旧車オーナーなら、極上パーツを入手できたときには、自然と笑みが漏れるもの。一方、不幸にも大切なパーツにダメージを与えてしまったときには、その悲しみたるや……。ここでは、足元にあった(置いてあった!?)パーツを、後ずさりでバキッとやってしまった80年代モデルのナックルカウルを、可能な限り目立たないように補修再生した様子をご覧いただき、カウル修理のアイデアにしていただければと思う。

液体接着剤を「毛細管現象」で流し込む 





 

破片がバラバラにならなかった(とは言っても極小片破壊痕はあったが)のが幸いだったヤマハTZR250初期型のナックルガード。割れた部分を突き合わせると、外部から見える外側はエッジも残って目立たなく修復できそうな雰囲気だった。内側は一部のエッジが割れてしまっていた。この部品でこのような割れ方ならば、突合せ接着のみでも修復可能なのでは?との見解に。おそらく部品素材がABS製なので、アクリルやABS樹脂の接着剤として高性能を誇るアクリダイン(模型専門店で取り扱っている)を利用。割れた部品同士を押し付けた隙間に毛細管現象で溶剤を流し込んで、接着するのが今回の修理方法だ。溶剤の塗布や流し込みに時にあると便利なのが先細針のシリンジだ。

部品修理の基本は患部のクリーニングから





 

家庭用スプレー洗剤で知られる「かんたんマイペット」が意外と使える洗剤だ。ウエスに吹き付け、割れてしまった患部の断面やその周辺をしっかり拭き取り洗浄する。まずはクリーンナップから行うのがすべての基本。汚れが激しいときや、部品が割れてしまってからしばらく時間が経過しているような場合は、目に見えない汚れが少なくないので、綿棒を併用して断面の汚れを擦って確実に落そう。割れた断面をピタッとくっつけつつズレないようにクリップで簡易的に固定する。せっかく接着しても、患部が段差だと今ひとつの仕上がりになってしまうから要注意。慎重にクランプしよう。

接着後をイメージしながら接着剤を流し込む





 

クリップで患部を固定しつつシリンジ針を使って患部にアクリダインを流し込む。僅かな隙間に液体が入り込む「毛細管現象」によって、溶剤がスーッと入り込んでいく。僅かな量で大丈夫だ。接着剤を流し込んだら2~3分待ち、クリップを外して患部を押し付けるように割れた箇所を確認する。すでに接着反応していて、押し付ける力で簡単にズレるようなことは無かった。10分程度でおおよそ接着できた状態になるが、まだ完全乾燥には至っていないのでしばらく待とう。部品重量が軽いので、僅かな断面接着でも自重保持することができる強度になった。

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