僅かな曲がりなら直せるパイプハンドル！！しっかり固定して作業開始！！

慣れてしまうと気が付かない、あるいは気が付きにくいものだが、他人に指摘されてハッと気が付くことがよくあるのが「ハンドルバーの曲がり」や「ステアリング周辺のネジれ」だろう。ハンドルバーの曲がりは、大型の万力に固定し、鉄パイプや不要になったインナーチューブなどで曲げ直し修理することもできる。ここではホンダゴリラのハンドル曲がりを修正!!是非ともお試し頂ければと思う。

曲がって交換したハンドルに、再び光を!!

メッキ仕上げか、ペイント仕上げかに違いはあるが、長方形天板のオフロードバイク用メンテスタンドの上に同じハンドルを引っ掛けると、クランプ部分の高さに大きな違いが出る。同じハンドルのようでも、これだけの違いがあるのだ。製造時の誤差や製造タイミングもあるのだろうが、曲りが原因のことも多い。平面な部分を利用して、まずは現状の曲がり具合を確認する。左右どちらの曲がりを「正」とするかは作業者の判断になるが、バークランプ部分を押し付けることで左右のどちらかのバーエンドが持ち上がり曲がり具合がわかる。

左右の角度合わせは型紙づくりがとにかく有効！！

厚紙を作って左右の曲がりを比較してみよう。厚紙を使ってハサミで切り取り、ハンドルの曲がり部分に合致する型紙を自作。厚紙を使わないと紙が曲がってしまい、正しく左右を比較ができなくなってしまうので要注意。ハンドルクランプ部分が曲がってしまうなんて、よっぽどのことが無い限りありえないので、ここでは、クランプ部分のローレット（滑り止め）加工部と右側の立ち上がり角度を「正」として型紙を作った。

大型万力に固定できれば作業性が向上する

型紙をひっくり返してハンドル左側の立ち上がり部分に当てると、グリップ寄りのパイプに先に型紙が当たり、立ち上がり側に隙間が空くことがわかった。つまり「左側の立ち上がり曲げが深い(曲がり過ぎ)」と判断することができる。しっかり固定されている作業台と大型万力(口幅150mmを利用)があれば、ハンドルのクランプ部分を固定して、曲がってしまったハンドルを曲げ直すことができる。アルミ口金を介してハンドルコランプ部分を固定した。転倒などで曲がってしまったインナーチューブは(このチューブも修正可能！？)、捨てずに修理用の道具として利用することができる。インナーチューブはハンドルパイプの曲げ直しには最適の道具である。この部品はサーキットで転倒して交換したエイプ用インナーチューブだ。

平面テーブルの上で歪みを再確認

補正し終えたら型紙を当てて曲げ戻し量を確認しよう。型紙通りの角度になったら、再びテーブル上面で曲りやネジレの方向性を確認してみよう。かなり曲がっているようなハンドルでも、このような方法で直せるケースは意外と多い。旧車の当時物純正部品にこだわるのなら試してみよう。グリップ部分をテーブルに押し付けることで、パイプのネジレを確認点検することができる。ネジレがある場合は、万力でクランプする箇所を変えながら補正してみるのが良い。繰り返し調整することで精度が高まるはずだ。

立ちゴケやスタンドの自動外れ！？　などによるズッコケ程度でも、当たり所が悪いとバーハンドルは曲がってしまいやすい。ハンドルバーが曲がってくれたことが幸いして「タンクが凹まなくて済んだ！！」といったケースもあるが、やはり部品にはダメージを与えたくないものだ。

70年代以前のモデル用ハンドルバーには、現代のモデルに採用されているハイテンション鋼が使用されておらず、メーカーによっては肉厚があるわりには「曲がりやすい」などと評価される純正ハンドルバーもあった。また、70年代以前のモデルでは、ハンドルパイプ内部にスイッチボックス用のハーネスを取り回している例もあり、このタイプは、ハンドルスイッチ付近に楕円穴加工を施してあるため、その穴の近所で曲がりやすいといった特徴もあった。

実は、曲がったハンドルバーを復元するのは想像以上に簡単なことをご存じだろうか？　是非ともトライして頂きたい部品の修理再生でもある。コツを掴むと面白いように直せるので、裏を返せば、お気に入りのハンドルバーをベースに「自分好みのポジション」を狙ったハンドルバーに改造することも可能である。

唯一のハードルとしては、外力を加えても安定していて、動くことが無い大型作業台と大型万力を用意できるか否かだろう。是非ともチャレンジしていただければと思います。

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