2ストエンジンでも新規スリーブ製作は可能 



多孔ポートの2ストエンジンでも、高精度に部品を削り出し製作するのがiB井上ボーリング。初めて製作依頼があるモデルに関しては、ダミースリーブを製作してシリンダーバレルと組み合わせて、各ポートにズレが無いか、大きさが一致しているなどを検証した上で本番スリーブを削り出し製作する例もあるようだ。


取材撮影協力/iB井上ボーリング www.ibg.co.jp


POINT
  • ポイント1・オーバーサイズピストンと周辺部品を用意できれば、シリンダーボーリングでオーバーサイズ対応は可能になる 
  • ポイント2・吸排気ポートや掃気ポートのある2ストロークエンジンでも、スリーブの再生は可能
  • ポイント3・現代の技術を盛り込むことで、見た目は変わらなくても高性能化が可能な「モダナイズ」という手法もある

旧車ムーブメントの高まりとともに、長年眠り続けてきたバイクが復活を遂げ、街中を元気に走り回る機会が増えている昨今。車体部品は何とかなったとしても、エンジン部品のコンディションがあまりに悪く、なかなか復活できないケースも中にはある。そのひとつが、過度なシリンダー摩耗やピストンリングと鋳鉄シリンダーのサビ付きによる固着などで、エンジン本来の仕様に組み立てられない例だ。長時間オイルに浸してサビ付いたピストンを抜き取ったとしても、シリンダー壁面のダメージが酷く、オーバーサイズピストンを見つけてもそのサイズ範囲で、シリンダーに侵食したサビを削り落とせないケースも多々ある。旧車ムーブメントよってパーツコンストラクターがリプレイスピストンを生産。オーバーサイズで対応できる環境になっても、完全な状態には戻せないシリンダーも中にはある。

そんなときに頼りになるのが「内燃機加工のプロショップ」だろう。2023年で創業70周年になる内燃機加工の老舗、埼玉県川越市のiB井上ボーリングでは、そんな困った状況時には、ピストンに合わせてシリンダースリーブを新作することで最善の仕上がりを目指してくれる。筒状の4ストロークエンジン用スリーブだけではなく、吸排気・掃気などの多孔仕様の2ストロークエンジンにも対応してくれる実績がある。内燃機加工依頼で困ったときには相談してみよう。さらには、現代のエンジンと同様に、放熱性が良く、高い表面硬度から減らないシリンダーを実現した、特殊めっきシリンダーの「ICBM®シリンダー」での対応も可能だ。昔と比べて過酷な環境の現代。愛おしい旧車を元気良く走らせるために、現代の技術を盛り込んだ「モダナイズ」を実践することで、末永く愛車を楽しみ続けたいいものだ。




エンジンのメンテナンス

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