消しから開始。徐々に粒度数字アップ
今回はキズの深さから600番ペーパーで目立つ部分を研磨作業した後に、800⇒1200⇒1500番と作業を行ってからバフレックスグリーンで全体を仕上げた。頻繁に霧吹きを使って水を吹き付けていたのが印象的だった。スモークスクリーンであることと、表面の劣化で水研ぎによって削れてくる樹脂粉は、やや黄ばみ気味。ティッシュで拭き取ると明らかに黄色い汚れが付着する。
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