
ステアリングステムベアリングはバイクのハンドリングを左右する重要なパーツです。ボールベアリングでもテーパーローラーベアリングでも、傷や打痕が付いたレースは交換が必要で、ステアリングステムベアリングに圧入されたインナーレースはステムを傷つけないよう抜き取り、打ち込むことが必要です。そのための専用工具もありますが、発想の転換で確実に打ち込める方法もあります。
ベアリングのグリスアップとレース面のコンディションが重要

絶版車や旧車でもステムベアリングは後年の機種まで流用されいているため、部品番号が古くても新品部品が入手できる場合が多い。50年以上昔の原付用部品でも、純正部品があっさり入手できた。
交差点を曲がったりワインディングのコーナリングを楽しむ時はもちろん、まっすぐに走る際にもステアリングがスムーズに作動するのは必須条件です。そのために欠かせないのがステムベアリングのメンテナンスです。
フレームのヘッドパイプ上下に装着されているステムベアリングは、ハンドルを左右に切る際の回転運動とともに、タイヤからフロントサスペンションを通じて伝わる路面からの衝撃も受け止めています。
この衝撃が大きくなるとレースに傷や打痕がつき、ここにボールやテーパーローラーが引っかかると滑らかな動きが阻害されて違和感を生む原因となります。コーナリング時に決まった角度でステアリングが引っかかったり、まっすぐ走っていても妙にハンドルが取られるような場合は、ステムベアリングのチェックが必要です。
簡単な診断方法としては、前輪をジャッキなどで浮かせて車体重量を抜いた状態でハンドルをゆっくり切ってみます。左右にフルロックして、特定の場所で「コツンッ」という手応えがある場合はレースに打痕がついている可能性があります。
レースの打痕の深さにも様々な程度があり、打痕が浅ければ走行中に気がつかないこともあります。しかし前輪を浮かせて荷重を抜くことで、僅かな打痕も把握しやすくなります。「ハンドリングにちょっと違和感があるな」と気づいた時は、この方法で確認してみると良いでしょう。
レース面に傷や打痕がある時は迷わず交換しよう

ステアリングステム下部に圧入されるベアリングインナーレースの裏側には、さらにゴム製のダストシールがセットされていることが多い。このシールはフレームのヘッドパイプの内径にピッタリフィットして、走行中に巻き上げた汚れがベアリングに付着するのを防いでくれる。経年変化でゴムが硬化するので、インナーレースを交換する際はシールも合わせて交換しておく。
レースの打痕が原因でステアリングに引っかかりがある際に、ステムナットの締め付けトルクを上げて対処しようとすることもあるようですが、これは一時しのぎとしても何も利点がないので、ベアリング交換によって抜本的に対策することが必要です。
ボールベアリングタイプを採用する機種の場合(ここでは1960年代の90ccモデル、ヤマハHS1)フレームに圧入されるアウターレースとベアリング、ステムに取り付けるインナーレースが3つのパートに分かれます。これに対してテーパーローラーベアリングはインナーレースとベアリングが一体となっているのが特徴です。
ヘッドパイプ上下のアウターレースとステアリングステム下部のインナーレースは圧入されているため、取り外しと取り付けにはハンマーやバーを使い、レースが傾かないようレースの内周や外周を均等に叩くのが作業上のコツとなります。
ステム下部に圧入されたインナーレースの抜き取り作業は注意が必要で、アンダーブラケットとインナーレースの隙間にタガネなどを挿入してハンマーで叩いた際にステムに食い込むと傷の原因となります。そうしたトラブルを防ぐには、インナーレースを一気に抜こうとせず、傾けないよう少しずつ浮かせていくことが重要です。
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何台かやったことあるけど、ステムに打ち込むパイプは合うのを持ってるといいですね。
合うパイプが無ければステム側はプラスチックハンマーで出来るだけ斜めにならない様にコツコツ奥まで。
フレーム側はソケットレンチでうまい具合のサイズを持ってるとそれを使うと簡単です。
知り合いのバイク屋があれば合うパイプが転がってるかも?
最終的には音を聞きましょう。
かっちりハマったら叩いた時の音が違います。
特殊工具が無くてもなんとか、かっちり交換出来ますけど、色々工夫が必要なんで頑張らないとですかね。
あ、フロントスタンドでは出来ないですよ。
ステムに掛けるんでステムは抜けません。