繰り返し脱着することが多かったり、雑な扱いをしてしまったことで、気が付いた時には肝心な締め付け座のネジ山がナメかけていたり、完全にナメてしまっていることに気が付くことがある。部品交換できる箇所なら、部品交換してしまうのが手っ取り早いが、なかなか簡単に部品交換できないケースも多々ある。そんな時には、ネジ山修理が必要不可欠になるが、お勧めしたいのがリコイルを利用した「ネジ山の恒久的な再生」だろう。

ここで利用するのは定評のリコイル  




オーストラリアで生まれて日本の自動車バイクシーンで普及しているネジ山再生修理道具のリコイル。この商品が成功した最大の理由は、ネジ山修理に最小限必要な道具が1パッケージになっていることだろう。60年代以前から、国内では似たタイプの商品が販売利用普及してきたが、それぞれの機器が単品販売となっているのに対し、リコイルは購入しやすい1パッケージ。ネジサイズさえ間違わなければ、即刻修理に取り掛かれる特徴もある。ここではディスクローターのマウントボルトのネジ山がナメかけているのに気が付いた(しっかりトルクを掛けて締め付けることができない)からだ。

下穴加工から慎重に作業進行








傷んだネジ山を再生するために、一回り大きなネジ山を作り、そこにリコイルを挿入して、本来の寸法のボルトで締め付けられるようにネジ山を恒久的に修理再生するのがこの商品。まずはリコイルタップのサイズに合わせた同梱のドリルキリを利用し、ナメかけてしまった旧ネジ穴を拡大する。この際には、ハンドドリルを利用するケースが多いが、明け直す下穴が斜めにならないように、確実に穴加工しなくてはいけない。こんな作業時に経験がものを言うのだが、初心者の場合は、自分がドリルの左右の倒れを確認し、第三者のドリル前後の倒れを確認してもらいながら穴明け作業進行するのが良い。こうすることで下穴が斜めにならないのだ。リコイルタップを立てる時には、潤滑オイルやグリス、タッピングペーストを患部へ塗布し、同梱のタップハンドルを利用して、ドリル作業と同様に仲間にタップの倒れを確認して頂きながらタッピング加工を施す、ハンドルは一気に回すのではなく、回しては戻しを繰り返しつつ新たなネジ山を作ろう。ネジ山ができたら、パーツクリーナーで汚れを洗い流し、エアーブローで下穴を完成させよう。

専用のリコイル挿入治具で確実にセット 



リコイルを挿入するための専用のハンドルが同梱されているので、リコイルをセットして、下穴に対して垂直にリコイルを挿入する。チカラを入れて押し付け過ぎず、入口にスムーズに入り始めたところでハンドルを抜き、リコイルがスムーズにネジ山へ組み合わさっているか確認しよう。今回は標準の1.5Dサイズ(ネジ径の1.5倍の深さ)でドンピシャだったが、リコイルが長過ぎたり、ピッタリサイズに合わせたいときなどは、挿入前に寸法確認し、リコイルをニッパでカットすることで作業性が良くなることもある。

この記事にいいねする

今回紹介した製品はこちら

コメントを残す